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■2016/01/30 (Sat)
第9章 暗転

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 その夜、深夜にか関わらず、王城にはすべての側近、忠臣が集められていた。ヴォーティガン王は息を絶え絶えにしながらも、威風を失わせず、堂々とした振る舞いで王座に座り、最後の公務を務めようとしていた。
 辺りを照らす蝋燭は極端に暗く、王の周囲だけをささやかに照らしていた。僧侶達の祝詞が響き、香が広間を覆っていた。
 忠臣達はすでに喪服だった。王は震える声で、震える指先で、1人1人に託宣を与えていた。儀式は重苦しい空気の中、粛々と進行していた。王の死は誰の目にも明かで、暗がりの中で泣き女の霊がすすり泣く声が聞こえてきた。
 儀式の最後に、セシルとオークの2人がヴォーティガン王の前に並んで膝をついた。


「……さあ、最後だ。死に神が見えるわい。手早く済ませよう。――セシル。わしが死んだ後はお前が冠を継ぎ、ヴォーティガンを名乗るがよい。それからオーク」

 ヴォーティガンは今や真っ白に澄み切った目でオークを見た。


「お前には礼を言う。僅かであったが、希望が戻った。失われた息子よ。今やそなたが我が子だ。わしの死後、セシルの片腕として政治を輔弼し、そしてケルトの戦士として国を守れ」

 オークは深く頭を下げた。
 それからヴォーティガン王は2人の息子に、そこにいる全員に宣言するように言った。


「よき兄弟であれ。よき仲間であれ。そなたたちの絆は大地の精霊達が祝福するであろう」

 宣言を終えて、ヴォーティガンはオークの右隣の闇に目を向けた。


「もうよいぞ。伝え残した言葉はない。さあ――」

 王はそういって手を伸ばした。闇が王の手を掴む感触があった。その直後、王の体ががくりと崩れた。
 一同は俄にどよめいたが、間もなく押し黙った。僧侶の重々しい祝詞の声だけが残った。


 亡き王の体が棺に入れられると、臣下たちが順番に花を添えていった。最後に僧侶が棺を担ぎ上げ、運び出していった。
 王城を出ると、俄に東の空が白み始めていた。風景は青く浮かび、雨が降っていた。
 王の棺は御輿に乗せられて、街道を練り歩いた。国中から集まった人達に見送られていった。
 僧侶達の列はやがて大門を出ると、草原を横切り、海岸へと向かった。海岸にはわずかな忠臣だけが集まっていた。僧侶達は棺桶を波の上に載せて、そこに置かれていたボートと舫い綱で繋げた。ボートはゆっくりと棺桶を海へと導いていく。
 風が強く、波が荒々しく角を尖らせていた。ボートは棺桶を沖まで引いて行き、やがて綱を外した。棺桶は1人で波に流されていく。
 忠臣達は、王が去って行くのをじっと見詰めた。棺桶はやがて荒波に飲まれて、その向こうに消えていった。

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