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■2009/07/14 (Tue)
シリーズアニメ■
全巻までのあらすじ(第3集より)
「犯人はこの中にいます」蟷螂夫人のその声に目を覚ますと望は古い洋館のロビーにいた。右手には血の付いたペーパーナイフ、左手には中高年フリーターナイトを書かれたチケットを握りしめて。証拠過多。このままでは自分が犯人。犯人確実につき真犯人の手掛かりを求めチケットに書かれた会場に行くも、そこは新宿ロストプラスワン。有無を言わさず舞台に上げられ、メトロセクシャル論についてインタビュー形式で答えを求められるも、耳の肥えた玄人筋の客たちから帰れ帰れの大合唱。
持つ女
原作154話 昭和83年9月24日掲載
望は街頭テレビの野球中継を見ながら、ぼんやりと呟いた。原作154話 昭和83年9月24日掲載
「別の人生もあったと思うんですよ」
「ああ、凄いですよね。超一流投手で、ルックスはモデル級」
一緒に下校していた木津千里が答える。
「だから思うんです。もしかしたら、野球の才能があったが故に、モデルとしての輝かしい人生を棒に振ってしまったのではないかと。モデルではもっと輝いていたかもしれないじゃないですか。野球さえやっていなければ、我々はもっと輝いたダルビッシュを見ることができたかもしれない!」
天は二物を与えず。しかし、実際には二物も三物も与えている。世の中には、ひとつではない多くの才能を持つ者がいる。
ところが、日本は二つ目の才能を決して許さない。日本人はその道一筋を好む。だからどんなに突出していても、もう一つの才能は認められないのだ。
そんなもう一つの才能をみる機会がやってくるかもしれない。糸色望達の前に、謎のツインタワーが現れる。そこは、埋もれていた才能が自由に発現される場所。
150キロ相当のピッチャーをやるイチロー。
プロゲーマーとして子供たちに大人気の鈴木アナウンサー。
漫画家としてヒットを飛ばす某声優(原作にはありません)。
本当に才能を持っていても、世間は決して認めない二つ目の才能を持つ人々。
その塔の最上階には、意外な人物が待ち構えていた。
絵コンテ・演出:飯村正之 作画監督:田中穣 色指定:渡辺康子
おそろしや国タイム譚
原作79話(原作では129話) 昭和83年3月5日掲載
何の病気だろう。交はどうしていいかわからず、うろうろとするばかりだった。
障子が開いて、糸色望が入ってきた。交はその姿を見ると、わあと飛びついてしまった。不安から解放されて、その頬に涙が落ちる。
「風邪ですか。お薬飲んだほうがいいですよ」
望は霧の様子を見て状況を察し、落ち着いて声をかけた。
棚から薬を引っ張り出し、グラスに水を入れて霧に差し出す。霧は、薬を口に含んで、水をこくりと飲んだ。
そうして、いつものように毛布を羽織って、大人しくうずくまった。
「薬、効かないのか!」
しかし霧の様子は変わらず、交が不安な声をあげた。
「すぐには効きませんよ」
糸色望は落ち着き払って、宿直室でくつろいだ。
それからしばらくたって、霧の腫れ上がったような頬が白い色に戻った。
「薬、効いてみたみたい。少し楽になったよ」
声に憔悴が残っていたけど、いくらか平静を取り戻したみたいだった。
薬に限らず、物事には効果が現れるまでタイムラグがあるもの。
地方で放送されるアニメ。
デジカメの押してからシャッターが降りるまでの時間。
食べてから満腹感を抱くまでの時間。
そんなフツーのタイムラグもあるが、他にも、
立ち読みした漫画がじわじわ効いてくるまでのタイムラグ。
前の夜にはなんでもなかったのに、翌朝になってから急にムカムカやってくる怒りのタイムラグ。
友達の家でエッチな本を読んで、家に帰宅してからやってくるムラムラ・タイムラグ。
あらゆるものにタイムラグが存在する。例えばそう、7年前に某漫画家が放棄したオチが、タイムラグでやってくるかもしれない。
絵コンテ・演出:飯村正之 作画監督:村山洋貴 守岡英行 高野晃久 潮月一也
