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■2010/04/07 (Wed)
第1話 雪華の都

775b3d13.jpg京の都に暗い影が落ちていた。雪が漂うように降り続けている。月の明かりは雲の陰に消えて、真っ暗闇に凍てつく冷気が霧の滴のようにまとわりつくようだった。
雪村千鶴は走っていた。京の町は人が消えてしまったように沈黙していた。背後から追跡してくる気配だけが不気味に際立っていた。
127b16b9.jpg千鶴は暗闇に沈む道の通りへと飛び込んでいく。彷徨っているうちに迷路のように入り組んだ路地に踏み込んでしまっていた。ここはどこだろう? どっちに行けばいいのだろう?
本能からか、千鶴はより暗く、望みのない闇へと足を向けてしまっていた。そこに見つけた樽の陰に飛び込んで身を潜める。
62d0bd8c.jpg「クソッ! どこへ行きやがった」
追跡者が四つ辻の前で足を止めた。荒く息を吐きながら、せわしなく土を踏む音が聞こえる。
千鶴は熱く火照った体を抑えて、深く呼吸した。吐息が漏れないように自分の口を押さえる。
726c7c21.jpg「逃げ足の速い小僧だ」
「そう遠くには行っちゃいまい。探せ!」
2人のやり取りが聞こえた。2人は手短に打ち合わせて、2手に分かれる。
ざっざっと土を踏む音が迫った。千鶴ははっと顔を上げた。正面の白061e6762.jpgい壁がぼんやりと浮かんでいた。その白い壁に男の影が映った。
千鶴は小さく震えた。震える手を律して、刀の柄を握る。掌に力がこもらず、握るというより添えるようだった。
その時、どこかで悲鳴が漏れた。白壁に映った影が振り向き、刀を抜いた。
ed83f4cd.jpg笑い声が聞こえた。狂ったように甲高い笑い声だった。
金属音が跳ねた。刀がぶつかり合っているのだ。千鶴は状況がつかめず、ただ恐怖に捉われて白壁をじっと見ていた。
白壁に影が映った。男の頭に、刀が突き刺さっていた。どさりと男が倒れた。千鶴の側だった。男は頭を刀で抉られ、恐怖に引き攣った瞬間で硬直していた。
千鶴は悲鳴が漏れそうになるのを必死に抑えた。恐怖がこみあげてきて、自分の意思とは無関係に目に涙を浮かべた。火照っていた体が急速に熱を失っていった。
ade3fcf8.jpg誰かが現れた。ふらふらと頼りなげな足取りで、ずしりずしりと雪を交えた土を踏んだ。侍だった。青で染められ、袖口に山形の紋様をあしらった陣羽織を羽織っていた。右肩が抉られたように引き裂け、血を噴出していた。しかし打撃を負った様子はなく、侍はしっかりと右掌に刀を持ち、歩いていた。
fb27ab20.jpg侍が千鶴の前に現れた。樽の陰に隠れている千鶴に気付き、振り返った。侍の顔に、狂人の微笑みが浮かぶ。
侍が刀を振り上げた。千鶴は身をかばうように両手を突き出し、悲鳴を上げた。
しかし、刀は振り落とされなかった。奇妙に沈黙した間を置いて、どさ26c2dc24.jpgりと崩れる気配があった。
千鶴は目を開けた。さっきの侍が足元に倒れ、空虚な目で雪の景色を見ていた。殺されたのだ。
千鶴は顔を上げた。目の前に、男が立っていた。男は手に持っていた刀をさっと振った。白い土壁にぴちゃりと液体が飛び散った。すっと刀を鞘に収める。
e46cbc25.jpg12892e29.jpg「残念だな。僕1人で始末しちゃうつもりだったのに……。斉藤君、こんな時に限って、仕事早いよね」
幼く聞こえる男の声が、斉藤と呼ばれる男をからかうように声を掛けた。
「俺は務めを果たすべく動いたまでだ」
斉藤は低く、闇に飲まれそうな声で呟いた。
b3879830.jpgもう一人の男が千鶴の前に現れた。男はちょっと見ると親しみのありそうな微笑みで、それでいて明らかにそうではない冷徹な目でじっと千鶴を見詰めた。
斉藤がすっと刀の切っ先を千鶴に向けた。
「いいか。逃げるなよ。背を向ければ切る」
3cadfe5d.jpgab2f50bc.jpg低く呟くようなその声が、鋭く千鶴の心を切り裂くように思えた。
その時、偶然にも月明かりが現れた。風がちらつく雪を吹き上げた。男の頬をなでる漆黒の髪に、千鶴は息を飲んだ。その美しく、月明かりに浮かぶ麗人の顔は、まるで狂い咲きの桜のような――。

f51f4150.jpg9f3342be.jpg半年ほど前、千鶴の父親が京の診療所から呼び出しを受け、江戸を離れて旅立った。その後、千鶴の下には毎日父からの手紙が届いたが、一ヶ月前、急に連絡を絶ってしまった。
何か予感めいたものを感じた千鶴は、男装して2d05b99f.jpg京の都へ旅立った。しかし京の街に辿りついた途端、理由なく浪人に襲われる。そんな危機を救ったのが新選組の隊士であった。
新選組の一同は人斬りの目撃者として千鶴を殺そうかと話し合う。しかし千鶴の父親の話しを聞くと一転して、父親が見付かるまでの期間、屯所で保護しようと申し出る。
半ば軟禁状態の千鶴は分が悪く、新選組の申し出を引き受けることにしたのだが――どうやら新選組には知られてはいけない秘密があるらしい……。


