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■2009/08/29 (Sat)
映画は詳しい解説より先に、実例を示している。

6b34fc8b.jpg彼はアダム。失業中で借金を抱えている。最近、事故に遭ったが何の医療保険を持っていなかった。だから、自分で傷口を縫い合わせて治療を行っている。

彼はリック。
88a23f00.jpg彼は仕事中、テーブルソーで2本の指を切断してしまった。中指と薬指だ。
リックはまず思った。
「保険がない。治療にいくらかかる?」
病院へ行くと、医者はリックに選択肢を示した。中指を接合したら6万ドル。薬指を接合したら1万2000ドル。リックは薬指の治療を選択した。

6578c388.jpgラリーとダナのスミス夫婦はその日、引越しをした。引越し先は娘夫婦の物置部屋だった。
二人は仕事と環境に恵まれていた。ダナは新聞の編集員で、ラリーは組合所属の機械工。6人の子供は大学に進学し、今はそれぞれ仕事に就いている。
だがラリーが心臓発作を起こし、ダナはガンを患った。ラリーとダナは医療保険に入っておらず、自己負担がかさんだ。治療を受け続けるためには、自宅を手放さなければならなかった。

b1cc2d5d.jpgフランク・カーディルは79歳になる老人だ。本来なら、楽隠居が約束されるはずの年齢だ。
だが、彼の公的医療保険(メディケア)では夫婦に必要な薬代が全額カバーされない。だから現在も働き続けている。

4f20b9f2.jpgローラは車両事故に遭った。時速70キロで正面衝突。意識を失った。救急隊員に助け出され、救急車で病院へ行った。
保険会社はローラに保険金を支払わなかった。「事前許可のない救急車の利用には、保険金は下りない」というのが、保険会社からの答えだった。
果たしてローラは、いつ保険会社に連絡するべきだったのだろうか? 衝突して気絶している間だろうか。

e7ce2cf1.jpg元保険会社の職員はこう語る。
「コール・センターには問い合わせが来るけど、どの会社でも断るような色んな既往症があるの。糖尿病、心臓病、何種類かのガン……。そういう病気を持っている人は、加入できないわ。その病名のリスト? すごく長いわよ。この家を包めるくらい。中には審査を待たず、NGとわかるケースはあるわ」

8903d4cb.jpgリンダ・ビーノ医師は医療審査の仕事をしていた。だが仕事の方法に嫌気がさして辞めてしまった。
「否認率10%の維持が至上命令なの。審査医事例について、毎週レポートが戻ってくる。全体の承認率と否認率の比較。審査医ごとの否認率。他の審査医と比較した表も別のリポートで届くわ。ここで否認率1位になった医師にはボーナスが出る仕組みなの。業界では保険給付を“医療損失”と呼んでいるわ。医師は患者の治療を拒まなくてはならない。保険会社を得させるためにね」
f56e5cbf.jpgある男性は保険会社に「マイケル・ムーアがあなたの会社を取材しようとしている」と言ったら、簡単に保険金の給付が認められたそうだ。なるほど、これはなかなかいい手である。



ドキュメンタリー監督のマイケル・ムーアは568865e9.jpgアメリカの医療制度を疑問に思い、“保険会社とのトラブル事例”と募集した。すると、週末までに2万5000以上のメールが届いた。
映画の冒頭に掲げられたのは、そのほんの数例に過ぎない。
医療問題は我々の生活に密接に関わってくるが、実際にどんな問題があるか気付きにくい。健康であるうちは、対岸の火のように感じてしまう。
上に挙げられた事例は、アメリカでは特別な話ではないようだ。しかし、だというのに驚くほどほとんどの人がその実体について知識がない。多くの人は病気になり、病院での治療が必要になり、はじめて知る事実ばかりである。
134595ad.jpgマイケル・ムーアと言えば突撃取材だが、『シッコ』では登場回数は極端に少ない。「自分より彼らを見てくれ」ということだろう。ところど、この映画の公開後、随分後に、「この映画はヒラリー・クリントン候補を礼賛している」という某雑誌の記事を見かけた。しかし、それにはあたらないだろう。なぜなら大統領選挙はこの映画の2年後。誰もこの映画のことなど覚えていないだろう。
確かに偏りのあるドキュメンタリーである。
856f8286.jpg米国の問題を列挙した後は、外国の医療制度に目を向ける。カナダ、イギリス、フランス、キューバ……。
アメリカ以外の医療制度は天国のように描かれている。現実にはどの国でも負の側面はあるはずだ。『シッコ』ではその負の側面について、敢えてなのか、無知によるものなのか何一つ触れられていない。
ドキュメンタリーの主眼はあくまでも“アメリカの医療制度”だ。外国が天国にように描かれるのも、単にアメリカ医療制度が真っ黒だというだけの話だろう。
b2b7e8a8.jpgニクソンの証言は盗聴されたものだ。デマゴギーを見破るのは難しい。政治家はデマの大衆を騙すプロであるし、マスコミはいつも政治家の目論見に加担するだけ(しかも我々は政治家の発表は、ほとんどマスコミを介しないと知識が得られない)。マスコミは政治家のデマに気付いていても、大抵の場合、黙っている。肝心なのは、自分自身で情報を探し、政治家の発言が正しいか検証することだ。とはいっても、ほとんどの人には難しい話になってしまうのだが。

