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■2009/04/15 (Wed)
シリーズアニメ■
風に砂埃が混じり、ごうごうと音を立てている。険しい谷の斜面は、はるかな奈落へと落ちている。
そんな場所にも、古い住居の痕跡が点々と残されていた。かつてはこんな場所でも、そこそこの文明が栄えていたのだ。
リスティはそんな住居の跡に忍び込んでいった。この辺りにはコレクターが値段を付けてくれそうなお宝がたくさん眠っているのだ。
リスティは自身では、それなりの目利きである自負があった。盗みで生活する人間にとって、必要なスキルだった。
そんなとき、ふと気配が近付くのを感じた。リスティは仕事を中断して、物陰に身を潜めた。
住居が置かれているそこより、数メートル下に細い小道があった。かつては街道だったのか、アーチ状のゲートが点々と備えられている。
そんな場所を、誰かが歩いていた。
女だ。女はフードを深くかぶって姿を隠していた。腰に細身のレイピアを差している。
さては自分を狙った賞金稼ぎか。リルティは武器を手に警戒した。
だが違った。ゲートの上に、別の気配が現れた。フードの女も、気配に気付いて振り返った。
「旅人を襲っているのは、お前か!」
フードの女がレイピアを抜いて気配と対峙した。
ゲートの上にいたのはメローナだ。ピンクの髪にウサギの耳を備えた美しい少女だ。だが、少女は人間ではなく、この周辺を徘徊する魔物なのだ。
メローナはフードの女の挑発にも乗らず、悠然とアーチに座って足をぶらぶらとさせていた。
「だったらどうなのさ」
メローナは挑発的に微笑んで言葉を返した。
「私が倒す!」
「ふーん。君が僕を倒しちゃうんだ。面白い。相手してやるよ」
メローナが宙を舞った。二人の剣が火花を散らした。二度、三度と剣戟を重ね、二人はギリギリに接近しあった。
「顔を隠したって、僕にはわかるよ。くんくん。ヴァンス家の臭いがする」
メローナは挑発的にフードの女に顔を寄せて、鼻をひくひくとさせた。
フードの女がメローナを押し返した。と同時に、二人の剣が太陽を宿した。
メローナの剣が、女のフードを裂いた。フードの下から現れたのは、長い金髪の可憐な乙女だった。
一方金髪の少女の剣は、メローナの肩を捉え、胸元までを引き裂いた。明らかな致命傷だった。
だが、メローナは顔に苦痛を見せず、不思議そうに首を傾げて金髪の少女を見た。
「あれ? クローデットじゃない」
「私はレイナ。高貴なる戦士、レイナだ!」
レイナ。覚えがあるぞ。リスティはすぐに自分の荷物袋を調べた。
見つけた。ヴァンス・レイナ。クローデットの妹だ。
なるほど、これは面白いかもしれない。リスティはにやりを口元をゆがめた。
戦いはまだ続いていた。あっとリスティが注意を向けると、形勢ははっきりと変わっていた。
レイナが尻を突き、胸元を隠していた。見事なバストがはだけかけて、レイナは羞恥で頬を染めていた。
「おっかしいなぁ、クローデットの臭いがしたのに。まあ、ライオンの将、クローデットの実力が、この程度ってことはないよねぇ。服が破れたくらいで『キャア』だもん」
メローナは挑発を込めた笑いを浮かべた。
「あなたの目的は、何?」
「僕はね、強い闘士を叩き潰して回っているのさ。クイーンズブレイドの参加者をね。――始まるのさ。四年に一度の、新しい女王を決める戦いがね!」
非常に残念な話をするが、テレビ放送版は肝心な部分が見えなくなっている。せっかく書き手が巧みに裸を描き出しているのに、肝心な部分は不自然な光が当てられ、あるいは煙が被され、裸の露出を隠そうとしている。女達の裸がどうしても見たい場合は、DVD版をお勧めする。
『クイーンズブレイド』に登場する女たちは、みな奔放で異能の力を備え、そのうえとてつもなく美しい。
容姿は完璧なまでに美しく整い、抜群のプロポーションには傷一つ認められない。
そんな乙女達が、下着にしか見えないビキニ・アーマーを身に纏い、華麗に戦う。
『クイーンズブレイド』は女だけの戦いであり、女たちが集い、戯れる、秘密の花園である。
美しいヒロインを描くのは日本アニメのお家芸である。一方で、日本のアニメは魅力的な“”ヒーロー”はあまり描かれてきていなかった。ほとんどが典型的なステレオタイプであり、ヒロインの方が圧倒的にバリエーションが多い。もしかしたら、苦手分野なのかもしれない。
『クイーンズブレイド』は過酷な戦いが中心だが、戦いの生々しさよりも女達の美しさに重点が置かれている。
