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■2009/07/23 (Thu)
この小説は、『さよなら絶望先生』を題材にしたパロディ小説です。パロディに関する法的問題については、こちらをご覧下さい。【著作物】【二次創作物】【パロディ】【パロディ裁判

P001 序・子供たちは屋敷に消えた

新古典主義の様式を取り入れたその屋敷は、訪ねる者を容赦なく圧倒するような厳しさに満ちていた。正面に並んだ柱は、整然と並んで様式的な美しさをどこまでも増幅させている。アールヌーボーの様式を取り入れた彫刻は、屋敷の外壁に掘り込まれた彫刻と見事に調和していた。屋敷の佇まい、規模、そのどちらにおいても、主の莫大な財産と、堂々たる美意識を体現していた。
だが、今やその屋敷の何もかもは朽ち果てようとする寸前だった。細かなレリーフには亀裂が走り、蜘蛛の巣が張り付いている。繊細に作られた美術品は崩れ落ち、雨や風に晒された結果、泥を被ったように汚れている。さらにそのうえに、不届きな侵入者がスプレーで書きなぐったサインで、美しい感性が汚されていた。
屋敷には、かつての威厳や壮麗さなどひとかけらも残っていなかった。荒れ放題に伸びきった庭の植物が、屋敷の装飾に暗い影を落としている。様式的な美は、かつての造形を歪な形に変え、グロテスクな不気味さを炙り出していた。
男は、玄関扉に向かった。ロダンの『地獄の門』を取り入れた、巨大なブロンズの扉だった。それも雨で腐食して、職人が掘り込んだ造形の数々も、意味のないただのおうとつになりかけていた。そうなると、巨大なブロンズの門は、もはやただの重いだけの鉄扉でしかなかった。
扉の鍵は、壊されていた。長い年月の間に、侵入者が幾度となくここに立ち入ったのだろう。調度品の窃盗、あるいは若者の肝試し。そういった連中が頻繁にここを出入りし、美の屋敷にあらゆる陵辱を加えていったのだ。
その鉄扉を、ゆっくりと押し開けた。扉全体がぎぎぎと重く軋む音を立てて、正面玄関の白と黒の市松模様に光を投げかけた。
男が立ち入っていくと、靴音が甲高く周囲に響き、埃が舞い上がる。主の意思がどうであろうと、そこは廃墟であるのだ。気配のない空間に響く足音と厚く積もった埃の層が、建物自身が廃墟であると主張しているようだった。
男は構わず、杖を突き玄関広場に入っていった。和式玄関のような上り口はなく、玄関からそのまま果てしなく続く廊下へと続いていた。
その正面玄関から入ってすぐの廊下に、堂々たる石膏像がたたずんでいた。ミケランジェロの『ジュリアーノ・デ・メディチ』だ。
もちろん本物ではないレプリカだ。だが、職人が直接蓑を振るったその造形の美しさは、それでも圧巻だった。極端に発達した胸の筋肉。血管が浮かぶ様まで克明に追った描写力。筋骨逞しい青年の座り姿だが、その全体から臭い立つような官能が溢れ出ていた。身体に直接打ち付けているように見える皮鎧の鉄鋲。青年はこれでもかと裸の美しさを主張し、裸を誇張するかのように装飾品で飾り立てられていた。
青年像は、古くなっていたし埃を被っていたが、かつての輝きを失っていなかった。男は青年像を前にして、活力が漲るのを戻ってくるのと同時に、眠っていた情念が身の内に甦るのを感じた。
その時、無人の屋敷に何者かの気配が現れた。
「何者だ!」
男ははっと振り向き、警告の声を鋭く発した。
廊下の影が、静かに蠢く感触があった。その者は光の中には決して姿を現さないが、しかしだからこそ際立つ気配で存在を主張していた。
「お前か。なぜここに来た。もし誰かに我らの関係を知られたらどうする」
男は厳しく怒鳴った。
だが相手は、冷静な視線で男の姿を観察した。それでいて、何か懐かしむような情熱が目線に混じっていた。
「お前は余計なことをする癖がある。それが、この計画を台無しにしてしまうかもしれんのだ。わかっているんだろうな」
男は苛立つように、かつかつと靴音を鳴らし、じっと相手を睨み付けた。
闇の中の人物は、静かに言葉を返した。そのまま闇に吸い込まれそうな、静けさに満ちた声だった。
男は、諦めるようにため息をついた。
「まあよいだろう。あの男はどうしている。……そうか、やはりこの春、教職に就いたか。何もかも、順調に進んでいる。そういうことだな」
男は思考を巡らしながら、『ジュリアーノ・デ・メディチ』を見上げた。そうして、自身の計画の進行に頷き、相手を振り向いた。
「いいだろう。改めてお前に命令を下す。糸色望を抹殺せよ」
男は宣言するように、相手に命じた。
闇の中で恭しい挨拶をする気配があった。その直後、気配はすっと消滅した。まるで、闇に飲み込まれたように。

次回 P002 第1章 当組は問題の多い教室ですから…1 を読む

小説『さよなら絶望先生~赤い瞳の少女~』目次




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