
くりむ「思い出は、漫然と生きているだけでは、生まれないのよ!」
桜野くりむがいつにもまして力強く振り付けを交えながらお題を宣言した。
が、生徒会室の一同は沈黙して、言葉を返さなかった。
くりむ「というわけで、そろそろ学園祭のテーマを決めたいと思うの」

真冬「あの、学園祭って秋にやるんじゃないですか」
知弦「碧陽はテーマだけ先に決めて、夏休み前に生徒たちに発表するのよ」
くりむ「各クラブはそのテーマに合わせて企画を決めるんだよ」
真冬「そうなんですか」
椎名真冬はちらと姉の
椎名深夏を見る。深夏も真冬に視線を返した。
鍵「会長!」
杉崎鍵が勢いよく立ち上がりながら挙手した。
くりむ「な、何?」
鍵「今年のテーマは“淫ら”がいいと思います」
くりむ「さっそく来たわね」
鍵「最高にテンション上がるテーマじゃないですか! みんな淫らに、開放的に……」
くりむ「そういう開放はいらないよ!」
鍵「合掌コンクールの課題曲は喘ぎ声を女子のみで」
くりむ「そんな学校、即廃校になるよ」
鍵「メンバーはもちろん、女子メンバーがいなければ出演は認めません。衣装はそうだな……、バニー辺りがいいっかな」
くりむ「私を見て言わないで!」
鍵「
大丈夫です!バニーが校門でチラシを配っている学校もあるんですから」
くりむ「
それはSOS団!」

鍵、独断で“淫ら”と書いた紙に生徒会承認判子を押す。
鍵「承認」
くりむ「ああ!」
鍵「じゃあ、職員室に行って……」
深夏が扉の前に立ちはだかる。

深夏「鍵。あたしという壁を忘れちゃいねえか」
鍵「深夏、悪いがこれだけは……」
深夏「はあー、ラスト!」
深夏の掌が金色に輝いた。
鍵「うわー!」

鍵は瞬時に灰となって崩れた。
深夏「さ、一番の問題が灰になったところで、会議を進めようぜ」
椎名「お姉ちゃんにこんな力があったなんて……」
くりむ「じゃあ、みんなでテーマを言っていこう。まずは深夏から」
深夏「おお。やっぱり熱血……」
くりむ「知弦なんかある?」
知弦「暗黒集会……」
くりむ「真冬ちゃん!」
真冬「真冬はボーイズ……」
くりむ「しょうがないわ。じゃあ、私の……」
知弦・深夏・真冬「却下!」
知弦「発言前に封じていたら会議にならないわよ」
くりむ「お互い知りすぎているというのも問題ね」
突然、生徒会室に竜巻が巻き起こった。灰が吹き上がり、実体を持って着席する。
鍵「やはりテーマは“淫ら”で」
くりむ「復活した!」
知弦「真冬ちゃん」
真冬「え? あ、はい」
知弦「さっきの以外で何かテーマある?」
真冬「真冬は、そ、そうですね。“競争”とかどうでしょう」
鍵「“競争”?」
真冬「はい。催しものの美しさ、出店の食べ物のおいしさとか、ぜんぶ競争にしたら面白いんじゃないでしょうか」
知弦「確かに、合唱コンクールも競争と言えるし」
深夏「ということは、各教室ではトップを巡る激しい戦いが……」

真冬「いえ、各教室にはすべてテレビゲームを設置なのです!」
鍵「一気に趣味の世界……」
真冬「各教室ごとに格闘、シューティング、RPGとジャンルを分けて設置し、ハイスコアを競うんです」
真冬は目をキラキラさせながら、うっとりと言葉を続ける。
鍵「大きめのゲーセンですね。わかります」
真冬「出店も基本、そっち関係で飲み物はポーション、食べ物は薬草……」
鍵「どれだけダメージくらう設定? っていうか、競争関係なくなってるし」
真冬「もちろん学校には魔物を放ちますので、エンカウントします」
鍵「死人が出るって!」

くりむ「仕方ないわねえ。今度は遮らないから、深夏」
深夏「そうだな……。やっぱり熱血バトル!」
くりむ「わかってたけどね」
深夏「まず学園祭参加チケットを手に入れるには、予選バトルロイヤルで生き残る必要があるんだ!」