剣を交えた戦いだが、女達の完璧を誇る身体は、決して傷つくことはない。
アニメーターの視点は、女達の身体がギリギリまでに跳躍し緊張し、その身体が魅力に輝く瞬間を油断なく捉えようとしている。
そして特筆すべきは、剣の攻撃によって、女達の衣服は不自然に引き裂かれ、豊満なボディがさらされる瞬間である。
危険な凶器は女の体を決して傷付けず、その裸体を覆う布の一枚を巧みに引き裂く。
アニメの構図は、物語の解説などほとんど目的とせず、あきらかに女達の身体を魅力的にさせる方法が模索されている。
美しい丸みをもった豊満なバストを、なだらかな曲線を描くヒップラインを、それから不自然にちらちらとカメラがまとわりつく股間の周囲を、描き手はそれらがいかに魅力的に見えるか、性的な感性をそそるか、その模索に全精力が注がれている。
『クイーンズブレイド』は、フェティシズムの形式が模索されている。左のレイナは、涙と涎を垂らしている。いずれも典型的なフェティッシュアイテムだ。
地上波放送では確認できなかったが、失禁もあったようだ。完全版では、ひと通り液体は揃っているようである。やはりDVD版をお勧めだ。注目すべきシーンが削られた作品に、どんな価値があるというのだ。
『クイーンズブレイド』には女しか登場しない。
男は会話の中にちらちらと登場するだけで、あからさまに嫌悪が示され、物語に介入するのを完全に拒否されている。
女しか登場しない世界に、女達の戯れが続く夢幻世界。
男の視点と願望だけがあからさまに刻印されたアニメーション。
そこは、美しい乙女しか存在を許されない、秘密の花園である。
作品データ
監督:よしもときんじ 原作:Hobby JAPAN 原作監修:河原正信
キャラクター原案:赤賀博隆 えぃわ F.S 金子ひらく
かんたか 空中幼彩 黒木雅弘 ズンダレぽん
高村和宏 平田雄三 松竜 みぶなつき
キャラクターデザイン:りんしん デザイン補佐:野口孝行
総作画監督:りんしん 美術監督:東潤一 美術設定:泉寛
色彩設計・特技効果・デザインワークス:よしもときんじ 松原貞姫
撮影監督:池上伸治 音楽:横山克
アニメーション制作:アームズ
出演:川澄綾子 甲斐田裕子 田中敦子 水橋かおり
平野綾 釘宮理恵 明石香織 高橋研二 本田貴子
そんな場所にも、古い住居の痕跡が点々と残されていた。かつてはこんな場所でも、そこそこの文明が栄えていたのだ。
リスティはそんな住居の跡に忍び込んでいった。この辺りにはコレクターが値段を付けてくれそうなお宝がたくさん眠っているのだ。
リスティは自身では、それなりの目利きである自負があった。盗みで生活する人間にとって、必要なスキルだった。
そんなとき、ふと気配が近付くのを感じた。リスティは仕事を中断して、物陰に身を潜めた。
住居が置かれているそこより、数メートル下に細い小道があった。かつては街道だったのか、アーチ状のゲートが点々と備えられている。
そんな場所を、誰かが歩いていた。
女だ。女はフードを深くかぶって姿を隠していた。腰に細身のレイピアを差している。
さては自分を狙った賞金稼ぎか。リルティは武器を手に警戒した。
だが違った。ゲートの上に、別の気配が現れた。フードの女も、気配に気付いて振り返った。
「旅人を襲っているのは、お前か!」
フードの女がレイピアを抜いて気配と対峙した。
ゲートの上にいたのはメローナだ。ピンクの髪にウサギの耳を備えた美しい少女だ。だが、少女は人間ではなく、この周辺を徘徊する魔物なのだ。
メローナはフードの女の挑発にも乗らず、悠然とアーチに座って足をぶらぶらとさせていた。
「だったらどうなのさ」
メローナは挑発的に微笑んで言葉を返した。
「私が倒す!」
「ふーん。君が僕を倒しちゃうんだ。面白い。相手してやるよ」
メローナが宙を舞った。二人の剣が火花を散らした。二度、三度と剣戟を重ね、二人はギリギリに接近しあった。
「顔を隠したって、僕にはわかるよ。くんくん。ヴァンス家の臭いがする」
メローナは挑発的にフードの女に顔を寄せて、鼻をひくひくとさせた。
フードの女がメローナを押し返した。と同時に、二人の剣が太陽を宿した。
メローナの剣が、女のフードを裂いた。フードの下から現れたのは、長い金髪の可憐な乙女だった。
一方金髪の少女の剣は、メローナの肩を捉え、胸元までを引き裂いた。明らかな致命傷だった。
だが、メローナは顔に苦痛を見せず、不思議そうに首を傾げて金髪の少女を見た。