色指定:渡辺康子
晒しが丘 パート2
原作103話 昭和82年7月25日掲載
バスが開き、誰かが乗車するようだ。乗車したのは木村カエレだった。露出度の高いタンクトップに、カウボーイハットを被っていた。原作103話 昭和82年7月25日掲載
「木村さんも自分探しの旅ですか?」
「そんな非合理的な旅はしません。私はただのバカンスです」
カエレは望に挨拶をすると、開いている席を探した。
「カエレちゃん助けて! 英語で話しかけられて困っているの」
すると奥の座席で、日塔奈美が悲鳴を上げていた。いかにもな金髪で白人の外国人に話しかけられている様子だった。
「英語もできないの?」
カエレはあきれたように言いつつ、日塔の代わりに外国人の前に立った。
カエレは外国人と、ペラペラペーラと対話を交わす。
しかし、
「この人の英語、なに言ってるかわからないよ」
外国人は急に表情を変えて、木村カエレを指さした。
「訴えてやる!」
カエレが逆上した声をあげた。
英会話堪能と思わしき人が海外旅行先でまったく通じず、英語力を晒してしまう。そう、この旅は自分の本性を晒す、恐るべき旅なのだ。
乗車する旅人たちは、次々と自身の本性を晒していく。不穏な影が漂い始めるバスの中だったが、天使のように少女が現れる。風浦可符香だ。
可符香はこう断言する。
「自分を晒すことは、決して悪いことではありません。勇気あるカミングアウトです」
可符香の発言を切っ掛けに、乗客は次々と自身の秘密をカミングアウトする。
さらしものは何ですか?
私は自分を棚に上げて他人の欠点ばかり探す、本当に卑しい最低以下の屑人間でした!
さらしものは何ですか?
ちょっとアニメに出たからと言って、自分が人気者だと思っていた、勘違いキモハゲ・エロエロ男です!
自分をカミングアウトしていく人たちから、可符香は急速な支持を集めていく。危険を感じた糸色望は、バスを脱出。自分晒しに絶望し、ならばこそ決して晒さない立場になろうと決意する。
「でしたら、よい考えがあります」
そこに声を掛ける執事の時田。時田が用意したのは、糸色望の影武者であった。
絵コンテ:龍輪直征 演出:宮本幸裕 作画監督:山村洋貴 色指定:佐藤加奈子
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作品データ
監督:新房昭之 原作:久米田康治
副監督:龍輪直征 キャラクターデザイン・総作画監督:守岡英行
シリーズ構成:東富那子 チーフ演出:宮本幸裕 総作画監督:山村洋貴
色彩設計:滝沢いづみ 美術監督:飯島寿治 撮影監督:内村祥平
編集:関一彦 音響監督:亀山俊樹 音楽:長谷川智樹
アニメーション制作:シャフト
出演:神谷浩史 野中藍 井上麻里奈 谷井あすか
真田アサミ 小林ゆう 沢城みゆき 後藤邑子
新谷良子 松来未祐 上田耀司 水島大宙
矢島晶子 杉田智和 後藤沙緒里 寺島拓篤
斎藤千和 阿澄佳奈 MAEDAXR
さのすけを探せ!
今回確認できたのは以下の5箇所。他にもあるかもしれない。冒頭部分。小森霧の右のポスターの中
劇中テレビ右下。写真の中にアップショットで
藤吉晴美が製作中の同人誌の扉絵。正面下、文字と被っているところ
藤吉晴美に挑戦しようと集ってくるアスリートたち。その中に、さのすけをみょーんとしている何者かがいる。
外国人に話しかけられる日塔奈美。その後ろの座席のTシャツ。
そのほか、気になった場面
その道一筋を好む日本人の例、の場面。後ろに「前田君」を持っている帽子の男。たぶん、絶望放送にも登場した前田君フィギュアではないかと思われる。今回も絶望絵描き歌。
今週は阿澄佳奈(左)と沢城みゆき(右)
阿澄佳奈は「マ太郎の友人」という役柄。今回ではじめて「マ太郎の友人」に声が与えられた。
沢城みゆきは「左手で書いた」という注釈がある。
エンドカード
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