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■2010/01/10 (Sun)
シリーズアニメ■
第1問 バカとクラスの召喚戦争
そんな花びらの雨の中を、吉井明久は息を弾ませながら走っていた。今日から2年生に上がる。だというのに、遅刻寸前の危機だった。
やっと校門の前にたどり着くと、大塚明夫声のいかつい教師が吉井を呼び止めた。
「ゲッ! 鉄人!」
西村はぎょっとした足を止めた。
西村宗一は封筒を吉井に差し出した。側にテーブルが置かれていたがその上には何もなかった。どうやら、吉井が本当に最後の1人らしかった。
「はーい!」
吉井は元気に返事して封筒を受け取った。中には二つ折りにされた紙切れが一枚。吉井はにわかに胸をドキドキさせて紙切れを摘み取った。
「吉井、今だから言うがな……」
西村はこれ以上のない力強さで断言した。
吉井は紙切れを摘み出し、開いてみた。そこに乱暴な走り書きで「F」の字が書き記されてあった。
その名も「試験召喚システム」だ。「試験召喚システム」とは科学とオカルトが組み合わされ、偶然の結果生み出されたシステムである。このシステムを使うと、召喚の主は自身の分身である「召喚獣」を呼び出せ、それを手先に戦いを挑むことができる。
Fクラスの環境はまさしく“最悪”のものだった。床は畳で机は卓袱
だがもちろんEクラスは簡単に教室を明け渡すつもりはない。かくして、教室の環境をかけた戦いが始まった。
◇
『バカとテストと召喚獣』は楽しい作品だ。
作品のアイデアはすでに他作品で提示されたアイデアを寄り合わせただけに過ぎない。“ありあわせ”の材料で作られた作品だといえる。
キャラクターの容姿や性格といった造形はライトノベルにありそうな定石をそのまま踏襲し、意外性は皆無。異色学園ものはすでにそれがスタンダートをされるほど使い回され、使い古されつつある設定である。その中心的なファクターである「召喚獣」も今時珍しいものではない。アニメ、漫画、ゲームといった分野でうんざりするほど見てきたアイデアだ。
だが『バカとテストと召喚獣』は思いがけない楽しさを提供する。ノリのいいキャラクターにテンポよく流れていく台詞、カット。「召喚獣」といった学問とはまるで無関係なアイデアをあえて学園物という題材と組み合わせ、意外な相乗効果を上げている。
また「召喚獣」を呼び出してでの戦闘シーンが楽しい。明るくて楽しく、それに子供っぽさが大人の視聴者に子供心を与えてくれる。
召喚獣はどんなキャラクターが登場するのだろうと思っていると、何のことはない、召喚主を2頭身に書き換えただけのキャラクターだった。ということは、召喚主のキャラクターとしての強さが、そのまま召
2頭身で示されるキャラクターはまるまるとして愛らしく、6頭身キャラクターよりはるかに生き生きとした躍動が与えられている。現実世界という制約を受けず、2頭身キャラクターは思い思いの衣装に武器を手に取り、作品世界の領域を自由に広げている。召喚獣のアイデア
戦闘シーンは徹底してテレビゲームの世界が再現されている。極端な俯瞰構図に色でより分けたサイトを強調する手法。対決場面はバ
ふとするとその描写は子供じみて見えるが児童向け作品とは明らかに違い、より高度で上質だ(というか日本の児童向け作品はできが悪い。おそらくこの分野で本気になって作品制作している人が僅少なのだろう)。見ていると子供心に戻ってキャラクター達に声援を送っている我々がいる。難しいことは考えさせず、楽しい、という気分させてくれる。
大人が子供に、あるいは少年の遊び心を引き戻すための作品だ。
作品データ
監督:大沼 心 原作:井上堅二 キャラクター原案:葉賀ユイ
シリーズ構成:高山カツヒコ キャラクターデザイン・総作画監督:大島美和
色彩設計:木幡美雪 美術監督:東厚治 美術:ST.ちゅーりっぷ
撮影監督:中西康祐 撮影:旭プロダクション 編集:たぐまじゅん
音響監督:亀山俊樹 音楽:虹音 音楽プロデューサー:斉藤滋
アニメーション制作:SILVER LINK.
出演:下野 紘 原田ひとみ 水橋かおり 鈴木達央
〇 加藤英美里 宮田幸季 磯村知美 竹達彩奈
〇 寺島拓篤 加藤英美里 平田真菜
〇 南條愛乃 津田健次郎 大塚明夫
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