忍者ブログ

89c79c73.png
■ コンテンツ ■

ad17d9bc.png 2f3a1677.png c1a81a80.png 9452a147.png 5350f79a.png 01b9b1e8.png 29aa8305.png d5525adf.png 0e6a6cf4.png b76ca7e7.png fea5d7ae.png
■ Twitter ■

■ ブログランキング

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
■ ショップ

DMM.com DVD通販、レンタルなどの総合サイト
■2017/08/21 (Mon)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

にほんブログ村 アニメブログへ
■ [920]  [919]  [918]  [917]  [916]  [915]  [914]  [913]  [912]  [911]  [910]  ■


■2015/09/18 (Fri)
第3章 贋作工房

前回を読む

 アイマスクを外した。目の前で、コワモテの三白眼が手を差し出していた。ツグミは三白眼の前で、蛇に睨まれた蛙のように固まってしまった。コルリがツグミのアイマスクを引き受け、まとめて男に返した。
 車の外は地下駐車場だった。「どこかの」と言うしかなかった。
 天井が低く、無数のパイプが剥き出しになって絡まっている。暗い緑の照明が点々と辺りを照らしていた。
 あまりにもありふれた、何の特徴のない地下駐車場だった。トヨタ・クラウンの他に、停車している車が2台ほどあった。それだけだったから、閉鎖的な空間が広く感じられた。
 2人の大男が車を降りて、後部座席の両側のドアを開けた。今度は「出ろ」だ。
 すぐにコルリが応じて出ようとした。しかし、ツグミは動けなかった。左脚ばかりか、右脚の感覚もなくなってしまった。恐怖で震えが止まらなかった。
 コルリを振り向くと、もう体半分が車の外だった。
 ――行ってしまう。
 ツグミはコルリの手を掴んだ。コルリがはっと振り返った。
「ルリお姉ちゃん、怖い」
 やっと思いで、言葉を搾り出す。辺りが静かでないと、伝わらないくらい弱々しい声だった。
 コルリが座席に戻ると、ツグミの側に顔を寄せ、耳元で囁いた。
「大丈夫や。ツグミは私の後ろにいたらいい。言いたいことがあったら、私に言うんやで。私が代わりにあいつらに言ってやるから。大丈夫だから、私に従いておいで」
 囁く声だったけど、信じられないくらい落ち着きがあった。
 ツグミはうん、と頷いた。それから、2人で手を繋ぎながら車を出た。
 2人の大男は、ツグミとコルリの両側について、先導した。連行されているみたいだった。
 行く先に、エレベーターがあった。エレベーターの扉が開き、中に入る。
 エレベーターの中は狭く、大男2人が入ると、もう一杯の空間だった。ツグミとコルリは、大男に挟まれて、抱き合うように体を寄せ合った。
 ツグミの目に、何となくエレベーターの壁が目に入った。飾りっ気のない銀色の壁に、男のスーツの黒がうっすらと浮かび上がっていた。時々、がたがたとエレベーターが揺れる。壁に、小さく落書きがあった。
『ミヤ子、愛シテル』
 よくある落書きだったけど、妙に印象に残る気がした。
 ツグミはちょっと首を捻り、扉の上に目を向けた。階数は全部で25階だった。結構高い建物らしい。
 エレベーターは10階で停まった。重苦しい空気が嘘のように、チーンと軽い音がして扉が開く。
 しかし、その先は真っ暗だった。エレベーターの周囲だけが、小さな常夜灯の光で照らされていた。まるで、暗闇の取り残された光の無人島みたいだった。

次回を読む

目次

※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

拍手[0回]

PR
にほんブログ村 アニメブログへ
■ [920]  [919]  [918]  [917]  [916]  [915]  [914]  [913]  [912]  [911]  [910]  ■


■ ブログの解説 ■

漫画・アニメ・キャラクターを中心に取り扱うブログです。 読みたい記事は、左の目次からお探しください。

QLOOKアクセス解析


■ ブログ内検索  ■

私が描きました!

アマゾンショップ

アマゾンのサイトに飛びます
フィギュア

アニメDVD

新刊コミック

ゲーム

ライトノベル

楽天

アマゾン<シャッフル>ショップ

私が描きました!

Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]