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■2009/09/19 (Sat)
映画:外国映画■
カトリックを国教とするスペインと、プロテスタントを国教とする英国。
スペイン王フェリペニ二世は、プロテスタ
英国女王エリザベスのもとに、いくつもの縁談の話が舞い込んでくる。
退屈そうにするエリザベスは、謁見場にいた、一人の男に心惹かれる。海賊の、ウォルター・ローリーだ。
歴史を題材にし、背景に戦争の影があるが、本質は恋愛映画だ。女王エリザベスの恋愛物語であり、成長の物語だ。
二人のエリザベスの関係は、光と影だ。二人は常に一緒にいるし、鏡のように対比する存在として描かれる。
権力を持ったエリザベスと、権力に服従するエリザベス。思い通りになれないエリザベスと、思い通りになるエリザベス。
ウォルター・ローリーの役割は、恋愛の主体であると同時に、この両者の関係を変質させるためにある。
王とは、すべての権威の最上部にありながら自由はない。民も側近
王とは偶像に過ぎない。王とはある意味で人間ですらない。王とは国家である。王とは大地そのものである。
だから女王エリザベスは、救いたい命も救えず、愛も得られない。人間としての欲求は、王という存在にはふさわしくないからだ。
エリザベスは海賊ローリーに恋心を抱く。しかしエリザベスの恋は決して実現しない。
なぜなら、女王エリザベスは“バージン・クイーン”であるからだ。エリザベス自身で、絶対の処女という象徴的存在を規定した。だから、自らこれに反逆してはならない。だから女王エリザベスは、侍女のベスを通じて、ローリーの愛を得ようとする。自分の代わりにローリーと踊らせ、自分の代わりに愛の言葉を交わす。そのどちらも、女王がする行為としては認められていないからだ。
エリザベス女王は、様々な葛藤を抱き、決断を迫られる。
人間としてではない。女としてでもない。一国を背負う王として。王である立場を自ら受け入れ、民を導く覚悟のために。
映画記事一覧
作品データ
監督:シェカール・カプール
脚本:ウィリアム・ニコルソン マイケル・ハースト
音楽:クレイグ・アームストロング
撮影:レミ・アデファラシン 編集:ジル・ビルコック
出演:ケイト・ブランシェット ジェフリー・ラッシュ
〇〇〇クライブ・オーエン リス・エヴァンス
〇〇〇ジョルディ・モリャ アビー・コーニッシュ
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