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■2009/09/08 (Tue)
この小説は、『さよなら絶望先生』を題材にした2次創作小説です。2次創作に関する法的問題については、こちらをご覧下さい。【著作物】【二次創作物】【パロディ】【パロディ裁判

P048 第5章 ドラコニアの屋敷


日が暮れる頃になると、宴もたけなわと野次馬たちは自分達の家に帰って行った。糸色先生の借家を占拠した警察たちも、少しずつ数を減らしていった。周囲の道路封鎖も解除されたけど、糸色先生の家は封鎖されたままで、私服警官の見張りが立った。
私たちは、一人ずつ婦人警官の事情聴取を受けた。糸色先生との関係や、普段の学校生活とか、あれこれ質問された。私は始終不機嫌なまま、婦人警官と目を合わせず機械的に答えを返してやった。
それが終って解放された時には、すでに8時を回る頃だった。警察の人からすぐに帰るように言われたけど、もちろん私たちは指示に従わず、公園で集合した。
「最低だわ。こんな屈辱、人生ではじめてよ。私と先生との関係を、あんな汚れた目で見るなんて!」
千里が腕組をして苛立った声をあげた。
「千里はいいわよ。私なんてお宝没収だよ。せっかく稼ぎで買ったのに……」
藤吉がしょんぼりした顔でしょんぼりした声を上げた。
「黙んなさい! あんなものは没収されて正解よ! この仕返しはきっちりすべきよね。異議のある者は回れ右をしなさい!」
千里が厳しい声で私たちに宣言した。
私たちは誰も異議を唱えず、振り返る者もなく、千里に頷いて返事した。藤吉だけがショックで首をうなだれさせていた。
「異議なしよ」
真っ先に答えを返したのはまといだった。まといと千里は目を合わせて頷きあった。はじめて千里とまといが意見を一致させた瞬間だった。
「先生のためじゃないけど、私も許せないと思うので異議なし」
あびるがクールな声で手を上げた。
「私も行くわ。千里一人だけ行かせると無茶するに決まってるから」
藤吉はしょんぼりしたままの声で同意した。
「私も異議なし。でも、どうするの?」
私は手を上げて千里に意見を求めた。
「決まってるでしょ。あの男爵とかいう男の家に押しかけるのよ!」
千里が拳を握りしめて啖呵を切った。
というわけで、私たちは行動を開始した。
男爵の家はすぐにわかった。というか、私に憶えがあった。小石川町の外れを進んだところに、辺りに家一軒もない地域があった。その周辺一帯は森になっていて、森に近い家や工場は誰も近寄らずゴーストタウンになっている。そこに、私の子供時代からお化け屋敷と囁かれた洋館があった。しかもそこに、最近人が入居したという噂もあった。それこそ、まさしく男爵であった。
私たちはその男爵の屋敷に向かった。男爵の屋敷に近付くと、辺りから一切の喧騒が消えた。夏の夜とは思えない肌寒さが包み込む。道が真直ぐに伸びているが、街灯の明かりはほとんどなく、真っ暗闇を手探りで進んでいるみたいだった。道の左右に置かれている森は、茨や蔓植物ばかりで鬱蒼としていた。目を向けても、蔓植物が壁のように立ち塞がっているように見えた。
そんな通りをひたすら真直ぐに進んだところに、男爵の屋敷があった。煉瓦を積み上げて造られた立派な門柱に、鉄の格子扉が訪ねる人を拒んでいる。門灯がひっそりとした光を入口周辺に投げかけていた。
だがそんな鉄扉も、すっかり錆ついてしまっている。左の鉄扉が傾いて、右の鉄扉と噛み合わなくなっていた。
私はまず門柱の表札に目を向けた。黒く照り返す御影石の表札には、『江口』とあった。
……エロ男爵。いや、言うまい。
「どうする、入るの? インターホン押す?」
私はここまでやって来て、すっかり怖気ついていた。辺りの空気は鳥肌が立つくらいに冷たかったし、暗闇に浮かぶ屋敷の姿は、かつてお化け屋敷と呼ばれた佇まいを堂々と身にまとっている。
「当り前でしょ。ここで引き下がってどうするのよ。」
千里は厳しい顔で私を振り返る。しかし、一歩も進まない。千里だけではなく、そこに集まった誰も、最初の一歩を踏み出せず、互いの顔を見て譲り合っているだけだった。
「よく来た。歓迎するよ。遠慮なく入りたまえ。それとも、ここで逃げ出すかね?」
インターホンからいきなり男爵の声が聞こえた。
「いい度胸じゃない。相手が招いたんなら、入るのが礼儀だわ。不法侵入じゃなくなるから都合がいいし。行きましょう。あえて飛び込んで、逆にエロ男爵を突き飛ばしてやろうじゃない。」
千里は私たちを振り向いて、決意表明みたいに宣言した。

次回 P049 第5章 ドラコニアの屋敷7 を読む

小説『さよなら絶望先生~赤い瞳の少女~』目次




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