鍵「よし、次……」
深夏「聞け!」
深夏が激しくテーブルを叩く。
鍵「もう、どう考えてもひっくり返らないから。この展開」
深夏「遮らないって約束だろ?」
鍵「時間の無駄だと思うな~」
深夏「一日目は学校を舞台に、参加者たちがお互いのタグを奪い合うんだ。タグは一枚ずつ渡されるけど、終了時点で2枚持ってないと、2日目には進めない!」

鍵「王道だな~。少年誌の」
深夏「鍵みたいのは、「よう、タグくれよ新人君」と絡んだ結果、実は物凄く残忍だった新キャラに瞬殺されるパターンで」
鍵「どんだけザコなんだよ、俺?」
深夏「私は、優勝候補と目される前年度の強者と運悪く遭遇してしま

うんだが、辛くも勝利! 「あいつ、予選のときより強くなってやがる。闘いの中で成長しているとでも言うのか!」みたいな!」
鍵「完全に深夏主人公だよな、それ」
深夏「そして物語は2日目。学園祭崩壊編と……」
鍵「崩壊させんな!」

とそこに、
真儀瑠紗鳥(まぎるさとり)がががらりと扉を開けて生徒会室へと入ってくる。全員が真儀瑠を注目する。
真冬「先生?」
真儀瑠「……伏せろ!」
いきなりの警告。生徒会の全員が慌てて床に飛びついた。

が、
鍵「え? 何ですか?」
真儀瑠「特に理由はない」
鍵「ないのかよ……」
真儀瑠は奥のオルガンの前に進み、鍵盤にもたれかかるように座っ

た。
真儀瑠「何か普通に議論していたのでな。打ち砕いてみた」
鍵「何のために!」
くりむ「ていうか、真面目に議論してないし……」
真儀瑠「議論するなら、できれば鉈とバット持参で始めてくれるとありがたいんだが」
鍵「何を淡々と言ってるんですか?」
真儀瑠「フッ。雛見沢に転勤になるのが夢さ」
鍵「早くその夢かなえちゃってください!」
真儀瑠「まったく、顧問の愚痴も聞けんのか、お前たちは」
知弦「それで、何の御用ですか?」
真儀瑠「学園祭のテーマはどうなっているか、職員室で追求されてな」
知弦「すみません」
真儀瑠「で、“淫ら”です、って答えておいた」
鍵「俺、先生に会えてよかった!」
真儀瑠「嘘だ」
鍵、勢いを挫かれて無言で崩れる。
深夏「でも早く決めねえとな」
くりむ「知弦。何かない?」

知弦「そうね。じゃあ、……“痛み”とか」
鍵「やっぱりそっちですか」
知弦「出店は全てカキ氷。しかも一気食いオンリー」
鍵「こめかみ痛ァ!」
知弦「そしてBGMは発泡スチロール擦り合わせ音と、黒板引っ掻き音をサンプリングした、非暴力音声芸者によるノイズだけリミックス」
鍵「全身に、鳥肌が……」
知弦「演劇部はお父さんが必死で働いているにも関わらず、学園祭で遊び続ける高校生の物語」
鍵「ああ、胸が、胸が痛い!」
真儀瑠「なるほど」
鍵「なるほど?」
真儀瑠「しかし紅葉。まだ手ぬるいな。もう少しこう、トラウマに働きかけるような何かが必要だ」
知弦「さすが先生。私もあと一歩と思っていたところです」
真儀瑠「しかし、“痛み”というテーマは悪くない」
知弦「ありがとうございます。では、テーマはそれで」
鍵「ちょ、そんなのらめぇー! なに本気でやろうとしてんすか。駄目に決まってるでしょう?」
知弦「いいテーマだと思うけど……」
真儀瑠「前から思っていたが杉崎、お前の考えはどうも常人から逸脱している」
鍵「道を踏み外しているのはそっちです! 俺は、俺は! 健全はハーレムを目指しているだけです!」
くりむ「そこで杉崎がボケるとわけわかんなくなるからやめ!」
真儀瑠「さて、他の教師も帰った頃だし、職員室に戻るか」
鍵「単なる暇つぶしだったんですね」
真儀瑠「テーマをせっつかれてるのは本当だ。明日までに考えておけよ。もう夏休みだ」
真儀瑠が入口際で、深夏と真冬を振り返った。深夏と真冬が暗い顔で視線を交わした。知弦がそんな二人から何かを察する。
くりむ「さあ、早くテーマ決めちゃおう。“甘いもの”なんてどう?」

