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■2009/08/01 (Sat)
この小説は、『さよなら絶望先生』を題材にした2次創作小説です。2次創作に関する法的問題については、こちらをご覧下さい。【著作物】【二次創作物】【パロディ】【パロディ裁判

P011 第2章 毛皮を着たビースト
 


私は可符香と千里と一緒に、生徒玄関口から校舎の外に出た。そこで職員玄関口から出てきた智恵先生と合流した。
雨はぽつぽつと降っているだけで勢いは弱かった。空の雨雲は早く動いて散りかけている。もう少ししたら晴れそうだった。
私たちは傘を差して雨の中に出て行った。土が雨を吸って、いくつもの水溜りを作っていた。登校していたときは晴れていたから、思っていた以上に私が眠っていた時間は長かったのかもしれない。
そうして私たちが校門の前に行きかけた時、背後から誰かが慌しく駆けて来る気配がした。私たちは足を止めて振り返った。走ってくるのは糸色先生だった。番傘を手にしていて、袴の裾に泥を跳ね上げていた。
「あら、糸色先生。どちらへ?」
智恵先生が糸色先生の前に進み出た。
「小森さんの居場所がわかりました。これから向かうところです」
糸色先生が千恵先生の前で止まり、いつもにはない厳しい顔をした。
「どこですか?」
智恵先生にも厳しい顔が宿る。
「自宅です。昨日の晩、突然実家に帰宅したそうです。ちょうどいいから、みなさんで行きましょう」
糸色先生が私たちを見て説明した。
小森霧が実家に帰っている。学校引きこもりを始めて2ヶ月というから、あまりにも意外な隠れ場所だった。
私たちはそのまま、霧の家へ移動した。
霧の実家は、閑静な住宅街の奥へ入った、狭い通りにあった。その辺りは、ゴーストタウンみたいに静かで、勢いの弱い雨の音が際立って聞こえる気がした。アスファルトの通りは手入れされておらず、ひびが入り、苔やカビが張り付いて雑草がぽつぽつと生え始めていた。
そんな場所に置かれている霧の家は、典型的な2階建ての文化住宅だった。壁の色は汚れて黒くなり、赤い屋根は色を失いかけている。窓ガラスは曇っていて、中が暗く沈んでいた。なんとなく全体の影が重く、廃屋になる寸前で留まっている家みたいだった。
インターホンを押すと、霧の父親が出てきて応対してくれた。話は通っているらしく、すぐに私たちを家の中に通してくれた。
「よく来てくれました。お友達も一緒で。昨日の夜、急に娘が帰ってきたんですよ。もうずっと連絡もなかったものですから、本当に、なんていうべきか……。でも、やはりあの部屋にこもりっきりで食事もとらず、顔も合わせようともしないんです。一日が過ぎているんですが、物音すらせず、いったい何をしているのかと……」
霧のお父さんは、聞かれもしないのにとりとめもなく話を始めた。
お父さんは若そうだったけど、顔は疲れきって皺が多く、髪には白髪が多くなりつつあった。見たまま、苦労しているんだな、と思った。
家の中もひどく暗かった。窓からささやかに光が入ってくるけど、むしろ家全体の影を深くしているように思えた。
私は靴下の足にざらついたものを感じて、もしやと思って振り向いた。掃除もしていないらしい廊下に、私たちの足跡がくっきり写っていた。家を出るとき、足の裏の埃を払ったほうが良さそうだ。
私たちは、二階の霧がいる部屋の前まで案内された。
「霧、学校の先生がいらしてくれたよ。クラスの友達も一緒だよ。さあ、出てごらん。顔くらい見せたらどうなんだ」
霧のお父さんはドアをノックして、弱々しい声で呼びかけた。本人の前ではいえないけど、駄目なお父さんって感じだった。
「失礼、私が。小森さん、私です。ちょっと聞きたいことがあります。入りますよ」
糸色先生が代わりを務めて、呼びかけながら、ドアノブをひねった。鍵はかかっていないようだった。

次回 012 第2章 毛皮を着たビースト9 を読む

小説『さよなら絶望先生~赤い瞳の少女~』目次




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