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■2012/08/28 (Tue)
ed9477ec.jpeg人生には絶望しかなかった。世界には絶望しかなかった。男は、絶望しかない運命に気付いてしまった。
望みも、願いもなかった。男は、絶望から逃れようとした。絶望から遠ざかろうと、あがき、うめき、もがき続けた。しかし絶望は男を掴み、殺し、喰った。
だから男は、世界のすべてを呪った。人生のすべてを呪い、恨み、妬み、世界のすべてを汚し、殺し、喰った。
気付けば、男はどん底にいた。何もかもが真っ暗闇の絶望だった。
そんな時、男は気付いた。自身を捉えていた絶望は、いつの間にか尽きて灰に変わり、空に散っていた。どん底の真っ暗闇に見えたのは――希望だった。

絶望を積み重ねて301回。ついに絶望は終わる。
最終巻の表紙を飾ったのは糸色望。一巡りして第1集のデザインに合わせた格好である。
あれ? 加賀愛はどこへいった??
連載が始まって実に7年。ギャグ漫画としては極めて長期にわたる連載であった。その間に目立った息切れもなく、どのネタもその時々の時代感覚を巧に取り入れ、決してペースを乱すことなく、読者を置き去りすることもなく(いやかなり置き去りにされたか)、作者自身のペースで走りきった感じである。
結論を先に持ってくるが、『さよなら絶望先生』はユニークな作品だった。というのもギャグ漫画の終わりというのはほとんどの場合、時代に追い抜かれて打ち切りだからである。あるいは作品の方向性が突然変わり、最初はギャグ漫画だったけど、後半はバトル漫画だった、というパターンである。
『さよなら絶望先生』は最後までギャグ漫画であった。しかし、無計画に時流を追いかけるわけでもなく、締め切りに追い立てられて見苦しく消化するわけでもなく、一見奔放に見えるギャグの積み重ねは実際には計画的な一貫性を持ち、意識的にコントロールされていたのである。
最後となった30集は、全ての秘密を開示する大きな一篇である。それでいて、これまで通りの1話完結のギャグ漫画の形式だけは決して失っていない。最後になって突然フォーマットが変わるというわけではなく、これまで通りの形式あえて絶対視しながら、それ以上の世界を、クライマックスを描き上げた。
画業20年、ギャグ漫画家20年の重さが、この30集で総決算された。ベテラン作家の旨味を存分に味わいたい1冊である。


第292話 入れ替えばや物語
affc3a37.jpeg「こ、これは……すごいことを知ってしまった」
その紙を手にした日塔奈美は、大儀そうに呟いて、その重大さに耐えきれないといった様子で頭をふらつかせていた。
「どうかされましたか?」
と声を掛けるのは糸色望。
「先生、これは大発見です。見てください!」
日塔奈美はバッと紙を突き出す。その紙には――、
  かとうあい
  あと●かい
「字を入れ替えるとこんなことに!」
奈美は重大そうに声を張り上げた。
が、糸色望は茫然と言葉を探りながら、
「…………。えーっと、国民のだいたい八割が知っているアナグラムですね」
何ともいえない白けた感じが漂っていた。
アナグラム。文字の配列をシャッフルして別の意味にする、言葉遊びのようなもの、である。(推理小説で露骨に発音しづらい変な名前を見かけたら十中八九アナグラムで、その登場人物が事件の最重要人物である)
例えば、
くめたこうじ→うめたじこく
ぬりえがすあなに→あぬすにえなりが
ルイ13世→声優さんいじる
等々。


第293話 ゲンソー先生
f42d5c97.jpeg街に偽札が出回っている。さっそく糸色望は問題の偽札を手に入れ、太陽に透かしてみる。
「これはまた、あからさまな偽札ですね」
透かしがない――という以前に、お札に掘られた人物画が、髪留めをした若い少女である。
こども銀行のお札みたいなもの。問題ないでしょう、と糸色望は判断する。
が、加賀愛は切り出しにくいみたいに目を伏せて続ける。
「問題は、このお札が本当に使えてしまっていることなんです」
「え?」
そう、この髪留めの少女のお札は本当に使える。なぜ?
そもそも1万円札になぜ1万円相当の価値があるのか。それはみんなが1万円の価値があると信じているからである。もちろん、それなりの権威があるからこそ、1万円は1万円であるわけだが、実際には曖昧で危うい共同幻想の積み重ねのうえに辛うじて成立しているだけの話である。
価値があると思っている。それは幻想なのである。
絵画の価値も、
株券も、
宗教も、
宝石の価値も、
美人の概念も、
原発の安全神話も、
AKB48の握手券も、
何もかも幻、みんなで夢を見ているだけなのである。


