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■2016/02/25 (Thu)
創作小説■
第9章 暗転
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15
日が昇り始めて、空が血のような赤色に染まった。オークの命を受けた3人の兵士達が、草原を駆け抜けた。草の先に、血が飛び散ったような赤い色が映っていた。不意に、兵士の1人が馬を止めてしまった。
兵士
「何をしている」
残る2騎も馬を止めて、振り返った。
しかしその兵士は、2人が言うのを無視して、赤く染まる空を見詰めながら、何かを呟いていた。
何も返事をしないのに、2人は何かあるのかと思い、彼が見ている方向を振り返った。
と突然、兵士は弓矢を構えた。電光石火の速さで、1人を撃ち抜いた。
兵士
「おのれ、裏切ったな!」
残る一騎が剣を抜いた。
だが弓矢のほうが早かった。矢の一撃は、兵士の額を撃ち抜いた。
すべてが一瞬だった。2人の兵士は絶命し、馬の上からずるりと落ちた。
兵士
「……貴様……いったい何者だ」
最初の1人が、まだ息を残していた。
裏切り兵士は倒れている兵士の側へ近付くと、冷淡に矢で狙いをつけて、その頭に一発、撃ち込んだ。
裏切り兵士
「異教徒の殺害は罪にならない。天国への道だ」
裏切り兵士は、胸の前で十字を切った。
裏切り兵士は、王城と別の方向に馬首を向けて、駆けていった。
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