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■2015/09/03 (Thu)
創作小説■
第3章 秘密の里
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5
屋敷の広間。テーブルの上に、集落周辺の地図を広げる。テーブルの周りに、ステラとオーク、それから村の何人かが集まった。オーク
「私が指示したのは、地図上のここからここまでです。戦になれば、全ての監視はできません。必要のない部分は切り捨てる必要があります。墓場は守る必要がありません」
ステラ
「お前は、どんな権限でそれを命じておるのだ」
オーク
「あなたに雇われている身です。しかし私の役目は村を守り、犠牲を可能な限り減らすことです。墓場は必要ありません。墓場を打ち捨ててください」
ステラ
「あそこには、この村の礎となった尊き先人たちが眠っている。お前はそれを山賊共に蹂躙されるのを、黙って見ていろと言うのか」
オーク
「やむを得ないでしょう。しかしだからといって、死者の魂が穢されたりはしません」
ステラ
「詭弁だな。闘将よ、ここでは戦だけが全てではない。この村には、守らなければならないものがある。墓場もその1つだ」
オーク
「ならばこの村の秘密を明かしていただきたい。山賊がこんな辺境の隠里を狙う理由はなんですか」
ステラ
「客人よ。軽々に秘密を探るべきではない。明かすべきではない秘密は多くある。余計な探りは入れるな。今のように生き続けたいと思うのならな」
オーク
「…………」
ステラ
「無礼は許そう。今後も戦いの指揮を続けてくれたまえ」
ステラが一族の者達を連れて部屋を去って行く。1人取り残されるオーク……。
オークが屋敷を出る。斜面を降りていき、仕事の様子を見ようとする。
すると、どこからか視線を感じた。仕事を続ける村人の何人かが、オークを監視するように見ている。
オークは再び墓場のほうへ進む。墓場全体を囲むように柵が作られている。オークは坂道を降りていき、墓場へと入っていく。すると、墓場の只中、小さく作られた木立の中に、何かがあるのに気付く。石造りの建造物だ。それが、木々に隠されるように立っている。
村人
「アンタ!」
オークがはっと振り向く。村の男が山刀を手に立っていた。
村人
「すまないが、こっちに来てくれないか。仕事を見てもらいたいんだ」
オーク
「……ああ。行きます」
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