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■2009/09/10 (Thu)
映画:日本映画■
真夜中にも関わらず、その街は煌びやかな光に満ちている。どんな通りも、影のない場所はない。
ここでは、夜になると人が目を覚ます。
犯罪も夜になると起きる。
不夜城、新宿。
桐生一馬。十年ぶりにムショから新宿に戻った。桐生の帰還を切っ掛けに、様々な事件が起きる。
『竜が如く』は様々な物語が断片的に重なり合う群像劇だ。小さな事件がやがて大きな事件へと繋がっていく。
覆面姿の二人組が、銀行を襲った。
しかし、銀行の金庫には、なぜかわずかな小銭しか残っていなかった。
誰かが、百億円の金を引き出し、現金輸送車が出た後だった。だから、ここにはお金がなかった。
覆面姿の二人は金が手に入らず、しかも警察に取り囲まれて、途方に暮れる。
覆面姿の銀行強盗、今西と中西。それを取り囲む刑事。しかし銀行には金はまったくなく、しかもクーラーが切れてしまう。どちらの視点に置いても、絶体絶命の状態。
一方、コンビニ店員の悟は、仕事を終え彼女の唯と合流。
一緒にディスカウント・ショップに入った。そこで、突然のヤクザの乱闘に巻き込まれてしまう。
悟と唯は、とっさにレジカウンターの裏側に隠れる。
そこで、唯は開けたままのレジに気付く。
「お金って、結構簡単に入るじゃん。強盗しよう!」
ある店で突然、暴動が始まる。巻き添えを食らった唯は、レジ・カウンターの後ろに避難する。そこで、開けたままのレジに気付き……。今時ギャルの唯は、これを切っ掛けに店を襲って金を得る方法を思いつく。
また別の場所。バッティング・センターで真島吾郎がボールを打っていた。
真島は子弟から、桐生一馬が十年ぶりにムショを出たと聞かされる。
桐生は、真島の宿敵だ。
その報告を聞いた真島は、桐生を探しに新宿の町に繰り出す。
強烈なキャラクターで描かれる真島。眼帯・関西弁・バット・無敵。主人公よりはるかに強いインパクト。ある意味、真島が映画の色調を決定したといっていい。ヒット映画なら、スピン・オフがありえたかもしれない。
そして桐生は、謎の少女、澤村遥と一緒だった。
桐生は、遥の母親を探すために、新宿を彷徨っていた。
澤村遥とその犬。桐生一馬が関わることとなり、物語の核である少女。ところで、犬は野良犬の設定。なのに丸々と太っているのはさすが新宿。
映画は、様々な場面から同時多発的に始まり、進行する。
それぞれがどんな意味と役割を持っているのか、まるでわからない。
ただ状況だけが過剰に迫り、強引に進行し、それぞれの登場人物が事件に巻き込まれていく。
新宿は日本国内でありながら、物語の中で極めて特殊な表現で描かれることの多い場所だ。日本でありながら、日本ではない、どこかハードボイルド的な世界を想像させる場所らしい。
登場人物たちは、どれも強烈だ。皆、それぞれに特徴を備えている。
そうした登場人物の中では、主人公の桐生一馬はあまりにもステレオタイプに見えて、むしろ埋没していくように見える。
出番も少なく、前半30分のあいだにほんの数回、顔を見せるだけ。台詞は、ごく一言二言だけだ。
いったい、何が起きようとしているのか。
すべての状況は、間もなく桐生と遥を中心に移し、結集していく。
写真だけ見ると、往年のヤクザ映画の雰囲気がある。だが、実際はそれとは別物。なにもかもぶっ飛ばすような奇妙な映画だ。ゲーム中の必殺技を再現しているシーンもある。どこかミスマッチな映画だが、はまり込んでみると面白い。
舞台は新宿で、ヤクザものの映画だ。
だが、妙にコミック的で、ユーモアのある映画だ。
暴力シーンでも、一見、往年のヤクザ映画の迫力だが、どちらかといえば役者の鮮やかな動きを捉え、モーションの一つ一つを描き出そうとしている。暴力というより、ダンスのようだ。
それに、奇妙なエフェクトがしばしば登場し、ナンセンスなユーモアが加わる。
『龍が如く 劇場版』は様々な事件が起こるが、合理的な繋がり方をしない。
奇妙な描写に意識を捉われ、我々は何かひとつずつ掛け違えたような、嫌なもどかしさを感じる。
しかし、強引な展開が次々と迫り、強烈なシークエンスが画面を覆い、そのうちにも「もう、どうでもいいや」と思うようになってくる。
「面白い!」と思うようになった頃には、すでに三池監督の演出の手の内だ。
映画記事一覧
作品データ
監督:三池崇史 原作:名越稔洋
音楽:遠藤浩二 脚本:十川誠志
出演:北村一輝 岸谷五朗 塩谷瞬 高岡早紀
〇〇〇サエコ 夏緒 加藤晴彦 哀川翔