第294話 卒業と入学のあいだ
7d53d4ca.jpeg昭和86年度卒業式。
ついに卒業式の日がやってきた。みんな格好を整えて、しおらしく卒業式を進行させている。
が、
「皆さん、教室に戻ってください!」
制作スタッフの指示を受けて、糸色望が慌ててみんなに声を掛ける。みんなは不満の声を上げながら、教室へ戻る。
と、
3、1のへ
「えーっと……登校はグローバルな人材を育てるべくむにゃむにゃ……。次年度から9月入学となり、それに伴い6月卒業となりました」
時代の潮流である。慶応も早稲田も9月入学になる。しかし、だからといってずっと3年生というのも変なので、「3、1のへ」に変更となったのである。
「決して来週から始まる新連載が急遽ポシャって、引き延ばしを要求されているわけではありません」
教室の入り口で、必死にカンペ出して指示を出しているスタッフを横目で見ながら、糸色望は言う。
「とにかくここからは、心機一転新たな気持ちで、10週打ち切りの新連載のつもりで頑張りましょう!」
「8週です」
淡々と突っ込むのはあびる。
「8週打ち切りの新連載のつもりで頑張りましょう!」
慌てて糸色望は訂正する。
というわけで、あと8週。その間をいかに埋めるか。クラス一同による議論が始まる。


第295話 イン・ザ・クール
bdb906fc.jpeg4月2日。エイプリル・フールが終わった。
しかし――、
「安心するのはまだ早いです。奴がやってくる! エイプリルフールが去った後に! エイプリル・クールがやってくる!」
エイプリル・クール。直訳すると「4月カッコイイ」。
4月カッコイイは上京したての若者に多い。新しい環境に移行する4月、若者は格好つけたがるのである。
例えば、
「あ、芸能人!」
その声で、皆が振り向き、集まり、携帯のカメラを向ける。
が、その中で無関心に通り過ぎていく若者が一人。
芸能人を「興味ない」とスルーする。クール!
例えば、
電車の中。地下鉄路線図を避けるように目をそらす若者。
地下鉄路線図を絶対に見ない。クール!
他にも、
ティッシュをもらわない、当分スカイツリーには登らない、あえてスクランブル交差点を避けて地下から渡る。
上京して浮かれたい気分を敢えて抑える。浮かれない俺、カッコイイ。それがエイプリルクールである。
しかしそんな彼らに難題が一つ。
「AKB48前田敦子 卒業」


第296話 新・陳・人
7295de07.jpeg4月。それは始まりの季節。なので、
「心機一転。生まれ変わったつもりで頑張るぞ!」
目をキラキラさせて宣言するのは日塔奈美である。
「もう、終わりますけどね」
さらっと返すのは糸色望。
「せっかく決意表明しているのに!」
日塔奈美が不満げにやりかえす。
そんな日塔奈美をなだめるように小節あびるが振り返り、
「大丈夫。そんなこと言わなくても奈美ちゃん生まれ変わっているから」
諸説あるものの、人間の細胞はだいたい1年で全て入れ替わっている。だから理屈の上では、現在の日塔奈美と1年前の日塔奈美は別人のはずである。
ということは、
「つまり、毎年1人ずつ、日塔さんは死んでいるです」
生まれ変わった、ということは生まれ変わる前のその人は死んでいるはず。
死んでいるならば、
「ちゃんと、供養はしたの?」
背後から木津千里が重々しく声を掛ける。
「供養って?」
怯えながら奈美はゆっくり振り向く。
「もちろん昨年の奈美ちゃん。まさかしてないの? ご先祖、ご先自分の供養はきちんとしないといけない。」
というわけで、日塔奈美(去年)の告別式が始まる。


