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■2010/01/06 (Wed)
映画:外国映画■
中国映画好きのジェイソン少年は、中国武術のことなら何でも知っていた。
だが力は弱く、転校してきたばかりだというのに街の悪餓鬼ルーポに目をつけられ、いびられていた。
ルーポは、ジェイソンが中国人質屋に出入りしているのに目をつけ、強盗を思いつく。ジェイソンを脅して店主のホップ老人をおびき出し、老人が安心している隙に襲い掛かる。
「金はどこだ!」
ルーポたちは老人を脅し、店の商品を物色し始める。
ホップ老人はルーポを止めようと飛び掛った。だがルーポは、持っていた銃でホップ老人を撃ってしまう。
死に際のホップは、ジェイソンに如意棒を託し「これを真の持ち主に返すのだ」と残して息絶える。
ジェイソンは如意棒を持って店から逃げ出し、手前の店の中へと逃げ込む。
しかしすぐにもルーポたちに追跡され、間もなく追い詰められてしまう。
絶体絶命。そう思った瞬間、如意棒が動き出し、ジェイソンを別世界へと引き込んだ。
ジェイソンは突然異世界に飛ばされてしまう。風景は中国風だがどこかおかしい。なぜか道に鋤を入れている農民がいたり、どこかちぐはぐとしている。
ジェイソンが次に目を覚ますと、そこは中世の中国だった。山に囲まれた、のどかな農村の風景が広がっていた。
そんな場所に、騎馬の一団がやってくる。騎馬の一団はジェイソンが持っている如意棒に気付き奪い取ろうと襲い掛かる。
そんな時、謎の酔拳の達人ルー・ヤンが現れ、ジェイソンを救い出す。
ルー・ヤンに助けられたジェイソンは、この世界で起きている全てを聞かされる。かつて孫悟空とジェイド将軍との激しい戦いがあったこと。結果として孫悟空が敗れ、如意棒はどこかに失われてしまったこと。
伝承によれば、いつか選ばれし者が現れ、如意棒を孫悟空の手に戻すという……。
動きがスローに見えたのは用意したカメラで2人の動きを捉えられなかったからだそうだ。監督は2人の動きを捉えるにはハイスピードカメラが必要と知らなかったのだろうか。
映画『ドラゴン・キングダム』において注目すべきは、ジャッキー・チェンとジェット・リーの対決シーンだ。中国映画好きにとって、夢のドリームマッチである。
しかし、二人の対決シーンは2時間の映画の中で、ほんの数分である。物語は特にその対決シーンのためにあるわけではなく、ほとんどはあまり必要とは思えないエピソードに消化される。
注目の対決シーンも構図の作りは決してうまいとは言い切れず、俊足を誇るはずのジャッキー・チェンとジェット・リーの動きはなぜかスローモーションだ。
対決に至る展開もあまりにも強引で、対決させるためにムリヤリ時間を作った、という感じだ。2人はあくまでも共演しただけであって、対決をテーマにした映画ではないから仕方ないのかもしれない。
成長と冒険という王道をきちんと踏襲しているが、設定の作りこみが甘い。旅の仲間であるゴールデン・スパロウの話し方などどこかおかしいがその理由がちゃんと説明されない。自己完結されてないからちぐはぐした印象になっているのだ。
中世の中国ふうの世界観が描かれているが、まったくのファンタジー映画である。わかりやすい悪の支配者が登場し、奇怪な技を持った刺客が次々とジェイソン少年に襲い掛かる。
はじめは非力だったジェイソン少年も、数々の試練に打ち克ち、次第に力を手にしていく。
『ドラゴン・キングダム』はジャッキー・チェンとジェット・リーの対決が売り文句だったが、実際は少年による異世界への冒険と成長物語がテーマである。
テレビ下に唯一置かれているゲーム機がドリーム・キャストというのが素晴らしい。オタクはやはりドリーム・キャストを持っていなければならない。(ソフトもコントローラが1本も見当たらないのは不自然だが)
映画『ドラゴン・キングダム』はカンフー映画オタクの感性で描かれた作品だ。中国映画の知識は誰よりも知っているが、実践の経験はまったくない――そんな少年の脳内世界そのものを映画の中で描いている。
中国風の舞台に中国風の伝承が背景におかれているが、何もかもちぐはぐした印象だ。それも少年の脳内世界が反映されたものと見るべきなのか。それとも中途半端に中国映画を模倣しただけのハリウッド映画なのか。
あるいは中国映画に憧れを抱き、物まねして見せたティーンズの映画というべきなのか。
映画記事一覧
作品データ
監督:ロブ・ミンコフ アクション監督:ユエン・ウーピン
音楽:デヴィッド・バックリー 脚本:ジョン・フスコ
出演:ジャッキー・チェン ジェット・リー
