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■2015/09/05 (Sat)
創作小説■
第3章 秘密の里
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6
森はまだ暗く沈んでいた。夜明けがまだ遠く、森を横切る小道はひっそりとした影の中に浮かぶ。そこを、馬車が1台進んでいた。荷台には家財具一式を載せている。しかし馬車を取り囲むのは1つの家族ではなく、男達だ。フードを深く被り、武器を見えないように持っている。その中にオークの姿もあった。オークはそっと闇の深い周囲の藪を見る。弓矢を持った男達が密かに従いてきている。
馬車は、小道をゆっくりと進む。草むらに覆われた小道を、山刀で払いながら進んでいく。
すると、その先に山賊達が待ち受けていた。
山賊
「待ちな! 村が大変なこの時に逃げるとは薄情な連中だ。荷を置いて行きな。争うなら命も奪っていくぞ!」
オークが合図を出す。
すると家財具の中から武装した男達が飛び出す。周囲の森から弓兵が次々と現れる。
山賊達は狼狽した顔で、周囲を見る。村人達が山賊を取り囲んでいた。
山賊
「へっ! 戦の経験のない田舎者どもが。出し抜いたつもりか」
ヒュン!
山賊の足下に、矢が突き刺さる。
オーク
「戦の経験はありませんが、矢の達人揃いです。服従しなさい」
山賊
「……チッ」
山賊達が武器を捨てる。
オークは山賊達6人を縄で縛った。残りの1人を解放した。
村人
「いいんですかい?」
オーク
「これは宣戦布告です。備蓄が充分でない以上、短期決戦を狙います」
次回を読む
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