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■2009/08/27 (Thu)
この小説は、『さよなら絶望先生』を題材にした2次創作小説です。2次創作に関する法的問題については、こちらをご覧下さい。【著作物】【二次創作物】【パロディ】【パロディ裁判

P036 第4章 見合う前に跳べ

12

糸色先生は通路を進み、蔵の奥へと行き当たった。糸色先生はそこで折り返さず、足元を探り始めた。
何をしているのだろう、と私は見守った。別のウインドウでは、小森霧が蔵の入口で待ち伏せをしている姿が映されている。蔵を脱出しようと思ったら、どうしても霧と目を合わせねばならない状況だった。
しかし糸色先生は蔵の入口に戻らず、地面を丹念に見ていた。やがて何かを発見したように、地面をつかんで跳ね上げた。秘密の地下通路だ。床板が跳ね上げられ、その下に続く階段が現れていた。
糸色先生は地下に体を潜り込ませ、床板を閉じてしまった。
監視カメラの映像から糸色先生が消えた。地図画面からも糸色先生を示す赤い点がロストした。
「あの地下通路は、どこに繋がっているんですか?」
私は少し不安を感じながら時田に尋ねた。
「困りましたな。あそこは戦時中に作られた秘密の抜け道です。糸色家の敷地の外へと繋がっておりますが、明かりもなく、整備もされておりません。しかも迷路状になっており、迷い込むと抜け出られなくなる怖れがあります。これは、危険かもしれませんぞ」
時田の言葉に、切迫する気配が混じった。
時田が素早くキーボードを叩き始めた。画面に新しいウインドウがいくつも開く。謎の英文ファイルが大量に羅列された。
私も緊張して、ディスプレイを眺めた。糸色先生は無事だろうか。画面上では、時田が何かを始めている。英文のプログラムや記号がいくつも打ち込まれているが、何が起きているのか私にはよくわからなかった。私は不安な気持ちのまま、しかし何もできず、ただディスプレイ上で進行している状況を見詰めた。
間もなく、ディスプレイ上に5つのウインドウが開いた。だけど、どの画像の真っ暗で何も写していなかった。時田が画像のコントラストを調整すると、真っ暗だったウインドウにじわっと像が浮かび上がり始めた。
「多くはありませんが、地下にも監視カメラが仕掛けられております。もし、この中にも発見されないとなると、救助の要請が必要となります」
時田が緊張した声で説明しつつ、さらにキーボードを叩いてなにやら打ち込んでいた。
監視カメラの画面は、どれもごつごつとした石の壁面が映し出されていた。太い角材で補強されていて、どこかの坑道のようだった。
ウインドウの一つに、動く人の影があった。ノイズだらけで不鮮明だったけど、間違いなく糸色先生だった。
糸色先生は壁に背中をつけながら、慎重に進んでいた。ふと立ち止まり、懐から何かを引っ張り出す。糸色先生の手許が真っ白に輝きだした。どうやら懐中電灯を持っていたようだった。別のウインドウの画像にも、僅かに光が当てられた。
糸色先生は左右に光を投げかけた。人の気配がないとわかると、壁に手をつきながら、ゆっくりと進み始めた。監視カメラが糸色先生の姿を追尾する。
ふと、懐中電灯の光が失われた。監視カメラの映像もブラックアウトした。私は、あっと思って身を乗り出した。
すぐに光が戻った。だが画面に、怪異が写っていた。緑の歪な物体だった。全体がぬるぬるしていて、ピンポン球のようなものが大量に折り重なっていた。すべて目玉だった。目玉はそれぞれ意思を持っているように動き、一斉に糸色先生を注目した。
糸色先生が絶叫を上げた。監視カメラは糸色先生の声を拾わなかった。その代わりみたいに、私は悲鳴を上げて、ぺたんと尻とついてしまった。
「大丈夫だよ、奈美ちゃん。よく見てごらん」
可符香が優しい声をかけて、私が立ち上がるのを手助けした。
再び監視カメラの画面を見ると、糸色先生が気絶して倒れていた。糸色先生の前で、ぬるぬるとした妖怪がゆらゆらと揺れていた。私はようやく気が付いて、ディスプレイに身を乗り出して写っているものを凝視した。
「……これ、張りぼて?」
よく見ると、目玉の妖怪は何かに吊るされて揺れているだけだった。目玉が動いたように見えたのは、糸色先生が懐中電灯の光を当てたからだった。
「あれは泥棒対策で設置したおもちゃですよ。おかげで望ぼっちゃまの足を止められました。しかし、あのまま放置しているのは危険です。我々で救助に向かいましょう」
時田はホッと息を吐くと、席を立って私たちを振り返った。

次回 P037 第4章 見合う前に跳べ13 を読む

小説『さよなら絶望先生~赤い瞳の少女~』目次




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