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■2016/05/03 (Tue)
第11章 蛮族の王

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11
 ようやく鉄扉が開いた。
 扉の向こう側へ行くと、石造りの壁が現れた。方形の部屋で天井がどこまでも高く伸び、階段が壁を這うようにして上へ上へと繋がっていた。一行は慎重に階段を登った。その先に、再び鉄扉が行く手を塞いだ。
 今度の鉄扉は錆びてもいない。鍵開けの名人が解錠しようとするが、それより先に向こう側から誰かが解錠してしまった。
 オーク達は武器を手に警戒する。
 だが現れたのは、地下宝物庫の管理人だった。

管理人
「……そろそろ来る頃と思っておりました。さあ」

 管理人は驚いた様子もなく、オーク達を順番にランプで照らすと、一同の案内人として先頭に立った。
 鉄扉の向こうに、もう1つ小さな部屋が続いていた。特に何もない部屋で、扉が1つだけあった。その扉の向こうが、地下宝物庫の廊下になっていた。管理人が廊下を慎重に確かめると、オーク達を廊下へ通す。管理人が小部屋の扉を閉めた。廊下から見ると、小部屋への扉は周囲の壁とそっくりに作られていて、閉じてしまうともうどこに扉があったのかわからなくなってしまった。
 そこからは案内人と別れて、廊下を突っ切って地下宝物庫を出た。見張りの兵士を警戒しながら、牢獄へと向かう。城内の警備は、思った以上に手薄だった。
 地下牢へ入っていくと、独房が並ぶ通路に出た。ウァシオの恐怖政治のせいか、どの独房もほぼ満員状態だった。死亡した囚人を放置している独房もあり、異様な腐敗臭が辺りを充満していた。かつては見られなかった光景である。
 地下牢の進んで行き、一番奥の部屋にセシルがいた。

オーク
「セシル様!」

 オークは独房の中へと入っていく。
 セシルの姿は変わり果てていた。全身の傷が生々しく残されて、治療は敢えて施されず、そのためあちこちで膿を吹き、蛆が群がっていた。長く食事が与えられなかったらしく、体は衰弱していた。両目は拷問の末に、完全に塞がれていた。
 それでも、セシルはまだ生きていた。

オーク
「なんて酷い……」
セシル
「……オークか」

 弱々しい声でセシルが訊ねる。

オーク
「すぐに連れて帰ります。治療を施します」
セシル
「……よせ。……私は、もう……。お前……だ…け……で……生きろ」
オーク
「必ず救い出します。王がいなければ、この国は滅んでしまいます」

 オークはセシルの体を抱き上げた。その体は、かつてもののふとして戦場を駆け抜けた者とは思えないくらい、軽かった。
 地下牢の通路を駆け抜け、1階に上がろうとするが――そこを、兵士達が取り囲んでいた。兵士達はすでに剣を抜いていた。

ゼーラ一族
「誰か来ると思ってたぜ。よーしてめぇら、奴らを捕らえろ!」

 戦いが始まった。兵士達は侵入者に襲いかかり、戦士達は果敢に戦った。戦士達はゼーラ一族の兵士を斬り伏せ、突破口を作り出すと一気に駆け抜けた。
 侵入者の知らせは、間もなく城の中に行き渡った。次から次へと兵士が集まってくる。地下宝物庫への通路はすでに使えない。やむを得ず、城の正面入口のほうへ向かった。
 兵士達が集まってくる。オーク達は無理矢理でも兵士達を倒し、城を脱出した。
 が、大階段に出ると、その下を埋め尽くさんばかりの兵士が集結していた。剣を抜き、侵入者を留めようとしていた。
 オーク達は思わず脚を止めてしまう。背後にはゼーラ一族の兵士が迫ってくる。
 しかし兵士達は剣を収めた。オークに敬礼を送り、道を空けた。
 幸運だった。彼らはゼーラ一族ではなく、ウァシオにひそかに反抗する勢力だったのだ。
 オーク達は兵士達の中を駆け抜けていく。ゼーラ一族が後を追いかける。だが、兵士達がその進路を遮った。

兵士
「オーク様! こっちです!」

 兵士が馬を連れてオーク達のところに駆けてきた。
 オークたちは馬に乗って、坂道を駆け下り始めた。

兵士
「オーク様が行くぞ! 門を開けろ! 門を開けろ!」

 伝令はすぐに届いた。固く閉じられた門が次々と開く。オーク達は何の障害もなく、坂道を降りていった。
 ゼーラ一族が後を追いかける。馬に乗り、矢を放った。それを留めようとする兵士との間で、戦闘が起きた。
 坂道を降りていく最中にも、ウァシオ派と反ウァシオ派があちこちで対立していた。ウァシオ派の兵士が飛び出してくるが、反ウァシオ派兵士が遮り、オークのために道を作り、オークの後に従いて走った。
 ついに城を抜けて、城下町へと降りた。ゼーラ一族の騎兵が追いかけてくる。オーク達も馬を走らせた。夜の街を騎馬の一団が疾走する。ゼーラ一族は走りながら矢を放った。兵士達もゼーラ一族を追いかけて、その進路を阻止しようとした。
 騒ぎが街を駆け抜けていく。夜中にも関わらず、街の人達は窓を開け、通りにどんどん集まってきた。侵入者の中にオークの姿を見付けると、口々にオークの名前を称え始めた。街に集まってきた人の数はどんどん増えて、オークの名を称える叫びはやがて大合唱になって街に轟いた。いつしかオークを見送る人々の列ができあがっていて、それがオークを追いかけようとするゼーラ一族らの足止めをした。
 やがて大門が見えてきた。大門の周囲でも、兵士とゼーラ一族との間で戦闘が起きていた。勝利した兵士達の手によって、今まさに門が開かれようとしていた。
 オークは大門を通り抜けようとする前に、一度馬を止めた。人々を振り返り、剣を高く突き上げた。いつの間にか朝日が昇りかけていて、剣の切っ先が太陽の光を宿した。

オーク
「必ず戻る! 助けに戻るぞ!」

 人々が大喝采の声を上げた。
 オークは大門を潜り抜けて、草原に出た。
 夜が明けていた。東の森が淡く浮かび、海岸線が日の出直前の光に煌めいていた。
 オーク達は馬を走らせて、城壁から離れていった。目指すは隠里だ。オーク達の後に、城から脱出した兵士が何人もついてきた。わずか8人で侵入したはずが、出る時には小さな軍団ができあがっていた。
 そうしてしばらく走り続けたところで、1人の兵士がオークに馬を寄せてきた。

兵士
「オーク様! オーク様!」
オーク
「どうした」
兵士
「ソフィー様が、まだ生きておられます!」
オーク
「本当か!」
兵士
「私はセルタの砦で捕虜の管理をしておりました。そこでソフィー様を見たのです。しかし先日、クロースの男に連れて行かれました。大軍を率いて、パンテオンを滅ぼすつもりです」
オーク
「…………」

 オークは南西の方角に目を向けた。だが逡巡した。腕の中には死を目前にしたセシルがいる。天秤の量りはどちらも重かった。

ゼイン
「オーク殿! 行ってくだされ! セシル様は私が引き受けよう」
オーク
「すまない」

 オークはセシルをゼインに委ねると、馬首を南西へと向けた。

オーク
「後のことは頼む! これは私の個人的な問題だ! 誰も従いてこなくていい!」

 オークはそう命令すると、馬の腹を蹴った。だが、その後を何人もの兵士が名乗り出て従いていった。

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