第297話 (あと)五回の憂鬱
1e2f47a0.jpeg「大変ですお兄様! 縁お兄様がとんだご商売を!」
顔に汗を浮かべながら飛び込んできたのは糸色倫。糸色望は倫が持っていたビラを受け取る。
【訳あり結婚相談承ります。糸色縁 結婚相談所】
「縁兄さん離婚弁護士だろ! 結婚相談所ってどういうことですか!」
ビラには住所も書いてある。糸色望は、さっそく問題の場所へ向かった。
そこは随分な山奥である。叢林を掻き分けた長い石の階段を上りきったところに、由緒のありそうな古刹が建っている。
糸色望は倫を連れて門をくぐっていく。誰も居ないのか。いや、声が聞こえる。声に導かれるように廊下を進んでいく。すると【結婚式会場】と書かれた立て札が置かれていた。その中へ入ってくと、
葬式? 白い布に覆われた祭壇の上に、喪服の男女の写真が置かれている。写真は故人であることを示す黒い帯が被せられていた。
「これのどこが結婚式なのですか!」
驚きの声を上げる糸色望。
それに応える声が一つ。
「冥婚。つまり、死後結婚の式場だ。めでたい席だ」
異様な重さを持った太い声。振り向くと、男が一人。注連縄を手にして、鋭い目線をこちらに投げかけていた。糸色縁。糸色家から絶縁されている長男である。
これは『死後結婚』だ。結婚もできず若くして亡くなった男女を不憫だろうと、死後結びつける儀式。その風習は日本のみならず世界各地に見られる。
しかしなぜ死後結婚なのか。縁は離婚弁護士のはず。
「死後婚は離縁なのだよ。浮かばれぬ魂がこの世との縁を絶つ、離縁なんだよ」
ところが、近年は生前の本人の嗜好を尊重する傾向がある。それで、二次元美少女との死後婚を希望するケースも増えているようだ。


第298話 ようこそ絶望先生
e57eee0c.jpeg「席替えだって」
クラスの一同が朝からばたばたと机の配置を入れ替えている。
しかし今日は卒業式。そんな日に席替えをしても意味がないのでは?
「先生の指示が、黒板に書いてあるよ。」
木津千里が疑問に答える。
「漢字間違っているし。」
千里が黒板を振り向く。
――籍替え
籍替え。席替えではなく、学籍が変わるということなのだろうか?
「じゃあ、もしかして机動かし損?」
日塔奈美が軽く憤慨した声を上げる。
それでも千里は、どことなくすっきりした顔を浮かべていた。
「んー。まあでも、綺麗に整列されたからいいよ。」
振り向くと、教室の机はぴしっと整えられ、気のせいなのか清々しい空気すら漂うようだった。
そこに、少女が一人教室に入ってくる。
「みんな。もう行かないと」
入ってきたのはセーラー服姿の小森霧である。霧もどことなく晴れ晴れとした明るい表情を浮かべていた。
クラスの一同が体育館へ向かう。体育館はステージに向かって椅子がきちんと整列している。今度こそ本当に、卒業式である。
壇上に、糸色望が上がる。
「それではこれより、卒業式授与を行います。呼ばれた者は壇上へ」
言いながら、糸色望は壇上に置かれた証書の束を整えつつ、教え子たちの一同に目を向ける。
まず最初の一人目――。
「千陀新院柚里真線童女」
「はい」
立ち上がったのは木津千里だ。木津千里は壇上に上がり、卒業証書を受け取る。
「離無院巣徒乙家童女」
「はい」
次は常月まとい。
「活腐離院美異絵路童女」
「はい」
藤吉晴美だ。
「申訳無院愛夢想梨童女」
「はい」
加賀愛。
「釈貴院達流真式童女」
「はい」
大草麻菜実。
「双寿志院十機芽空童女」
返事はないが音無芽留だ。
「彩万院蘇卯酉楓童女」
「はい」
木村カエレ。
「炉供院霧番月都童女」
「はい」
小森霧だ。
小森霧が壇上まで進み、卒業証書を受け取る。その通路を、うろペンがずらりと並ぶ。その横顔が陰陽の太極図になっていた。


第299話 絶望の組と幸福な少女たち
ce7d6ff0.jpeg卒業式が終わった。7年間一緒だった少女たちとも別れて、糸色望は1人静かに学校を去って行く。すでに次の赴任先が決まっていた。その場所は本土から離れた小さな島である。
その糸色望を追いかけていく糸色交。
小さな島だ。すぐに糸色望を見つける。しかし、
「全部で3人?」
「ヒロシはまだ生きているから3、1人だよ」
「そうですか。卒業、させてあげないとね」
そんなやりとりを目にする。望は、いないはずの誰かの肩に手を置くように、手を空中に浮かべていた。
「ヒロシなんていないじゃん! 何だよ3、1人って!」
交は怯えた声で叫んだ。
「現世からの卒業。未練があり漂っているヒロシくんの魂を、この世から成仏させてあげるのです」
そう、これこそが糸色望の本当の仕事だった。学生のうちに死んでしまった霊に授業を受けさせ、卒業させること。一つの除霊。糸色家の本当の姿でもあった。




