忍者ブログ

89c79c73.png
■ コンテンツ ■

ad17d9bc.png 2f3a1677.png c1a81a80.png 9452a147.png 5350f79a.png 01b9b1e8.png 29aa8305.png d5525adf.png 0e6a6cf4.png b76ca7e7.png fea5d7ae.png
■ Twitter ■

■ ブログランキング

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
■ ショップ

DMM.com DVD通販、レンタルなどの総合サイト
■2017/03/27 (Mon)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

にほんブログ村 アニメブログへ
■ [928]  [927]  [926]  [925]  [924]  [923]  [922]  [921]  [920]  [919]  [918]  ■


■2015/09/26 (Sat)
※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

第3章 贋作工房

前回を読む

10
 コルリは絵の前に進み、手にしたナイフを振り上げた。
 ツグミはコルリの背中に隠れながら、宮川を振り返った。
 宮川は、薄く、微笑みを浮かべていた。暗がりの中で、目が怖いくらいに生き生きと輝いていた。あれは地獄に落ちようとしている人間を、愉快そうに眺めている悪魔の顔だ。
「お姉ちゃん、違う!」
 ツグミはとっさに叫んだ。かすれた声だけど、ここに来て初めて口にした言葉だった。
 コルリがナイフを振り上げた格好のまま、「え?」とツグミを振り返った。
 ツグミはコルリの背中から1歩前に出て、改めて2枚の絵をじっと眺めた。
 数秒で確信に辿り着き、目を閉じてふぅと溜め息をこぼした。
「あの人は『どちらがレンブラントか』なんて1度も言わなかった。本物は右。プードルは贋物や」
 自分でも驚くくらい、すらすら落ち着いて言葉が出てきた。
「何で、工房作品やで」
 コルリがツグミの腕を掴み、ひそひそと抗議した。
 ツグミはコルリの顔を見て首を振った。改めて2枚の絵を振り返る。
「『レンブラント作品』と『レンブラント工房作品』は色んなところで違う。レンブラントは本物とコピーで意図的にバリエーションを作ってたんや。本物の価値を高めるためやね。レンブラントの本物は、コピーよりずっと光の散り方が細かいし、レンブラントの方は足元にプードルを描きこむことを考えて、その分、男を小さく描いとんや。でも、この絵、2枚とも光の散り具合は一緒やし、フレームの切り方も一緒や。“コピーからコピー”を作ったからやな。それに……」
 ツグミは1度、言葉を切って、宮川を振り返った。
「レンブラントの《足元にプードルを伴う東洋衣裳の画家》の本物は、パリの《プチ・パレ》に今も展示されている。ここにある絵が、本物のわけがない」
 ツグミははっきりと断言して、宮川の反応を待った。
 僅かに、微笑が変わった。かすかに頷いたような気がした。ツグミは、直感的に自分の考えが正しいと判断した。
 ツグミはコルリを振り向き、手を差し出した。
「ルリお姉ちゃん、私がやる」
 コルリの顔に、動揺が浮かんでいた。しかし、すぐに信頼の顔に変わった。
「大丈夫なんやな」
 コルリが念を押す。だけど、もう言葉は信頼していた。
 コルリはツグミの掌に、ナイフの柄を置いて、慎重に握らせた。ナイフは思いのほか重かった。心にも、重い何かがのしかかるような気がした。

次回を読む

目次

※ 物語中に登場する美術家、美術作品、美術用語はすべて空想のものです。

拍手[0回]

PR
にほんブログ村 アニメブログへ
■ [928]  [927]  [926]  [925]  [924]  [923]  [922]  [921]  [920]  [919]  [918]  ■


■ ブログの解説 ■

漫画・アニメ・キャラクターを中心に取り扱うブログです。 読みたい記事は、左の目次からお探しください。

QLOOKアクセス解析


■ ブログ内検索  ■

私が描きました!

アマゾンショップ

アマゾンのサイトに飛びます
フィギュア

アニメDVD

新刊コミック

ゲーム

ライトノベル

楽天

アマゾン<シャッフル>ショップ

私が描きました!

Template by Crow's nest 忍者ブログ [PR]