知弦「待って。その前に、別の議題がありそうよ」
深夏「…………」
真冬「お姉ちゃん」
深夏「やっぱ無理か。言わないままにしようと思ってたんだけど。――あたしたち、転校することになったんだ」

くりむ「へ?」
くりむが首を傾げる。
鍵「転校?」
深夏「ほ、ほら、うち、母子家庭だろ? でさ、母さんが再婚したいって言うんだ。内地の人と」
知弦「真冬ちゃんはいいの?」
真冬「はい。お姉ちゃんの決めたとおりにしようって……」
くりむ「じゃあ生徒会はどうなるの? 私と知弦だけじゃ成り立たないよ」
鍵「俺の存在? しょうがない。ここは俺が何とかしましょう」
くりむ「何とかって?」
鍵が立ち上がり、突然真冬の手を掴んだ。
鍵「結婚しよう! 真冬ちゃん! そして生徒会に残って」

深夏が鍵を突き飛ばし、真冬を掴んで走り出した。
真冬「真冬、杉崎先輩のこと、忘れるまで忘れません!」
鍵「待ってーー!」
深夏の前にくりむが立ちはだかった。
くりむ「深夏、もう一度考えて。転校したらもう2度と、2度とこんな素

晴らしい生徒会長に出会えうことはないのよ」
深夏「世話になったな!」
ぴゅーとくりむの横を走り抜けていく。
真冬「真冬、会長のことも今日の8時くらいまではきっと忘れません」
くりむ「待ってーー!」

くりむが知弦の膝の上に座り、がっくりとテーブルに突っ伏している。知弦がくりむの頭のアホ毛を弄っていた。
くりむ「あ~あ。高校生なんだから、2人暮らしでこっちに残ればいいのに……」
知弦「仕方ないわよ。家の事情なんだし……」

鍵「そうですよ、会長と違って、義務教育は終ってるんですから」
くりむ「……私も終ってるよ~」
鍵「ああ。突っ込みにまったく切れがない」
くりむ「杉崎が転校するなら大喜びなのにな~。……ハア」
鍵「溜息に時間を込めないでください」

知弦「キー君。キー君は受け入れたの? 転校」
鍵「…………」
くりむが思いついたように頭をあげた。
くりむ「そうだ! 真冬ちゃんは深夏の決めたことに従うって言ってたよね。じゃあ、深夏が残る気になれば……」
深夏と真冬の二人が生徒会室に入ってくる。
深夏「うぃ~っす!」
真冬「遅くなりました」

くりむが顔に汗を浮かべ、緊張した様子で待ち構えていた。
くりむ「だ、団結力というものは、時にゼンテの悪をウップする!」
正解:団結力と言うものは時に全ての悪を打破する!
くりむ「学園祭のテーマは、“熱血”に決めたから!」
深夏「え?」
くりむ「前に深夏にやりたがっていた戦隊ものの劇、あれやろう!」
真冬「え?」
深夏「で、でも……」
くりむ「タイトルは、『生徒会戦隊ガクエンジャー!』」
深夏・真冬「え~……」
ドン引き。
くりむ「どう、知弦!」
知弦「私に振るの?」
鍵「いや、むしろ生徒会とか学園とかに捉われず、『美少女戦隊ラヴレンジャー』」
深夏・真冬「…………」
無言で生徒会を去っていく。
くりむ「センスないなぁ、杉崎……」
鍵「あ~ん」

くりむ「じゃあ、まずは配役ね。レッドは当然、会長である私がやるとして……」
深夏「えー! レッドはあたしだろ!」
くりむ「え? だって、レッドて言えばリーダー。生徒会のリーダーは私でしょ?」

深夏が立ち上がり、テーブルを叩いた。
深夏「やだよ! チビッこいレッドなんて!」
くりむ「身長関係ないでしょ! じゃあレッドは私だ。深夏にはサンレッドあげる」
深夏「そっちはヒーローからほど遠い! つうかキャラ的にあたしだろ! 熱血のレッド!」
くりむ「私なんか名前が赤だもん。クリムゾンだよ?」
2人が口論している間に、杉崎が知弦の側へすり寄る。
鍵「会長、深夏を引き止めるためにやってるんですよねぇ?」
知弦「それを忘れちゃうのがアカちゃんでしょ?」