第300話 私たちの知っている可符香ちゃんは天使みたいないい子でした
9809cc5f.jpeg糸色医院。
鞄を持って玄関をくぐろうとする糸色命を、男が引き留めていた。男はハンチングを被り、上着を手に掛けた、涼しそうなシャツ姿だった。
男は身分を名乗りつつ、警察手帳を糸色命に見せる。
「話を聞かせてくれませんか」
通報したのは誰なのかわからない。ただ警察の不信は明白な一点である。
いつの間にか姿を消していたあの少女――風浦可符香はどこへ行ったのか。いや、そもそも風浦可符香とは何者だったのか。
出身不明、住所不明、年齢不明、本名不明……。そしていつの間にか、教室から姿を消していた。
最後の謎。風浦可符香。糸色望のクラスの中心人物であり、確かな実在感を持ちながら何もかも不明、そんな人物がどうして姿を消してしまったのか。
舞台は取調室へ移り、調査が始まる。連れてこられたのは、事件の最重要人物であると目される2人。糸色命と、新井知恵だ。
2人は淡々と、事実を解説していく。
2のへというクラスは何だったのか。2のへの全員が過去に受けていたある手術……。それが、風浦可符香という少女の秘密を明らかにしていく。

さよなら絶望先生総合目次ページへ

漫画・著作:久米田康治
出版・編集:講談社
連載・掲載:週刊少年マガジン





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これ以降は結末に関する記述があります。















f3863b87.jpeg293話より
「幻想共有ソフト」
かつての迷信がそうであったように、現代においてもやはり根拠不明、正体不明の共同幻想が人々のあいだで信じられている。
その一つ。
「ニート 働いたら負け」
この「働いたら負け」にはもちろん元ネタは存在するわけだが、皆どこまで信じているのだろう? どこまで本気にしているのだろう?
初めは確かにネタだったはず。どこかの番組が露骨な悪意を持って描写してみせた秋葉原住人の、ある一人の発言が元ネタとなっている。発言者ももちろん本気ではない――突然テレビカメラを向けられて、無理矢理ひねり出した不器用なユーモアか何か……。実際、この発言者はちゃんと仕事に就いているらしい。ジョークだったはずなのだが……。
いつの間にか、このジョークを「本気」にしてしまい、このジョークを「本当」のニートの一般像と思っている人が現れ、それがいつの間にか一般常識として広まり……。
都市伝説なんて、そんなものかも知れない。
かつては情報がないゆえに迷信が生まれたが、今はジョークと現実の区別が付かないことによって「共同幻想」が作られているような気がする。
現実と非現実の区別はきちんとつけたいものだ。
かつては、ゲーム世代を揶揄する意味で使われていた「お前は現実と非現実の区別が付いていない」。しかし今では、情報の選択ができない頭の残念な人が本格的に現実と非現実の区別が付けられなくなっている。しかもその残念な人、というのが日本人の大多数の一般人だったりする。時代も変わった、というところか。


12ff2023.jpegいよいよ忘れられた存在になりつつある「さのすけ」。
上段は294話(38ページ)4コマ目
中段は295話(61ページ)9コマ目(一番最後)
下段は296話(77ページ)1コマ目
さのすけとは……多分そろそろ忘れられがちだと思うが、出典はラジオ番組「さよなら絶望放送」。そこで、スタッフが悪ノリして作られたのがさのすけである。
現在は日塔奈美を担当した声優・新谷良子が引き取り、D社のキャラクターと一緒にベッドの脇に飾られている。




34a5da04.jpeg294話より
ギャグとして書かれた風景画。ギャグとして書かれたページだが、なかなかの描写、雰囲気も出ている。この描写が実は最終話に向けた描写だとわかると、さらに感慨深い。
次回作はこの方向性を期待したい。

週刊少年ジャンプでの復帰を期待しよう!