「あれ? クローデットじゃない」
「私はレイナ。高貴なる戦士、レイナだ!」
レイナ。覚えがあるぞ。リスティはすぐに自分の荷物袋を調べた。
見つけた。ヴァンス・レイナ。クローデットの妹だ。
なるほど、これは面白いかもしれない。リスティはにやりを口元をゆがめた。
戦いはまだ続いていた。あっとリスティが注意を向けると、形勢ははっきりと変わっていた。
レイナが尻を突き、胸元を隠していた。見事なバストがはだけかけて、レイナは羞恥で頬を染めていた。
「おっかしいなぁ、クローデットの臭いがしたのに。まあ、ライオンの将、クローデットの実力が、この程度ってことはないよねぇ。服が破れたくらいで『キャア』だもん」
メローナは挑発を込めた笑いを浮かべた。
「あなたの目的は、何?」
「僕はね、強い闘士を叩き潰して回っているのさ。クイーンズブレイドの参加者をね。――始まるのさ。四年に一度の、新しい女王を決める戦いがね!」
非常に残念な話をするが、テレビ放送版は肝心な部分が見えなくなっている。せっかく書き手が巧みに裸を描き出しているのに、肝心な部分は不自然な光が当てられ、あるいは煙が被され、裸の露出を隠そうとしている。女達の裸がどうしても見たい場合は、DVD版をお勧めする。
『クイーンズブレイド』に登場する女たちは、みな奔放で異能の力を備え、そのうえとてつもなく美しい。
容姿は完璧なまでに美しく整い、抜群のプロポーションには傷一つ認められない。
そんな乙女達が、下着にしか見えないビキニ・アーマーを身に纏い、華麗に戦う。
『クイーンズブレイド』は女だけの戦いであり、女たちが集い、戯れる、秘密の花園である。
美しいヒロインを描くのは日本アニメのお家芸である。一方で、日本のアニメは魅力的な“”ヒーロー”はあまり描かれてきていなかった。ほとんどが典型的なステレオタイプであり、ヒロインの方が圧倒的にバリエーションが多い。もしかしたら、苦手分野なのかもしれない。
『クイーンズブレイド』は過酷な戦いが中心だが、戦いの生々しさよりも女達の美しさに重点が置かれている。
剣を交えた戦いだが、女達の完璧を誇る身体は、決して傷つくことはない。
アニメーターの視点は、女達の身体がギリギリまでに跳躍し緊張し、その身体が魅力に輝く瞬間を油断なく捉えようとしている。
そして特筆すべきは、剣の攻撃によって、女達の衣服は不自然に引き裂かれ、豊満なボディがさらされる瞬間である。
危険な凶器は女の体を決して傷付けず、その裸体を覆う布の一枚を巧みに引き裂く。
アニメの構図は、物語の解説などほとんど目的とせず、あきらかに女達の身体を魅力的にさせる方法が模索されている。
美しい丸みをもった豊満なバストを、なだらかな曲線を描くヒップラインを、それから不自然にちらちらとカメラがまとわりつく股間の周囲を、描き手はそれらがいかに魅力的に見えるか、性的な感性をそそるか、その模索に全精力が注がれている。
『クイーンズブレイド』は、フェティシズムの形式が模索されている。左のレイナは、涙と涎を垂らしている。いずれも典型的なフェティッシュアイテムだ。
地上波放送では確認できなかったが、失禁もあったようだ。完全版では、ひと通り液体は揃っているようである。やはりDVD版をお勧めだ。注目すべきシーンが削られた作品に、どんな価値があるというのだ。
『クイーンズブレイド』には女しか登場しない。
男は会話の中にちらちらと登場するだけで、あからさまに嫌悪が示され、物語に介入するのを完全に拒否されている。
女しか登場しない世界に、女達の戯れが続く夢幻世界。
男の視点と願望だけがあからさまに刻印されたアニメーション。
そこは、美しい乙女しか存在を許されない、秘密の花園である。
作品データ
監督:よしもときんじ 原作:Hobby JAPAN 原作監修:河原正信
キャラクター原案:赤賀博隆 えぃわ F.S 金子ひらく
かんたか 空中幼彩 黒木雅弘 ズンダレぽん
高村和宏 平田雄三 松竜 みぶなつき
キャラクターデザイン:りんしん デザイン補佐:野口孝行
総作画監督:りんしん 美術監督:東潤一 美術設定:泉寛
色彩設計・特技効果・デザインワークス:よしもときんじ 松原貞姫
撮影監督:池上伸治 音楽:横山克
アニメーション制作:アームズ
出演:川澄綾子 甲斐田裕子 田中敦子 水橋かおり
平野綾 釘宮理恵 明石香織 高橋研二 本田貴子
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