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■2009/08/06 (Thu)
この小説は、『さよなら絶望先生』を題材にした2次創作小説です。2次創作に関する法的問題については、こちらをご覧下さい。【著作物】【二次創作物】【パロディ】【パロディ裁判

P015 第3章 義姉さん僕は貴族です
 


8月の半ば頃に入った。夏休みは、もう後半の後半。あとは残り日数を数えるだけとなった。
私は夏の暑さに降参するように、自分の部屋で転がっていた。オレンジのタンクトップに、デニムのショートパンツという格好だった。
窓を全開にしているけど、入ってくるのはドライヤーのように暖められた風だけだった。太陽の熱射はなんでもかんでもくっきりとさせて、私の部屋を極彩色に変えていた。
……暑い。何もする気になれない。
全身から汗が流れ出る。こうしてしばらく転がっていたら気力が戻るかと思ったけど、体から水分が失われるだけだった。
机の上に夏休みの宿題が広げられていた。けれど、続きをしようという気になれなかった。宿題はほとんど手付かずだった。私は小学生時代からの教訓を一切生かさず、夏休みを遊び倒してするべき宿題を溜めてしまっていた。
そろそろ宿題を片付けなければいけない。だというのに、やる気は1ミリも動かなかった。
私は重たい体を起こして、立ち上がった。部屋を出て、ふらふらと階段を降りていく。狭くて急な階段は、影が濃くて、少し涼しかった。
台所に入り、冷蔵庫を開けた。何か飲める物はないだろうか、と思ったが、麦茶もカルピスもなかった。
「お母さん、カルピスないの? お母さん?」
私はどこかにいるはずの母を探して呼びかけた。
「もう、ないわよ。買ってきて。どうせ暇でしょ」
脱衣所のほうから母の声が返ってきた。どうやら洗濯をしているらしく、ぶるぶると水が渦を巻く音が聞こえてきた。
「暇じゃないんだよ。暇じゃ。宿題もあるし……」
私は諦めて冷蔵庫を閉じた。気分が晴れないまま、2階へ繋がる階段の前へ行く。階段を一段登ろうとして、足を止めてしまった。
部屋で待っているのは、夏休みの宿題だった。部屋に戻れば、嫌でも宿題という義務に直面しなければならなくなる。
私は重い溜息をついて、回れ右をした。
「カルピス買ってくるね」
私は母に用事を告げると、玄関に向かった。
外に出ると、さらに激しい熱射が頭の上から降り注いだ。異様な熱を持った箱の中に放り込まれたみたいだった。街はくっきりと色彩を切り分け、陰影を際立たせていた。外に出た判断を後悔したくなるような暑さだった。
私は、水分を失いすぎてふらふらする足元を律しながら、近所のスーパーへと向かった。
やっとスーパーに入ってクーラーの冷気に触れると、生き返るような心地だった。私はしばらく物色する振りをして充分に涼むと、棒アイスとカルピスを買ってスーパーを出た。
スーパーを出ると、私はアイスの包み紙を解いて、ぱくりと食べた。ひんやりした食べ物が体の中に落ちていく感触があった。アイスを食べながらなら、家まで体が持ちそうだと思った。
そうして家への道を戻り始めたけど、ふと私は足を止めた。そういえば、糸色先生の家ってこの近くだっけ。
急に私に悪戯心が湧き上がった。このまま、いきなり糸色先生の家へ押しかけちゃおうかな、と。せっかくカルピスも買ったわけだし、一緒に飲みませんか、なんて切掛けを作って。
私は一人で勝手に気分を盛り上がらせると、進路を変更して別の道へ入った。
アイスを食べながら、日蔭を選んで進む。そうして道を進んでいくと、ばったりと木津千里と出会ってしまった。
「あら、もしかして日塔さんも糸色先生のところ?」
千里は肩にかかる艶のある髪を払いのけながら、私に微笑みかけた。千里は胸元に刺繍の入ったキャミソールに、それに柄を合わせた膝上までの短いスカートを穿いていた。
「えっと、うん、そう」
私は笑顔を引き攣らせて答えた。抜け駆けを指摘されたみたいで、気まずい思いだた。
「そう。じゃあ、一緒に行きましょう」
でも千里は気にした様子もなく、通りを歩き始めた。私は棒アイスの最後の一口をぱくりと食べて、残った棒を袋の中に捨てた。そうして、千里と並んで歩いた。
「千里ちゃんは、先生の家に何か用事とかあるの? 委員長の仕事とか?」
私は、自分で勝手に引きこんだ気まずさをごまかすように訊ねた。
「ううん。たまに様子を見ないと、なんとなく心配でしょ。ほら、あの人、頼りないところがあるから。日塔さんは、何か用事だったの?」
千里は穏やかな調子で私に答えを返した。
「ええっと、私は、その……。そう、宿題、見てもらおうかなって……」
私は目一杯のごまかし笑いを浮かべて答えた。宿題も持っていないのだから、すぐにばれる嘘だと思ったけど。
でも千里は疑いもせず、ふうん、と視線を前に戻した。
そのまま私たちは、話もせずに並んで歩いた。時々、私は千里の横顔をちらと見た。綺麗で艶のある黒髪。小さく整った顔。体格は小柄なほうだけど、私の目からでも、千里は美人で魅力のある女の子に見えた。
そんな千里を前にして、私は軽く憂鬱を感じた。千里みたいな美人と並ぶと、私は日蔭に入っちゃうんだろうな、という気がした。
間もなくして、糸色先生の借家が見えてきた。緑が茂った低い生垣がぐるりと取り囲んでいる。小さな二階建ての家だったけど、木造の家には趣があり、立派な瓦の屋根が載っていた。
私は糸色先生の借家までやってきて、今さらながら気分をそわそわさせると同時に緊張した。本当に来ちゃった、みたいな気分だった。千里と一緒じゃなかったら、たぶんここまで来て素通りしていたかもしれない。
千里が戸口を開けて、敷地の中へ入っていった。玄関の格子戸が目の前に現れた。その格子戸に、なにやら張り紙が貼り付けてあった。
“失踪します 糸色望
まとい”

次回 P016 第3章 義姉さん僕は貴族です2 を読む

小説『さよなら絶望先生~赤い瞳の少女~』目次




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