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■2015/12/27 (Sun)
創作小説■
第7章 王国炎上
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12
地理上の高台に置かれた王の館から、城下町で起きている様子がありありと見えた。ネフィリムが街になだれ込んできて、通りという通りが魔の眷属で溢れ返りつつある。しかし多くの兵は、いまだ大門の外にあり、街を守る者は城下に少ない。王とその下僕達は、魔の眷属が城下に押し寄せてくるのを戦慄して見ていた。ネフィリムは大軍で大通りで進み、それを巨大な悪魔が悠然と見守っていた。
何者かが城の庭に走り込んできた。セシルを担いだオークだった。
王
「――待て。我が息子は無事か。我が息子は……」
オークもヴォーティガン王に気付き、側に駆け寄るとその前でセシルを下ろした。すぐに王の医者がセシルに飛びついた。
オーク
「気を失っておられるようです」
医者も同じように診断を下した。
セシルはすぐに城内に運び込まれた。オークは王に一礼して、戦場に戻っていった。
王の足下に、王子の剣が残された。
王
「ダーンウィンか……」
王はその柄を握った。聖なる剣の霊力が体に漲るような気がした。王は魔族に蹂躙される街を見下ろした。悪魔が王に気付いたように振り向いた。
王
「悪魔よ。私はここだ。私を殺しに来い……」
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