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■2009/09/19 (Sat)
この小説は、『さよなら絶望先生』を題材にした2次創作小説です。2次創作に関する法的問題については、こちらをご覧下さい。【著作物】【二次創作物】【パロディ】【パロディ裁判

P059 第5章 ドラコニアの屋敷

17

藤吉が振り返った。そこにあったのは厳しい戦士の顔ではなく、緊張から解放されて微笑む同世代の女の子の顔だった。
「助かりました。でも藤吉さん、格闘技でもやっていたのですか」
糸色先生が千里とまといに助けられて体を起こした。その腹に、バタフライナイフが突き刺さったままだった。
藤吉は朗らかな顔で首を振った。
「ううん。格ゲーで。でも、リアルファイトも結構いいもんね。ねえ、千里。今度二人でジムとか行かない?」
藤吉は気持ち良さそうな背伸びをして、千里に微笑みかけた。
「こんなときにおかしな冗談はいわないで。それに、晴美と一緒は嫌よ。」
千里が放り出されたままの眼鏡を拾い、藤吉に差し出した。その瞬間、二人は親密そうに目線を交わした。互いを気遣うような気配が漂い、藤吉は眼鏡を受け取りながら、こくりと頷いた。
私たちは、再び出口を目指して進み始めた。だけど、糸色先生は負傷して、思うように走れないようだった。まといに支えられ、千里に手を引かれながら、なんとか早足に進む。
ホールを離れてしばらく進むと、下に降りる階段が現れた。そこまでくると、『ジュリアーノ・デ・メディチ』の後ろ姿が見えた。『ジュリアーノ・デ・メディチ』の向うから、月の光が射しこんでくるのが見えた。出口は、すぐそこだった。
だが、背後からモーター音が聞こえた。私たちははっとして振り返った。暗闇の中から、チェーンソーを手に微笑を浮かべる可符香が現れた。
「みんな先に逃げて!」
藤吉が可符香と向きあって、低く身構えた。
「できません!」
糸色先生が藤吉を振り向こうとした。しかし、千里が糸色先生の手を強く引っ張った。
「大丈夫、晴美を信じて!」
千里は糸色先生に声をかけて、階段に向かった。
私たちは階段を駆け下りていった。私は一番に階段を下りて、振り返った。階段の上のほうで、千里が踏みとどまっていた。戦いの音が、その向うから聞こえてきた。千里は間もなく階段を降りて、私たちを追いかけてきた。
私たちはついに、屋敷の門から外に飛び出した。星ぽつぽつと瞬くのが見えた。新鮮な空気が辺りを巡るのを感じた。まだ屋敷の敷地内だけど、私はほっとした気分になって足を止めてしまった。千里もまといも足を止めて、はあはあと息を吸い込んでいた。あびるは今にも崩れそうになって、膝に掌を置いていた。
その時、いきなり窓が砕けた。門の右手の窓だった。破片が飛び散って、少女が飛び出してきた。藤吉だった。
「走って!」
藤吉は受け身を取って鮮やかに立ち上がると、警告しながら走った。
私たちは再び走った。煉瓦敷きの通りを突っ切り、目の前に門が現れた。私たちは順番に、噛み合わずずれたところから体を押し込んで外に出た。最初に私、あびると続き、負傷した糸色先生とまといが一緒に出ようとする。
背後の闇から、モーター音と共に軽やかな足音が迫ってきた。振り向くと、煉瓦敷きの通りを、可符香がチェーンソーを手に走ってくるのが見えた。
「急いで!」
私とあびるで、糸色先生の脱出を手伝った。後ろから千里が糸色先生を押した。やっと糸色先生の体が外に出た。
最後の千里と藤吉が門の外に脱出した。
可符香の走る勢いが落ちた。門の前に来る頃には、可符香は完全に足を止め、チェーンソーを止めて放り出してしまった。そうして、鉄柵越しに私たちを赤い瞳でじっと見詰めた。
「どうして来ないの?」
千里が戸惑う表情で可符香を振り返った。
「我々が屋敷の外に出たからでしょう。ここで殺人を犯せば、男爵に言い逃れのできない容疑がかかってしまいます。屋敷の中ならば、男爵の自由が許されますが、ここでは目撃者の怖れがあります。だからでしょう」
糸色先生は苦しそうな声で解説した。着物に広がった赤い染みがじわりと広がりつつあった。
「藤吉さん、血、出てる」
私は藤吉の右腕から出血しているのに気付いて声をあげた。
「やられたの?」
あびるが気遣うように藤吉を覗き込んだ。
「ううん、ガラスで切っただけ。脱出するときに」
藤吉は何でもない、というふうに微笑むと、傷を隠すように掌で抑えた。
「先生、警察を呼びましょう。」
千里が厳しい顔で糸色先生を振り返った。
「駄目です。そんなことをしたら、私がマスコミの前で謝罪しなくちゃいけなくなったり、大変じゃないですか」
「先生、こんなときに何言っているんですか」
私は思わず呆れた声をあげてしまった。でも糸色先生は、私たちを手で制した。
「それに、あの子は私の生徒です。私は自分の生徒を、警察に突き出すような真似をしたくありません。いいですか。警察を動かすのは、最後の一手。男爵を確実に封じられるその時だけです。いいですね」
糸色先生はじっと可符香に似た少女を見詰め、それから私たちに引き攣る声で念を押した。
私たちも真剣な顔で頷いた。
糸色先生の体が崩れかけた。まといが慌てて糸色先生の体を支える。糸色先生は顔中に汗を浮かべ、はあはあと息を喘がせていた。
「……それでは、申し訳ありませんが、兄の医院まで引っ張ってくれませんか。あそこなら安全なはずです」
糸色先生が私たちに手を伸ばした。私たちみんなで、糸色先生の手を握った。

次回 P060 第6章 異端の少女1 を読む

小説『さよなら絶望先生~赤い瞳の少女~』目次




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