42722bc5.jpeg294話のおまけページより
2のへ教室にいた、男子生徒の役割についても物語の最後に解説される。
2代目絶望先生が登場したのは、第13集121話と122話。まさかの“伏線”である。

しかし、終わりに向けて完全に姿を消した生徒も数人。臼井影朗と木野国也の2人だ。この2人には他のモブ男子生徒ほどの役割は与えられ61d68544.jpegていなかったようである。
4bc13e64.jpegと思ったら、臼井影朗いた。292話(16ページ)5コマ目。小さいので気付かなかった。
294話には天下りさんもいた。この人、最後まで教室に居座っていたようである。
根津美子と丸内翔子の2人も出ていないが、もともと影の薄かった2人だから別に良いだろう。


295話より
802ce2a8.jpeg扱いが難しいだろう、と思っていた丸井円。まさかの場所で再登場である。これが最後の出番となったわけだが。……台詞もなかったし。















296話より
誰だよ、こんな左翼の過激派を総理にしたのは。
ああ、日本国民の大多数か
dc5a1e83.jpegテレビに踊らされて、何が正しいかわからなくなった日本人の末路が今の状況、というわけだ。ほとんどの人は、テレビに踊らされている、とすら思っていないわけだが。(民主党に騙された、と思っているがテレビに騙された、とは思っていない)
多くの日本人にとって、テレビは神様である。テレビが言ったことは真実、テレビが言わないことは嘘。テレビが囁くと、信頼ある友人の言葉のように力を持ってしまう。
そして、テレビが言っていたことを、あたかも自分がはるかな以前から考えていたようにすら錯覚しはじめ――いつの間にか自身の意思がテレビに飲み込まれていることにすら気付かない。



297話より
341cfa36.jpeg冥婚(Wikipedia:冥婚
最後の最後で、ようやく登場した糸色縁。キャラクターデザインができていなかったから……というわけではないだろう。
糸色縁。絶縁の名が示すとおり、離婚を専門とする弁護士、という設定である。それが、唐突に訳あり結婚相談所を開設する。それも、死後婚。死者同士を結婚させる儀式である。
意外にも、死後婚の風習は世界的に見られ、歴史もかなり古いようだ。有名な民話のなかにも、しばしば男女が死んだ後に結ばれる結末が描かれるが、これも死後婚の1つの事例である。
実際の裁判でも認められている例がフランスにあるようだ。
ceb7b261.jpeg





で、フランスの場合はともかく、それ以外の例では特に法律も絡まないそうだから誰と勝手に結婚しても良いそうだ。
例えば二次元との結婚も。
二次元か。ふむ、なかなかいい風習である。重婚もOKなら、あの娘とあの娘と……ふむますますいい風習だ。
しかし死んでもう肉体もないわけだから、夫婦生活の実体はないのだが。せめて子作りだけでも……。


5e498be8.jpeg298話より
小森霧の制服姿はたぶん初めてではないだろうか。やはりセーラー服姿は可愛い。それに7年目にして初めて、というのが新鮮である。
常月まといも久しぶりに制服姿である。ストーカーではなく、普段の学生に戻った、というところだろう。
ここでは貴重な小森霧のセーラー服姿を集めた。

木村カエレも初めてとなるセーラー服姿だが、まあこっちはいいや。














06b4b30d.jpeg299話より
完全デトックス(第5集42話)の絶望少女たち。いや、もう“絶望”ではないのだが。
毒が抜けたため、みんな清々しい表情で、絵も毒抜けを現すために全員真っ白なワンピースを身につけている。
小節あびるはここではまだ包帯を少しだけ残しているが、間もなく包帯も眼帯もなくなる。毒が抜けたからか、左目と右目の色の違いなどの設定も消えた。
背景、衣装、ともに29集286話と一致する。29集の段階で、最終話の見立てが完全にできあがっていたことが証明された。



7e81d7e5.jpeg301話より
最後の最後で正体が明かされる木村カエレ。木村カエレはどこの帰国子女だったのか。
どうやら外国ではなく、離島だったようだ。
それにしても、いったいどこなのだろう。方言を見ると、どうやら九州のようである。久藤准が引き取られていたといういう教会は長崎だろう(漫画に書かれた教会は、現存するどの教会とも一致しない。が、よく似た教会は長崎に実際にある)。キリシタン神社やマリア観音なども、長崎のものである。
とすると最後の舞台は長崎。離島とあるから、長崎に近い島だろうと推測される。


e301b53a.jpeg30X話より
最後の最後でもう1人、正体が明かされる。
陸瑠羽子
初めて登場したのは第6集53話。「レシピの通り」のネタで登場。それ以降、一般女性の代表として、たびたび物語に登場するようになった。
というより、もう漫画も終わりだから、キャラクターを固定してしまっても問題ないだろう、というのが本当の事情だろう。