しかし、ではなぜそうなってしまったのか。なぜより良くしようとしないのか。
発端は1971年2月17日のニクソン大統領と顧問の対話にあった。
顧問「副大統領の問題について、一つに絞り込みました。カイザー・パーマネンテのような保険維持機構を入れるかどうかです」
ニクソン「私は医療保障などに興味はないよ
顧問「ですが、彼らは民間企業です」
ニクソン「ならば話は別だ」
顧問「E・カイザーは営利目的で財団を運営しています。なぜそれができるかと言うと、彼を呼んで話を聞いてわかったんですが、医療費を抑えた者に報奨金を出す仕組みでした。医療を施さないほど儲かる仕組みだったのです」
ニクソン「それは良い!」
その翌日、ニクソンから新しい医療制度が発表された。ニクソンの発言を信じるならば、新しい医療制度になれば、米国は最高の医療技術を維持でき、すべての国民が必要な時に医療を享受できるはずだった。
だが、実際には真逆の現象が起きた。患者は治療を受けられず、医療技術は低下した。医療保険会社は大儲けして、病院の体制はモラルとともに崩壊した。
942df81a.jpg(自称)自由国家であるアメリカにとって、社会主義は恐怖の対象だ。自由が奪われ、思考を失った全体主義に陥る……。話は変わるが、少し前にアメリカで発表されたインターネットの有害性を告発する論文を見た。長い論文だったのだが、話の後半に入って、急に共産主義の恐怖に話が変わった。「ある有名なサイトではユーザーを共産主義に洗脳しようとしている」「ネットを使うと、いつの間にか共産主義に洗脳される」。馬鹿みたいな話498f6449.jpgだが、アメリカではいまだに「共産主義の恐怖」は国民を黙らせる、国民に警戒心を抱かせる有効的な言葉であるのだ。とここで思うのだが、日本ではどうだろう。マスコミは方法は違うだけで、アメリカが実践しているネガティブ・キャンペーンと同じやり方で、自分たちに感心をむけさせようとしてはいないだろうか?ネットより、新聞やテレビのほうが偏りがなく、良心やプロ意識で作られている……(日本の場合では、パソコン使用による、健康d29353bb.jpgの恐怖、社会性が保てず、孤独に陥る、それから脳に問題を発生させる。どれも、最近の日本人が根本的に抱いている不安の事例そのものである。その国独自の恐怖意識を喚起させようとしている点で、やっている行為は同じである)。と日本のマスコミは力説しようとする。どこか、必死なものすら感じさせるが。外国を見ていると、自分の国でも見せ方が違うだけで同じことが行われているとよくわかる実例である。
問題の背景にあったのはデマゴギーであった。政治家は新しい制度の素晴らしさを語る。そこに負の側面があっても、決して口にしない。
マスコミは大衆の友達のような顔をしているが、味方だと思わないほうがいい。
人々は政治家の言葉を信じ、新しい体勢を受け入れようとする。大衆は新しい何かを受け入れようと熱狂状態になる。だがそんな状況こそ、政府が意図的に作り出したものなのだ。
映画中に、こんな台詞がある。
「国家を支配するには2つの方法がある。恐怖を与えることと、士気を挫くこと」
ドキュメンタリーの後半は、医療問題を飛び越して政治に対して批判に移る。
本当に生活や国家をより良くする方法やチャンスはいくらでもある。だがその度に、政治はデマゴギーを我々の前に、罠のように張り込む。
大衆が何もかもを信じるようになれば、咎める者はいなくなる。気付けば、大衆は互いの手で目隠しし合うようになっているかもしれない。そうなると、より良くするチャンスは失われるだろう。
だから我々は、与えられるだけの情報にはいつも警戒しなくてはならない。なぜならそれは、アメリカだけの話ではないからだ。

映画記事一覧

監督:マイケル・ムーア



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