忍者ブログ

89c79c73.png
■ コンテンツ ■

ad17d9bc.png 2f3a1677.png c1a81a80.png 9452a147.png 5350f79a.png 01b9b1e8.png 29aa8305.png d5525adf.png 0e6a6cf4.png b76ca7e7.png fea5d7ae.png
■ Twitter ■

■ ブログランキング

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
■ ショップ

DMM.com DVD通販、レンタルなどの総合サイト
■2017/06/24 (Sat)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

にほんブログ村 アニメブログへ
■ [993]  [992]  [991]  [990]  [989]  [988]  [987]  [986]  [985]  [984]  [983]  ■


■2015/11/29 (Sun)
第5章 Art Crime

前回を読む

 元町の高架下を潜り抜け、アーケード手前の細い小道に入っていく。そこに岡田書店はあった。
 その辺りは、いつも薄く影が落ちていて、明るい昼間でさえ、いかがわしい雰囲気が目一杯に溢れていた。空気が重く底のほうに留まり、不快な臭いが湿り気を帯びてまとわりついてくるようだった。
 岡田書店の構えも、アルミの柱や壁が雨の泥で黒くなり、ぼろぼろに傷んでいる。店の名前の入ったプラスチックの看板も、下半分が欠落していた。
 店の中に落ちる影はさらに重く、開けたままの扉から怪しい何かが手を伸ばしてくるように思えた。
 ツグミは岡田書店の前までやって来て、そのまま通り過ぎてしまった。
 正直、入りたくない。岡田の口車に乗せられ、ここまでやって来てしまった自分の判断力の甘さを呪った。
 しかし、入らないわけには行かない。これは仕事なのだ。そう仕事なのだ。仕事……仕事……。
 ツグミはそう自分に言い聞かせて、岡田書店を振り返った。
 店の前までやって来て、ツグミは深呼吸して、最後に息を止めた。覚悟を決めて、店の中に飛び込んだ。
 店の中は狭く、書棚がぎっちりと押し込まれていた。通路の幅は、人の肩幅よりもやや広いだけだった。書棚に並べられた、裸の女たちが、一斉に微笑みかけてきた。
 岡田書店は成人向け雑誌を専門に取り扱う店だった。一言で言い表すと、エロ本屋だった。
 店の客は当然、男性ばかり。ツグミが入っていくと、みんな一斉に振り返った。どちらかといえば、何かが異物が混じり込んだというような驚きと戸惑いの目線。その目線が……いやどんな目線であれ刺すように痛かった。
 ツグミは充分に決意して入ったつもりだったが、男たちの視線の前に踏みとどまってしまった。帰りたい。強烈にそう思いながら、しかし杖をついてできるだけ早く、男たちの背後をすり抜けていった。
 男たちの好奇の視線がツグミを追いかけてくる。こんなに視線が痛く感じる経験は、そうそうないだろう。よくよく考えてみれば、こんな場所で女子高生がセーラー服姿で入っていく。ありとあらゆる誤解を受けても仕方がないシチュエーションだった。それに通路の幅が狭く、どうしても男たちの後ろを、背中をくっつけて通らねばならず、それが不愉快極まりなかった。
 奥のカウンターに立つ、バイト青年の前まで行く。ドレッドヘアなのだが、どちらかといえばモップが目元を隠している感じの、色黒の青年だった。
「岡田さんは?」
 声に嫌悪感を隠そうとも思わなかった。
 バイト青年は、無表情にカウンターの後ろを指でさした。
 カウンター後ろは扉ではなく、書棚で仕切り、突っ張り棒で暖簾を掛けているだけだった。
 バイト青年の無感情な対応がありがたがった。ツグミは「ありがとう」と短く感謝を告げて、カウンター奥へと入っていった。

次回を読む

目次

※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

拍手[0回]

PR
にほんブログ村 アニメブログへ
■ [993]  [992]  [991]  [990]  [989]  [988]  [987]  [986]  [985]  [984]  [983]  ■


■ ブログの解説 ■

漫画・アニメ・キャラクターを中心に取り扱うブログです。 読みたい記事は、左の目次からお探しください。

QLOOKアクセス解析


■ ブログ内検索  ■

私が描きました!

アマゾンショップ

アマゾンのサイトに飛びます
フィギュア

アニメDVD

新刊コミック

ゲーム

ライトノベル

楽天

アマゾン<シャッフル>ショップ

私が描きました!

Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]