■ 最新記事
(08/15)
(08/14)
(08/13)
(08/12)
(08/11)
(08/10)
(08/09)
(08/08)
(08/07)
(08/06)
■ カテゴリー
お探し記事は【記事一覧 索引】が便利です。
■2016/03/22 (Tue)
創作小説■
第10章 クロースの軍団
前回を読む
13
大門の前に、村人が列をなして集まってきた。戦の知らせを受けた人達が、王城へと避難しにやってきたのだ。大門が開かれ、避難した一団が街の中へと入っていく。街の人々はそこで初めて戦争が起きている事実を知り、避難してくる人達を茫然と見ていた。
その列に随伴していた騎士が、門衛の側に進んだ。
騎士
「軍団は? 王の召集はまだか?」
門衛
「まだ何も。それ以前に、何が起きているのか報告するありません」
騎士
「この後に及んで何をたわけたことを言っておるか! 今セルタの砦では、オーク殿がわずかな兵で6万の大軍勢と戦っておるのだぞ! すぐに報告に行け!」
門衛
「は、はっ! 今すぐに」
門衛が慌ててその場を離れていった。
ところが、別の兵がそれに入れ替わるように大門の前にやってきた。
兵士
「門を閉じよ! 誰も入れるな! 命令であるぞ! 門を閉じよ!」
騎士
「馬鹿な! いったい誰の命令だ! 言え!」
兵士
「国王陛下の命令だ。即刻門を閉じよ!」
騎士
「……馬鹿な」
兵士の伝令に大門がぐぐぐと閉じる。しかし門は完全には閉じない。兵士達が槍で村人達を排除した。
村人達の列がそこで寸断され、大門の内と外で大騒ぎが起きた。家族や友人と引き離された人々が大門の両側に群がって、門を開けろと訴えた。しかし兵士達は王の命令を守って、頑なに村人達を押しのけた。
次回を読む
目次
PR