くりむが目に涙を溜めながら、激しくテーブルを叩いた。
くりむ「とにかくレッドは私~!」
深夏「しょうがねえな。じゃあ、次。当然、真冬はピンク。知弦さんはブラックとして……」
鍵・くりむ「当然?」
真冬「真冬たちそれだけ?」
深夏「だって他に膨らませようないだろう」

真冬「…………」
知弦「黒……。別に、私は構わないけど……」
知弦がくりむのこめかみを拳でぐりぐりする。
くりむ「え~、なになに~?」
鍵「次は、俺だな」
深夏「男だから、青、緑、黄色あたりか」
鍵「意表を突いて、ゼブラとか?」
深夏「それは単体でいたな」
鍵「レインボー!」
深夏「それも単体でいた」
鍵「よし。じゃあスケルトン!」
深夏「透け……。どんな衣装だよ! 猥褻物陳列罪か?」
鍵「じゃあ、ステルス迷彩で……」
深夏「それ、透明人間だろ? お前は100%悪用するだろう」
鍵「安心しろ。メタルギアの破壊にも貢献し……」
深夏「それはあの男に任せておけ」
鍵の頭に一発。鍵は頭に大きなこぶを作り、テーブルに突っ伏した。
くりむ「杉崎は青でいいとして、深夏どうする?」

鍵「普通に軍服でいいんじゃね?」
深夏「何であたしだけリアルレンジャーなんだよ!」
鍵「武器はマシンガンとサバイバルナイフ! 必殺技は、敵怪人の口の中に手榴弾を押し込む、木っ端微塵アタック!」
深夏「子供が見たら、トラウマになるわ! いいよ、黄色で。ただし、設定はこうさせてもらうぞ……」

N「史上最悪の魔物グルリエル。その力は神をも凌駕する化け物だった! もはや、神々に対抗手段はなく、全ての武器はことごとく破壊された。そんな世界の終末に、一人の人間が立ち上がった!
深夏「てやーーー!」

深夏が槍を手に飛翔した。魔物グルリエルが顔を上げる。深夏はグルリエルに向かって、槍を放った。
槍が怪物を貫いた。怪物は悲鳴を上げて、生命を失う。
N「非能黎明、椎名深夏! またの名を、ガクエンジャー……」
深夏「イエロー!」

深夏が勢いよく拳を振り上げる。
鍵「いやそれもう、イエローの領分じゃないだろう?」
くりむ「じゃあ次はお話」
真冬「お話はラストから組み立てていくって聞いたことがあります」
鍵「戦隊もののラストというと……」


N「怪人による学園の危機は、ガクエンジャーの活躍により退けられた。しかし、油断してはいけない。怪人は、今も君たちを物陰からこっそり伺っているかも知れないぞ!」
テロップ「よい子のみんな急にごめんね。また会おう!」
生徒会の全員がどよんどと沈んだ。
くりむ「あ、後味悪……」
深夏「打ち切り臭が目に染みて、涙が止まらねえぜ……」
真冬「真冬がガクエンジャーロボの玩具を買っていれば、こんな……」
知弦「やっぱり、ハッピーエンドじゃないとね」
鍵「そ、それなら任せてください!」

ベッドの上には鍵とくりむが横たわっていた。毛布の下は裸。2人は頬をほのかに赤くして、幸福に包まれていた。
N「結ばれた桜野くりむと杉崎鍵は、末永く幸せに、淫らな日々を送ったという」
くりむ「幸せじゃないよ!」
鍵「じゃあ……」

湖畔を背景にベッドを置き、生徒会全員が裸になって鍵を取り囲んでいる。
N「皆も淫らな日々を……」
深夏「余計ひどいわ!」
くりむ「ていうか、戦隊はどこいったのよ!」

ノートパソコンを開き、キーと叩く鍵。間もなく、文書作成が終了した。
鍵「じゃ、企画書はこんな感じで」
エンターキーを押す。
くりむ「変なこと書いてないでしょうね」
鍵「縦読みしなければ大丈夫です」
くりむ「したらどうなのよ!」
真冬「でも、これ上映するのが学園祭、ですよね?」
くりむ「そう。5人いなければできないよ」
深夏「会長さん……」
くりむ「碧陽学園生徒会は5人だもん。……昨日、家で考えたんだ。深夏と真冬ちゃんがいない生徒会。そんなの想像できなかった。だから……」