終わってみると、絶望先生はギャグ漫画としてユニークな作品だった。
始めに書いた通り、ほとんどのギャグ漫画には終わりというものがない。いつか唐突に打ち切られるだけである(人気があればいつまでも続く)。物語はどこか中途半端に放り投げたまま、作品がその時点でふっつりと途切れてしまう。いや、そもそもギャグ漫画には“物語”がないのだから、そこで終わってもそこが終わりでなくても構わないということになっているのだが。
(余談だが、漫画の問題は「人気がある限り連載し続ける」ことにある。作者としてはもう物語として終わっていても、人気があれば無理矢理でも連載が続けられてしまう。だから作家はどこが漫画の終わりなのか自分で想定できない。これが漫画から物語としての力を確実に衰退させた、と私は考える)
絶望先生がギャグ漫画としてユニークなのは、明らかに結末を想定した上で、結末を逆算して物語が練り込まれていたということ。いや、ギャグ漫画だから“物語”ではなく“ネタ”が練り込まれていた、と表現すべきだろう。
伏線とは何か。よく見られる間違いが、物語後半に明かされる諸々を読者に対してほのめかすこと、だ。この間違えた事例では、無意味にエピソードを消費し、最後になって「実は~」と言い訳のような解説が入る。そうした作品に、物語が持っている力――エモーションは皆無である。
正しい伏線とは、物語の最大のクライマックスに向けた準備段階を作ることである。物語と登場人物の最終的なクライマックスを描くために、そこに至るまでの理由と、それぞれのキャラクターが背負っている経緯を解説し、その先にあるべきドラマを描くための導線を作る。読者の心理を最大限に引き寄せかき乱すために。そのための準備段階として、伏線があるのである。

3c93902a.jpeg絶望先生のユニークさは、この伏線が毎回大量に繰り出されるネタの中にひっそりを紛れ込ませ、物語の終わりに向けた準備をしていたことである。
例えば293話では、「共同幻想」がテーマに描かれた。共同幻想、みんながあるあると思っていると、本当にそれがあるように思えてくる。「明らかに存在しない」はずの人物がいたとしても、皆で信じれば存在するものとして社会が回り始める。

この293話の中で、そんな共同幻想もいつか終わることが仄めかされる。
「共同幻想といえど幻想……。いつかは壊れてしまうもの。私たちがこの世界にも当たり前のように朝が来て夜になると皆信じているけど。ある日突然全てが無に帰するかもしれない」
これは物語の半ばで、ふらっと姿を消した風浦可符香を仄めかしている。共同幻想はいつか別の形に変容する。神は不死ではなく、少しずつ姿を変えるのだ。皆が当たり前のようにいると思い、接していた風浦可符香も、いつか記憶のどこかに消滅してしまう。といっても完全に消えるわけではなく、その人間の無意識の意思の一つとして残留するのである。

294話。
290話で小節あびるが左目でクラスメイトを見て以来、突然姿を消した風浦可符香。
e9294914.jpeg294話では風浦可符香らしき少女がほんの2コマ描かれる。しかしその姿は完全にコマの外に見切れている。あの特徴的な髪留めすら描かれていない。
風浦可符香の存在が、早くも忘れられた存在になりかけていることを示唆している。
(バーベキューでまたしても太った奈美ちゃんにも注目したい)

296話では生まれ変わりについて語られる。生まれ変わりの説明は、293話の延長上にあるもの。みんな同じように思えて、少しずつ、それでいて確実な変化があることが示唆されている。
この296話では、臓器移植による記憶転移についてが説明されている。完全に最終話を想定した準備としての解説である。

7ba09945.jpege06d6382.jpeg300話。ついに風浦可符香がはじめから存在していなかったことが明らかにされる。
風浦可符香――赤木杏はすでに死亡している。死後、臓器は絶望少女たちに移植された。風浦可符香の臓器が移植された絶望少女たちは、次第にある少女の存在を夢想し、その夢想を共有するようになった。それが風浦可符香。
その風浦可符香の存在を現実的なものにするために、絶望少女たちが交代で89c72a9a.jpeg風浦可符香を演じていた(26集258話で「輪番停電」をテーマにした漫画が描かれたが)。赤木杏の臓器を受けたレシピエントの中の誰かに、赤木杏の意識のようなものが宿されていたのである。