1b8eaa1a.jpg少女を取り囲むのは麗しき少年達である。京の都は俗世としての江戸と対立的な場所だ。『薄桜鬼』が描く京都は、美しく幻想的で、恍惚と狂気が交じり合う異界である。
少女は江戸という俗世を離れ旅を続け、どうやらその途上でこの世ではない場所に踏み込んだようである。
782fb62f.jpg723fcc1d.jpg原画マンには著名なアニメーターの名前が見られる。結城信輝や大張正己といった人たちもいる。いずれも硬質的な線でキャラクターを際立たせるのを得意とする人たちだ。それぞれが得意とする画風を、官能的な男性を描写するのに生かしたようである。
f2a47478.jpg幕末を舞台としているが、誰一人月代をそらない時代劇ドラマだ。学術的な考証は皆無だし、鑑賞するのに教養は必要ない。京都の風景はしっかり描写されているが、作品の主眼はその世界観構築にはない。
作品の中心となるのは、美しき少年達の戯れである。少年達は癖のb3bdf643.jpgない直毛を長く伸ばし、いつもゆるやかな風になびいた形で静止している。少年達は泥にまみれることはなければ汗もかかない。時折見せる裸はひどく痩せていて、薄く衣をまとうように筋肉が張り付いている。
少年達を彩る唯一のメイクは、赤く際立った血だけだ。白く溶けたよう0d5b20c6.jpgな肌にちらちらと染める血の赤が、なまめかしいなエロティシズムを演出する。
どの少年達も鋭角的に輪郭線が区切り取られ、目元は特徴的なアイシャドーでくっきりと浮かび上がらせている。その瞳は異界の人間であることを明かすように、少年達は色とりどりに輝かせている。
97eecc55.jpgそんな少年達が静謐さが漂う日本家屋にしとやかに佇み、語り合い、時に殴りあう。そこに肉体的なぶつかり合いはなく、まるで互いを愛撫するようにゆるく撫で合うようだ。
少女は監視という名目で美しい少年達の視線を常に集め、翻弄され続けている。やがて少女は身も心も少年達に捉われ、危うく揺り動か874f6cbb.jpgされ続けるだろう。
2c30a4b7.jpgカット割りはクローズアップが多い。台詞のたびにカメラが移動し、キャラクターを正面から捉える。背景となる空間や、人物の配置などほとんど考慮されていないし、詳しく描写して説明しようともしていない。男8b035c34.jpg性の原画のみで勝負しているかのような作品だ。
物語の舞台となる屯所はこの世ではない場所だ。歴史上のどの時代にも場所にも符合しない。「新選組」と「屯所」という名前だけを借りているだけだ。
日本家屋がもたらす光と闇のせめぎあい。その狭間に住んでいる幻9bf6fd4a.jpg想の住人を描いた作品だ。西洋屋敷の闇に潜む美しき魔人、ドラキュラと同じ発想だ。
少年達は美しい見た目とは裏腹に凶暴な実体を持っている。美と狂気は常にどろどろに交じり合った渾沌の中で両立している。光と闇のように。
光と闇がきわどく混濁した場所に幻想は出現する。その存在は霧の粒のようにはかなく、一瞬の油断で霧散してしまう。幻想を長く抱いていたいのであれば、夢から目を覚まさぬことだ。

作品データ
監督:ヤマサキオサム 原案・構成監修:藤澤経清 原作:オトメイト
キャラクター原案:カズキヨネ キャラクターデザイン:中嶋敦子
美術監督:平柳悟 色彩設計:松本真司 撮影監督:下崎昭
編集:松村正宏 音楽:大谷幸 音響監督:岩浪美和
プロデューサー:小倉充俊 長谷川和彦 山崎明日香
アニメーションプロデューサー:浦崎宣光
アニメーション制作:スタジオディーン
出演:桑島法子 三木眞一郎 森久保祥太郎 鳥海浩輔
  吉野裕行 遊佐浩二 大川透 飛田展男
  坪井智浩 小林範雄 斉藤龍吾 島崎信長
  川野剛稔 吉本秦洋



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オープニングテーマ「十六夜涙」
作詞:Yumiyo 作曲:谷本貴義 編曲:太田美知彦 歌:吉岡亜衣加
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286c6f81.jpg7540419f.jpg74cd314a.jpg5747baf3.jpg
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60b5c381.jpge516ad23.jpg22beea7d.jpgbcc7c6e6.jpg
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エンディングテーマ『君ノ記憶』
作詞:mao 作曲・編曲:安瀬聖 歌:mao
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