深夏「わかってる! ここが楽しいってことくらい、わかってるさ!」
深夏が突然立ち上がり、生徒会室から出て行った。
真冬「お姉ちゃん!」
くりむ「深夏……。どうしよう。もしかして、凄く怒った?」
真冬「いいえ。本当はお姉ちゃん、残りたいんです。でも、真冬とお姉

ちゃんは、本当のお父さんの顔、知りません。私たちが小さかった頃、出て行ってしまったんです。その後、お母さんには新しい恋人ができて、でも、それがお姉ちゃんは嫌で……」
深夏(子供)「おじさんと会うのはいいよ。結婚してもいい。でも、それ

はあたしと真冬には関係ない! 関係ないようにして!」
真冬「……それが切っ掛けで、お母さんとお姉ちゃんの間には、どうしようもない溝ができて、でも、お母さんは一生懸命、どんなに忙しくてもどんなに寝不足でも、毎日お弁当を作ってくれました。そんなお

母さんと、お姉ちゃんは仲直りしたいんだと思います。いま離れたら、きっと後悔するって……」
屋上。深夏が一人きりで欄干に寄りかかり、夕陽を見ていた。
ふと気付くとと、隣に鍵が立っていた。
深夏「うわっ! 何してんだよ!」

鍵「……萌えるな」
深夏「はい?」
鍵「深夏と真冬ちゃん、内地の学校の新たな制服姿……」
深夏「変な想像するな!」
鍵「腰に巨大なリボンをついて、スカートだけは、そう、3センチほど

の……」
深夏「ねえよ、そんなの!」
鍵「ないなら作れ! 毎週の楽しみなんだから」
深夏「毎週って……」
鍵「深夏と真冬ちゃんが転校したら、毎週そっちの生徒会の会議に

行くからさ。これ、スケジュールな」
鍵が紙を差し出す。深夏が受け取った。
深夏「お前、バカだろ。内地までいくらかかると思ってんだ」
鍵「いいバイト見つけた。自給1万!」
深夏「それ明らかにやばいバイトだろ! っていうか生徒会の仕事は?」
鍵「エコー・オブ・兄さんが……」
深夏「いねえし! だいたいあたしと真冬は転校するんだ。碧陽の生徒会メンバーでいられるわけねえだろ!」
鍵「安心しろ。ここは生徒会であり、そして同時に、俺のハーレムなんだから!」
深夏「鍵……。やっぱお前」
深夏が鍵の腕を掴み、一本背負いした。

くりむ「出会いと別れを繰り返して、人は成長していくのよ! 知弦~」
くりむは泣いて、知弦の胸に飛びついた。
知弦「よしよし」
生徒会室の扉が開いて、深夏と真冬の2人が入ってきた。

深夏「うぃ~っす!」
真冬「遅くなりま……あれ?」
深夏「どうかしたのか?」
知弦「アカちゃん、ほら。」
くりむ「うん。(顔を上げて)あたしたち、頑張って生徒会やっていくことにしたから。学園祭も、テーマ“祭り”にしたから」
深夏「祭り?」
くりむ「そう。今までの中で一番の祭りにするの。深夏たちのぶんまで、盛り上げ

て……」
深夏「……それ、いい! 燃えてきた!」
くりむ「へ?」
深夏「祭りのテーマが祭りなんだから、何でもOKってことだろう?」
真冬「じゃあ、真冬の企画も……」
くりむ「いや、あの……2人とも、転校するんじゃ、なかったの?」

深夏「するよ! 今年の生徒会が終ったら」
くりむ「はあ?」
深夏「母さんが、春まで結婚延期することになって。だから、その……。もうしばらく世話になるよ!」
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作品データ
監督:佐藤卓哉 原作:葵せきな 狗神煌
シリーズ構成・脚本:花田十輝 キャラクターデザイン:堀井久美
美術監督:東潤一 中村恵理 セットデザイン:青木智由紀
CGIディレクター:佐野秀典 色彩設計:松本真司
撮影監督:川口正幸 編集:松村正宏
音響監督:岩浪美和 音楽:かみむら周平
アニメーション制作:スタジオディーン
出演:近藤隆 本多真梨子 斉藤佑圭 富樫美鈴
〇 堀中優希 小菅真美 能登麻美子
★★★★(素晴らしい) ★★★☆(すごい) ★★☆☆(とても良い) ★☆☆☆(良い)
[0回]
生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録 第06話「差し伸べる生徒会」
椎名姉妹のお話でした