〇〇〇田口トモロヲ コン・ユ 荒川良々
ここでは、夜になると人が目を覚ます。
犯罪も夜になると起きる。
不夜城、新宿。
桐生一馬。十年ぶりにムショから新宿に戻った。桐生の帰還を切っ掛けに、様々な事件が起きる。
『竜が如く』は様々な物語が断片的に重なり合う群像劇だ。小さな事件がやがて大きな事件へと繋がっていく。
覆面姿の二人組が、銀行を襲った。
しかし、銀行の金庫には、なぜかわずかな小銭しか残っていなかった。
誰かが、百億円の金を引き出し、現金輸送車が出た後だった。だから、ここにはお金がなかった。
覆面姿の二人は金が手に入らず、しかも警察に取り囲まれて、途方に暮れる。
覆面姿の銀行強盗、今西と中西。それを取り囲む刑事。しかし銀行には金はまったくなく、しかもクーラーが切れてしまう。どちらの視点に置いても、絶体絶命の状態。
一方、コンビニ店員の悟は、仕事を終え彼女の唯と合流。
一緒にディスカウント・ショップに入った。そこで、突然のヤクザの乱闘に巻き込まれてしまう。
悟と唯は、とっさにレジカウンターの裏側に隠れる。
そこで、唯は開けたままのレジに気付く。
「お金って、結構簡単に入るじゃん。強盗しよう!」
ある店で突然、暴動が始まる。巻き添えを食らった唯は、レジ・カウンターの後ろに避難する。そこで、開けたままのレジに気付き……。今時ギャルの唯は、これを切っ掛けに店を襲って金を得る方法を思いつく。
また別の場所。バッティング・センターで真島吾郎がボールを打っていた。
真島は子弟から、桐生一馬が十年ぶりにムショを出たと聞かされる。
桐生は、真島の宿敵だ。
その報告を聞いた真島は、桐生を探しに新宿の町に繰り出す。
強烈なキャラクターで描かれる真島。眼帯・関西弁・バット・無敵。主人公よりはるかに強いインパクト。ある意味、真島が映画の色調を決定したといっていい。ヒット映画なら、スピン・オフがありえたかもしれない。
そして桐生は、謎の少女、澤村遥と一緒だった。
桐生は、遥の母親を探すために、新宿を彷徨っていた。
澤村遥とその犬。桐生一馬が関わることとなり、物語の核である少女。ところで、犬は野良犬の設定。なのに丸々と太っているのはさすが新宿。
映画は、様々な場面から同時多発的に始まり、進行する。
それぞれがどんな意味と役割を持っているのか、まるでわからない。
ただ状況だけが過剰に迫り、強引に進行し、それぞれの登場人物が事件に巻き込まれていく。
新宿は日本国内でありながら、物語の中で極めて特殊な表現で描かれることの多い場所だ。日本でありながら、日本ではない、どこかハードボイルド的な世界を想像させる場所らしい。
登場人物たちは、どれも強烈だ。皆、それぞれに特徴を備えている。
そうした登場人物の中では、主人公の桐生一馬はあまりにもステレオタイプに見えて、むしろ埋没していくように見える。
出番も少なく、前半30分のあいだにほんの数回、顔を見せるだけ。台詞は、ごく一言二言だけだ。
いったい、何が起きようとしているのか。
すべての状況は、間もなく桐生と遥を中心に移し、結集していく。
写真だけ見ると、往年のヤクザ映画の雰囲気がある。だが、実際はそれとは別物。なにもかもぶっ飛ばすような奇妙な映画だ。ゲーム中の必殺技を再現しているシーンもある。どこかミスマッチな映画だが、はまり込んでみると面白い。
舞台は新宿で、ヤクザものの映画だ。
だが、妙にコミック的で、ユーモアのある映画だ。
暴力シーンでも、一見、往年のヤクザ映画の迫力だが、どちらかといえば役者の鮮やかな動きを捉え、モーションの一つ一つを描き出そうとしている。暴力というより、ダンスのようだ。
それに、奇妙なエフェクトがしばしば登場し、ナンセンスなユーモアが加わる。
『龍が如く 劇場版』は様々な事件が起こるが、合理的な繋がり方をしない。
奇妙な描写に意識を捉われ、我々は何かひとつずつ掛け違えたような、嫌なもどかしさを感じる。
しかし、強引な展開が次々と迫り、強烈なシークエンスが画面を覆い、そのうちにも「もう、どうでもいいや」と思うようになってくる。
「面白い!」と思うようになった頃には、すでに三池監督の演出の手の内だ。
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作品データ
監督:三池崇史 原作:名越稔洋
音楽:遠藤浩二 脚本:十川誠志
出演:北村一輝 岸谷五朗 塩谷瞬 高岡早紀
〇〇〇サエコ 夏緒 加藤晴彦 哀川翔
〇〇〇田口トモロヲ コン・ユ 荒川良々
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