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■2010/01/05 (Tue)
増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和+

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ルノワールVSセザンヌ

bde59421.jpg1874年。パリで第1回印象派展が開かれた。後に印象派の巨匠と呼ばれる、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、モネ、シスレー、ドガらが顔を揃える展覧会である。
その日、ルノワールはベンチで思い悩むように空を見上げていた。空はにわかに白く濁り、ルノワールの沈んだ気分を映し出しているようですらあった。
3a5554c9.jpg次の展覧会、果たしてどんな画題で臨むべきか。どんなタッチが相応しいか。ルノワールはこれだというテーマが決められず、思案に明け暮れていた。
「ああ……裸婦が書きたい……」
考えに考え、考えに惑った挙句、ふとそんな独り言がこぼれた。ルノe2a51576.jpgワールは自分にごまかすように笑った。
「ははは、ちょっと恥ずい独り言いってしまったな。ははは……はっ!」
背後にゆらりと気配。
ルノワールは「ギャー」と叫びそうになった。そこに立っていたのは、34d52746.jpgまさしくライバルセザンヌであった。
――まさか、今の聞かれたんじゃないだろうな。
「聞いたぞ」
セザンヌは勝ち誇ったように親指を突き出した。
「聞かれてるー! まさか人に言う気じゃないだろうな。言うなよ、セザンヌ! 略して言うヌ!」
「言うぜ!」
43194876.jpgセザンヌは誇らしげに髭をなでつつ、親指を突き立てた。
「言う気だー! いや待て。僕が画家だぞ? 何を恥じる必要がある? そりゃ裸婦くらい描くつーの。恥ずかしくないわー!」
「え~、ご通行中の皆さーん!」
「わー! わーー!」
504bf24a.jpg「なんとここにいるルノワール君が独り言で……」
「ぐはぁー!」
ルノワールの口から噴水のごとく血が吹き出した。まさに間血泉の勢いだった。
「コワいよお前! どんな喉の痛め方だろ。嫌だろ」
405ff6cd.jpgドン引きだが突っ込みは容赦のないセザンヌであった。
「じゃあどうしたら僕の独り言を秘密にしといてくれるんだ?」
ルノワールは密約を求めるようにセザンヌに囁きかけた。
セザンヌは悪代官の微笑を浮かべて内ポケットに手を突っ込んだ。
「今度の展覧会でこれを出品したまえ」
6d6b93c8.jpgと差し出したのはメモ用紙に描かれた落書きだった。ルノワールと注意書きされた人物が、笑顔でバベル・タワーの如きうんちを掌に乗せていた。
セザンヌは得意げになって脅迫めいた説明を続けた。
「タイトルは君が付けていいが、一応私が考えたのは、ルノワールおf26e8765.jpg前、何を食べてんだ……!」
「ルノワールロケット!」
ルノワール自身が空中を走った。ルノワールは容赦のない砲弾となり、セザンヌの腹に強烈な一撃を食らわした。セザンヌはくの字に体を折り曲げて「ぶへー!」と悲鳴を上げた。
「ふざけるな! そんなの出品したら僕の画家生命絶たれるだろうが!」
「ふん。それが狙いよ。私はライバルは早めに潰す主義なんだ。売れるのは私1人で充分なんだ」
セザンヌはルノワールロケットの衝撃を体に受け、ぜいぜい息を喘がせながらも、悪役らしい微笑みを絶やさず言った。
562c02a5.jpg「くきー! このケダモノ!」
「何とも言いたまえ」
セザンヌはむしろ誉め言葉と受け取ったように髭をいじり始めた。
「侍で切られた音みたいな名前しやがって!」
セザンヌ!
18622847.jpgセザンヌの脳裡に衝撃の鐘が鳴り響いた。セザンヌはくらくらと地面に手を置いて、愕然とうなだれた。
「そこまで言うとは……」
「図星だったようだな」
ルノワールは勝ち誇った優越を背負って反り返った。
ad23ea1d.jpg「黙れ! 貴様だってオッサンがワックスかけた床を全裸で滑る落としやがって!」
「がーん! それだけは言われたくなかったのに!」
ルノワールに衝撃が貫いた。ルノワールは人生の終わりを予感したように愕然とうなだれた。
「ぐうの音もでまい、ルノワール君。いやむしろ、全裸ワックス君!」
セザンヌは勝ち誇った優越を背負って、敗者を見下した。
「セザンヌ! こうなったら絵で勝負だ!」
ルノワールは立ち直り早く飛び上がり、宣言をした。
「臨むところだ!」
セザンヌがルノワールの挑発を付けて叫ぶ。2人の背後に、めらめらと闘士の炎が燃え上がった。