〇 マイケル・アンガラノ コリン・チョウ
〇 リウ・イーフェイ リー・ビンビン
だが力は弱く、転校してきたばかりだというのに街の悪餓鬼ルーポに目をつけられ、いびられていた。
ルーポは、ジェイソンが中国人質屋に出入りしているのに目をつけ、強盗を思いつく。ジェイソンを脅して店主のホップ老人をおびき出し、老人が安心している隙に襲い掛かる。
「金はどこだ!」
ルーポたちは老人を脅し、店の商品を物色し始める。
ホップ老人はルーポを止めようと飛び掛った。だがルーポは、持っていた銃でホップ老人を撃ってしまう。
死に際のホップは、ジェイソンに如意棒を託し「これを真の持ち主に返すのだ」と残して息絶える。
ジェイソンは如意棒を持って店から逃げ出し、手前の店の中へと逃げ込む。
しかしすぐにもルーポたちに追跡され、間もなく追い詰められてしまう。
絶体絶命。そう思った瞬間、如意棒が動き出し、ジェイソンを別世界へと引き込んだ。
ジェイソンは突然異世界に飛ばされてしまう。風景は中国風だがどこかおかしい。なぜか道に鋤を入れている農民がいたり、どこかちぐはぐとしている。
ジェイソンが次に目を覚ますと、そこは中世の中国だった。山に囲まれた、のどかな農村の風景が広がっていた。
そんな場所に、騎馬の一団がやってくる。騎馬の一団はジェイソンが持っている如意棒に気付き奪い取ろうと襲い掛かる。
そんな時、謎の酔拳の達人ルー・ヤンが現れ、ジェイソンを救い出す。
ルー・ヤンに助けられたジェイソンは、この世界で起きている全てを聞かされる。かつて孫悟空とジェイド将軍との激しい戦いがあったこと。結果として孫悟空が敗れ、如意棒はどこかに失われてしまったこと。
伝承によれば、いつか選ばれし者が現れ、如意棒を孫悟空の手に戻すという……。
動きがスローに見えたのは用意したカメラで2人の動きを捉えられなかったからだそうだ。監督は2人の動きを捉えるにはハイスピードカメラが必要と知らなかったのだろうか。
映画『ドラゴン・キングダム』において注目すべきは、ジャッキー・チェンとジェット・リーの対決シーンだ。中国映画好きにとって、夢のドリームマッチである。
しかし、二人の対決シーンは2時間の映画の中で、ほんの数分である。物語は特にその対決シーンのためにあるわけではなく、ほとんどはあまり必要とは思えないエピソードに消化される。
注目の対決シーンも構図の作りは決してうまいとは言い切れず、俊足を誇るはずのジャッキー・チェンとジェット・リーの動きはなぜかスローモーションだ。
対決に至る展開もあまりにも強引で、対決させるためにムリヤリ時間を作った、という感じだ。2人はあくまでも共演しただけであって、対決をテーマにした映画ではないから仕方ないのかもしれない。
成長と冒険という王道をきちんと踏襲しているが、設定の作りこみが甘い。旅の仲間であるゴールデン・スパロウの話し方などどこかおかしいがその理由がちゃんと説明されない。自己完結されてないからちぐはぐした印象になっているのだ。
中世の中国ふうの世界観が描かれているが、まったくのファンタジー映画である。わかりやすい悪の支配者が登場し、奇怪な技を持った刺客が次々とジェイソン少年に襲い掛かる。
はじめは非力だったジェイソン少年も、数々の試練に打ち克ち、次第に力を手にしていく。
『ドラゴン・キングダム』はジャッキー・チェンとジェット・リーの対決が売り文句だったが、実際は少年による異世界への冒険と成長物語がテーマである。
テレビ下に唯一置かれているゲーム機がドリーム・キャストというのが素晴らしい。オタクはやはりドリーム・キャストを持っていなければならない。(ソフトもコントローラが1本も見当たらないのは不自然だが)
映画『ドラゴン・キングダム』はカンフー映画オタクの感性で描かれた作品だ。中国映画の知識は誰よりも知っているが、実践の経験はまったくない――そんな少年の脳内世界そのものを映画の中で描いている。
中国風の舞台に中国風の伝承が背景におかれているが、何もかもちぐはぐした印象だ。それも少年の脳内世界が反映されたものと見るべきなのか。それとも中途半端に中国映画を模倣しただけのハリウッド映画なのか。
あるいは中国映画に憧れを抱き、物まねして見せたティーンズの映画というべきなのか。
映画記事一覧
作品データ
監督:ロブ・ミンコフ アクション監督:ユエン・ウーピン
音楽:デヴィッド・バックリー 脚本:ジョン・フスコ
出演:ジャッキー・チェン ジェット・リー
〇 マイケル・アンガラノ コリン・チョウ
〇 リウ・イーフェイ リー・ビンビン
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