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■2009/09/23 (Wed)
映画:外国映画■
ミュンヘン・オリンピック競技場内の選手村に、“黒い九月”と呼ばれるテロリスト集団が侵入した。
“黒い九月”はAK-47ライフルで武装し、イスラエル人選手が宿泊
ほぼ二日間、イスラエル人選手を監禁し、イスラエルに収監されるパレスチナ人234名の開放を要求した。
その後、“黒い九月”はイスラエル人選手を人質に、空港へ移動。脱出用の飛行機を要求した。
だが空軍基地に到着したところで、ドイツの狙撃手と“黒い九月”による銃撃戦が勃発。
イスラエル人選手全員死亡という惨事を引き起こした。
パレスチナ・ゲリラの基地を空爆し、数百人のパレスチナ人を殺害した。
だがパレスチナ・ゲリラ基地の空爆は、誰も注目しなった。
もっと世界中が注目するようなセンセーショナルな事件が必要だ。
そう判断したゴルダ・メイア首相は、ミュンヘン・オリンピック事件に関与した11人のリストを作成し、暗殺計画を提案した。
いわゆる《神の怒り作戦》と呼ばれる暗殺計画だ。
映画『ミュンヘン』は、ミュンヘン・オリンピック事件と、その後の暗殺事件の両方を描いた、長大でしかも複雑な映画だ。
主人公のアヴナーは、祖国と名誉のために暗殺計画を引き受けるが、やがて狙われる側になり、心理的に追い詰められていく。
全てが事実に基づいて描かれた作品ではないが、当事者の心理を詳らかに、生々しく描き重ねていく。
だが国家がぶつかり合い、宗教がぶつかり合うと、どこかに政治性が絡んでくる。
オリンピックの表面的な理想は、むしろ民族と政治性を際立たせる結
一つのルールを守り、共に走ろうという意思は、銃声と爆撃によって裏切られた。
戦争は終わらない。
戦争の残滓はあちこちに火種を残し、再び燃え盛るのを待っている。その火種を持っているのは他でもなく、我々の社会が継承する深層意識と国家への帰属意識の中に眠っている。
映画『ミュンヘン』での背景は、どれも平和な風景に見える。
暗殺の当事者は、どれも平凡な生活を営んでいるように見える。
だが平和という状況が、ただちに戦争ではない、という意味にはならない。
戦争は、いつも平和の仮面のうちに眠り続けているのだ。
映画の内部には多くのものが描かれ、語られるが、もっとも強く描かれているのは“民族の悲劇”だ。
それから、あらゆる世界の悲劇に対する、我々の側による無関心だ。
ミュンヘン事件の決行者は、自分達の計画の正しさを信じている。多くの人が、“黒い九月”の存在を知ってくれたからだ。
《神の怒り作戦》の大きな本質は、暗殺にセンセーショナルな衝撃を与えることだった。
遠くの世界で、数百人爆撃しようとも、誰も気付きもしないし、関心を抱こうともしない。
だから、最も我々の身近に思える場所で、戦争の状況を出現させようとしたのだ。
だが、最終的にミュンヘン事件を世界に知らしめ、記憶に残したのは、スピルバークの映画であっただろう。
映画記事一覧
作品データ
監督:スティーヴン・スピルバーグ 原作:ジョージ・ジョナス
音楽:ジョン・ウィリアムズ 脚本:トニー・クシュナー エリック・ロス
出演:エリック・バナ ダニエル・クレイグ
〇〇〇キアラン・ハインズ マチュー・カソヴィッツ
〇〇〇ハンス・ジシュラー ジェフリー・ラッシュ
〇〇〇アイェレット・ゾラー マチュー・アマルリック
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