ef855792.jpg『ギャグマンガ日和』がまたしても戻ってきた。第4期を迎え、何か変わったのかといえば――何も変わっていない。あの休日の朝にやっつけで描いたような絵画はそのままだし、何より作品に流れる独特の空気は一切変わっていない。あの前後の時間や空気の流れを一瞬にして変貌させ、独特の世界に取り込んでいくような強引さ、それc039715b.jpgから魔術的魅力は相変わらずである。
『ギャグマンガ日和』は油断ならない作品である。絵画は子供の落書きだし、構図の作り方は映像の作法を完全に無視している。だが矢継ぎ早に迫るカットの速度や、畳み掛けるような言葉の応酬には人を惹き付けるエネルギーに満ち満ちている。この作品に接した多くは中403514fe.jpg毒者となり、続きを求め、日常生活の中でキャラクターの台詞やアクション(創作者は“文脈”を)を真似するようになる。
この作品から実に多くの名台詞や名シーンが生まれていった。「変態紳士」など、ネット上であまりにも有名でうんざりするほど使いまわされた称号も『ギャグマンガ日和』がオリジナルである(他にもあるはずb349a1a5.jpgだが、すぐには思い出せない)
『ギャグマンガ日和』が特別で油断ならないのはそのオリジナルの力である。ギャグ漫画の多くは、オリジナル作品を引用し茶化して同意の笑いを誘うだけである。有名作品を茶化し、極めてどうでもいい突込みを入れて笑いを引き出そうとしている。オリジナルを知っている人に限定した、小さくつづまっていく笑いだ。はっきり言えば、多くのギャグ作品にはオリジナル創作の努力がそこにない。創造の苦労を遠ざける作家は、自身が影響を受けた作品の数々を抽斗から全て出してしまえば、その瞬間に作家として枯れてしまうだろう。
『ギャグマンガ日和』にはそんなどこにでもあるような三流の笑いを求めていない。『ギャグマンガ日和』にはオリジナルの力が漲っている。
一見すると手抜きにしか見えない絵画も、おそらく見る側のガードを引き下げるための作戦であろう。だから我々は、極めて無防備な裸の姿で雹のごとく降り注ぐギャグをその身に浴びるのだ。
ふと気付けば、我々は単なるコピー人間となって、『ギャグマンガ日和』を引用してイミテーションを現実世界に作ろうとしている。『ギャグマンガ日和』の魅力に捉われ、創造主増田こうすけの精神的奴隷となっているのだ。
『ギャグマンガ日和』という作品はたったの5分だ。その他の25分シリーズ作品と較べると圧倒的に短い。しかしだからこそ、番組と番組の狭間にとどまり続けるのである。光に対する影のように、こっそりと、それでいて強烈な輝きを放ちながら――。それで気付けば、我々の精神構造の一片として組み込まれているのだ。番組と番組の狭間に残るように、意識の狭間に留まり続けるのだ。やはり油断のならない作品である。
『ギャグマンガ日和』は時代に引き摺られることなく、年代を越えて語り継がれていくだろう。その度に作品から生まれた名台詞の一つ一つを人々は模倣する。オリジナル作品がもはやわからなくなった後でも、恐らくは我々の思考様式、それから言葉の中に『ギャグマンガ日和』はとどまり続けていくだろう。

作品データ
監督:大地丙太郎 原作:増田こうすけ
演出・作画:かどともあき
音楽:山本はるきち 音響監督:たなかかずや 撮影:大山佳久
主題歌「希望の宇宙の…」
作詞:増田こうすけ 作曲:大地丙太郎 山本はるきち 唄:うえだゆうじ
エンディング曲「ハッピーゴーラッキーエンディング」
作詞・作曲:山本はるきち 唄:冠徹弥
アニメーション制作:ダックスプロダクション・スタジオディーン
出演:前田剛 うえだゆうじ 内藤玲 矢部雅史
  佐藤なる美 那須めぐみ 名塚佳織



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