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■2016/03/27 (Sun)
第6章 フェイク

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25
 窓の外は、もう車ばかりだった。高田の姿はもう見えない。
 ツグミはゆっくり頭をあげようとした。しかしモップ頭の青年が振り返って、頭を下げるように、と指示した。ツグミは頷いて、黒いシートの上で寝転がった。
 迂闊に外を覗き込んで、目撃されてはいけない状況なのだった。ツグミは寝転がって、黒のシートに頭を押しつける。ワゴン車の震動が直接体に伝わってくる。それにゴムの臭いが強烈に立ち上がってきて、不快だった。時々辺りを見回すけど、窓から見えるのはビル群の先端か、灰色の雲ばかりだった。
 ツグミは状況の確認を諦めて、膝を抱えて小さくうずくまった。
 後ろめたかった。計画通りに進んでいるけど、警察の人を裏切ったんだ、と思った。目の前で高田が転んだ光景が忘れられなかった。自分が突き飛ばしたような気がして、ひどい罪悪感に捕らわれてしまった。
 ツグミは胸の奥を何かに掴まれたようになって、泣き出しそうになった。
 でも、今は我慢しようと思った。鼻に腕を押し当てた。コルリを救い出すため。コルリを救い出すまで。それまで冷静でいようと決意を改めた。
 いつの間にか、ワゴン車は静かな通りへ入ったようだ。周囲を包んでいた車の気配は消えていた。どこかの敷地内に入っていくようだ。
 ツグミはどこだろう、と頭を上げた。工場だろうか。鉄屑が、あちこちに積み上げられていた。重機か何かの廃品がいくつも散乱していた。汚いところだった。
 ワゴン車はゴミゴミとした只中に、僅かな空間を見つけて駐めた。
 運転席の男とモップ頭の青年が車を降りた。ツグミも降りるのだろうと思って体を起こした。
 ハッチが開いた。開けたのはたぶん運転席の男だ。ツグミは初めて男の顔を見た。
 男は40過ぎといったところだろう。ざらついた肌が年齢をよく表している。目鼻立ちにこれといって特徴はないが、目が極端に薄目だった。ツグミは男が目を閉じているのかと思った。
 ツグミは杖を突いて、ワゴン車の後部へ向かった。男がちょっと手助けをしてくれて、ようやく車から降りる。
 男はワゴン車のナンバープレートを外し始めた。見ると、替えのナンバープレートをいくつか用意しているようだった。
 男の作業を見守っていると、ツグミにヘルメットが差し出された。振り返ると、モップ頭の青年が、ヘルメットを手に持っていた。モップ頭の青年はすでに作業着を脱いでいて、厚手の革のジャンパーを着て、手にはグローブが填められていた。
 モップ頭の青年の後ろに、バイクが1台置かれていた。ブルーを基調にしたネイキッドだ。
 ツグミはヘルメットを受け取った。モップ頭の青年がバイクの側へ向かう。ツグミはヘルメットを被りながら、青年の後に従いていった。首のところがうまく留められず、戸惑ってしまった。
 モップ頭の青年もヘルメットを被り、バイクに跨がった。バイクのキック・スターター・レバーを踏んで、「ブオォ!」と爆音を鳴らす。
 モップ頭の青年は、「乗れ」と言いたげにツグミを振り返った。
 ちょっと抵抗感があった。バイクに乗るのは初めてで恐いし、それに男の人と密着するのが恥ずかしかった。
 でも今は我慢。ツグミは呼吸を1つして決心すると、バイクの側へ向かった。しかしネイキッドのシートはツグミの腰より位置が高い。
 どうやって乗ればいいんだろう、とツグミはまごついた。バイクの右側に周り、右脚を軸にして、何とか左脚を上げてみる。
 モップ頭の青年は、乗りやすいようにバイクを右に傾けてくれた。ツグミは左脚をシートに引っ掛けて、次に飛び上がるようにして、ようやくバイクに跨がった。
 モップ頭の青年が、さらに「ブォォ」と爆音を鳴らす。ツグミは青年の背中を前にして、またまごついてしまった。
 今は我慢。我慢……。
 そう念じて、ツグミは青年の背中にぴったり体を付けて、腕を青年のお腹のところでしっかり結んだ。杖は邪魔にならないように、手首を内側に折り曲げた。
 青年の背中は、こうやって体を密着させると、思いのほか大きくて暖かかった。

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目次

※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

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