また、297話、糸色縁が初登場するエピソードでは死後結婚について解説される。
死後結婚により、浮かばれぬ魂がこの世との縁を絶つ。死んだ魂の浄化、除霊についてがここで説明されている。
c39cacce.jpegこれはそのまま、糸色望の本当の職業について示唆している。糸色望も霊媒師であった。卒業できずこの世にとどまってしまった学生を卒業させる教師。というより、糸色家自体が霊と深い関わりを持つ一族であったことが明らかにされた。
絶望少女たちの本当の役割は霊を媒介するためのイタコや巫に相当する存在。2のへの生徒たちは除霊のために集められた生徒だったわけだ。(右絵は第2集13話に描かれた“宇宙の真理”に装飾が施されたもの)
30集で全ての疑問と謎が明らかにされた。一見無駄に羅列されたと思われていたネタの数々は、すべてこの結末を描くための準備だった。

ここで、邪推を一つ
もう1人いたのではないだろうか。
29集282話で、日塔奈美が木津千里に似た誰かを目撃する。
30集296話では、日塔奈美が2人登場する。
絶望少女たちが全員で交代で風浦可符香を演じていた、というのが物語の真相だが、その逆で絶望少女たちが別の絶望少女を演じていた、という話は出てこない。
しかも、296話に登場した偽日塔奈美は、音無芽留の目には風浦可符香に見えていた。
282話に登場した木津千里に似たあれは誰だったのか。
296話に登場した日塔奈美に似たあれは誰だったのか。
そして漫画の最後、301話に登場したウエディングドレスを着た少女は誰だったのか。(「あなたは誰の中の可符香さんですか?」という台詞があるが、絶望少女たちはすでに可符香という人物を忘れている
これまで、全員が風浦可符香が演じていた、ということになっていたが、それでは説明ができない場面があるように思える。それだと、どうしても1人足りない。
全員でいると思っていた幻の少女――風浦可符香。
「あまりにも周囲で見たという話を聞くと、やがてその存在を信じ込んでしまい、見えていないものまで脳が見せてしまうのです」(30ページ)
いや、これは幻ではなく――いたのではないだろうか。赤木杏ではなく、風浦可符香が。
11ac817c.jpeg
物語の後半にかけて、一気に伏線回収を図った絶望先生。しかし、いかにもドラマチックな演出が作られたわけではなく、あくまでも絶望先生という独自のフォーマットのなかで描かれた。絶望先生は最後まで絶望先生だった。絶望先生という形の中で、クライマックスが描かれた。
ギャグ漫画はいつか打ち切られるジャンルである。あるいは作者が挫折するものである。結末がないのがギャグ漫画だ。
しかし絶望先生は物語の全体像があらかじめ構想され、結末に至るまでの物語はクライマックスを描くための準備として構成され、何もかもが作者の完全なコントロールによって物語は完結へと導かれた。絶望先生は自らの意思で終わりを見つけ出し、その最終目標に向かって進み続けた作品である。
ギャグ漫画としてみれば、いやギャグ漫画でなかったとしても、絶望先生は類似のないユニークな1本となった。
絶望先生は最後まで、絶望先生であり続けた。絶望先生のままで終わった作品である。



男は、絶望していた。
世界は絶望しかなかった。世界は呪われていた。人生は苦しみしかなかった。
望みも願いもなかった。男は、絶望から逃れようとした。絶望から遠ざかろうと、あがき、うめき、もがき続けた。
しかし絶望の爪先は男を強く鷲掴みにし、決して放さず、殺し、喰い、捨てた。
だから男はこの世界の全てを呪った。人生を呪い、恨み、妬み――世界の全てを陵辱しようとした。
気付けば、男はどん底にいた。何もかもが真っ暗闇の絶望。どこにも進めない。終わりの世界。
そんな時、男は身を包んで離さなかった絶望が、いつの間にか尽きて、灰となって散っていたことに気付いた。
いつの間にか絶望は終わっていた。
そして真っ暗闇のどん底に、希望がいて――男の側に優しく寄り添っていた。

絶望は終わっていた。
そして希望だけが残った。


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