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■2015/10/20 (Tue)
※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

第3章 贋作工房

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22
 振り向くと、画廊の前だった。車のドアが開き、冷たい風が流れ込んできた。
 帰ってきたのだ。
 ツグミはコルリと手を握ったまま、車を降りた。
 空が暗く浮かび始めていた。街はまだ夜の闇を残して、街灯が点々と輝きを残している。空気が突き刺さるほどに冷たく、誰も人が住んでいないみたいに静まり返っていた。
 ツグミは茫然とする思いで、街の風景を見回した。
 男達は何も言わずに、車のドアを閉めてどこかに去ってしまった。
 少し、車を見送った。トヨタ・クラウンのエンジン音も、遠慮がちに潜めているように聞こえた。
 それから、ツグミは改めて画廊を振り返った。やっと帰ってきた。ずっと帰らなかったように思えて、その風景があまりにも懐かしく感じてしまった。
「帰ってきたね」
 コルリがツグミの耳の側で囁いた。その声から暗い思いが消えて、高い山を登りきったような涼しげさが浮かんでいた。
「うん」
 ツグミは振り向き、頷いた。途端に、胸が苦しくなった。色んな感情が一気に押し迫ってきた。怖かったし、つらかった。でもすべて過ぎ去ったんだ、という解放感が、ツグミ自身を捉えていた。
 ツグミは感情を押し留められず、涙を溢れさせた。コルリがツグミを抱き寄せて、「よしよし」と頭と背中を撫でた。ツグミはコルリの胸に顔を押し当てて、遠慮なく泣いた。
 画廊の鍵を開けて、まずコルリが入り、暖簾を掻き上げた。
 誰かいないか、コルリが慎重に中の様子を覗きこむ。
 ツグミは後ろで、コルリの背中を見守った。
 すると、コルリが振り返って手招きをした。なぜか口元に、もう抑えられないといった笑顔が浮かんでいた。
 コルリに続いて、ツグミは画廊に入った。
 画廊の中は暗かった。暗い影が落ちて、そこはまだ夜だった。真っ暗闇に、白い円テーブルが浮かび上がっていた。その上に、額縁付きの絵が何枚か重ねて放り出されていた。
 すぐに「あっ」と声を上げた。
 コルリが画廊の明かりを点けて、絵を持ち上げ、ツグミに向けた。ツグミは杖を突きながら、急いで絵の前に進んだ。
 ミレーだ。羊飼いの娘が描かれていた。
 ツグミは少し絵を見て、長く息を吐いた。2度、うんうんと頷き、それから顔を上げた。
「真画や」
 コルリは、丁寧に絵をテーブルの上に置くと、それから「やったー!」と声を上げた。ツグミを抱きしめて、「きゃー」と飛び跳ねた。ツグミもよくわからない声で思い切り叫んでいた。
「そうだ。すぐにヒナ姉に電話しないと」
 コルリは抽斗に放り込んだままの電話に飛びついた。

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目次

※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

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