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■2011/01/24 (Mon)
おんなのこって なんでできてる?
~Roses are red、violets are blue~

放浪息子01 (1)制服。
ぶかぶかなのを買ってもらったはずなのに、なんだか、窮屈に感じるなんて。
首のところを見たら、プラスチックの、板みたいなのが入っていたんです。
ベタッとくっついて、ヒヤッとして……。
でも、ちゃんと着なくちゃ。今日から中学生だから。

――おんなのこって、なんでできている?

問いかけなのか独白なのか、物語はその言葉から始まる。

女の子の服に憧れる少年。男の子の服に憧れる少女。
似ているようで、なぜか交わらない2種類の感性。二鳥修一と高槻よしのは小学生時代、恋愛感情を持って結びつきかけたが、今は少し距離を置いている。といっても、関係が破綻したわけではない。“恋人”の距離からもう一歩遠ざかって、“親友”をやり直しているところだった。
7eeb1e02.jpg違う性別だけど、お互いの社会的性に憧れる2人――。近い場所にいて、同じ気持ちを共有して、お互いを必要としているのに、それ以上に接近する術をまだ知らないくらい子供の2人。
そんな2人が、中学校に入学するところから物語が始まる。
中学――小学生の頃と違って、社会が性の差を明確に区分けする047e6d94.jpg場所。本人の自覚や認識がどうであろうと、中学になると男は男、女は女という性の違いが明確に区別される。
しかし主人公である二鳥修一は、男でありながら女性という社会的性――とりわけ女性服に憧れを抱いている。一方高槻よしのは、男性服に憧れを持っている。
a8c7b2c2.jpgトランスジェンダーは本人が自覚している生物学的性と、社会が要求する性的役割と本人の意識が一致しない現象を指す。生物学的には男性だけど、本人の意識の中では女性。生物学的には女性だけど、本人の意識の中では男性。
だが、『放浪息子』が描いているのはどうやら性の不一致の問題で92915d90.jpgはないらしい。ただただ、異性という立場への憧れ。それを描いた作品だ。
a66be9ba.jpg二鳥修一と高槻よしの。自身の願望にためらいを持つ一方で、更科千鶴という男と女、社会的性を自由にスイッチを入れるみたいに切り替えられる少女がいる。5194a340.jpg二鳥と高槻の2人が「そうなりたい」と思う対象をあからまさに描き、対比を見せている。
詰襟はベタッと首にくっついて気持ち悪い。ぶかぶかのはずなのに窮屈で、息苦しいものすら感じさせる。あれを毎日着なくてはならないと考えた時、心底ゾッとした気持ちになる。
25a06fd0.jpg窮屈で息苦しくて、居心地が悪い。
それが現代の男性像――と、そう自覚している人は(多少は)いるかも知れない。
その一方で、女性は自由で解放的で、現代ほど快活に毎日を過ごしている時代はないだろう。
e5ff2e53.jpg街に出るとあらゆる場所で女性は優遇され、料金は割引になり、毎朝の通勤ラッシュの最悪の状態から抜け出られる。ファッションのバリエーションはもはや数えることが不可能なくらい多く、色彩は艶やかで、その細部は下着のレース、リボンの一つ一つまで徹底されている。
一方の男性は、社会的抑圧の強さは相変わらず変わらず、公共的な5cc4572d.jpg場所ですら立ち入り禁止を要求され、時には目視することすら社会道徳に反すると非難される。ファッションに至っては何の面白味も工夫もない前時代的な繰り返しを現代まで引きずっている。はっきりいって、オッサン臭い(しかも高い)
今、何よりも自由で何の社会的拘束も制限もなしに時代を謳歌してい79bb706a.jpgるのは女性なのである。女性は自由にファッションを楽しみ、美食に舌鼓を打ち、自身の美しさと教養の高さをどこまでも追及できる。生きることへの“ためらい”を持たないのが現代の女性だ。
そんな女性であることの自由さと美しさに憧れることに、どんな不思議があるのだというのだろう。
ddefb560.jpgオープニングシーンは背景のパースに合わせてスタッフクレジットが浮かび上がっているように見せている。この手法はデビッド・フィンチャーが『パニックルーム』で披露した表現方法で、瞬く間に世界中の映像作家が模倣しつくしたために《パクリ》と言わず《文法》として組み込まれた手法だ。この作品が実は技術的な高さに支えられているということを、暗に主張する場面となっている。(一般における《盗作》と《文法からの引用》の差とは何なのだろう?)
c4bee8a4.jpg現代は男性に何も求めていない。以前なら男性に社会的意義と責任を与えていた。
男性であるからには――結婚して、家を建て、車を運転すべき。あまりにもわかりやすい価値意識がそこにあり、その流れにうまく乗ってさえさえいれば、自分で考える必要もなく、価値意識の良い悪いを67f4dba7.jpg規定する必要もなかった。社会が良いと言ったら良い、悪いといったら悪い。かつての時代は、社会的刷り込みさえ了解していれば何も考えなくても感じなくても良かった。
だが、そんな都合のいい価値意識はとっくに崩壊した。そのくせに社会は、男性であることの立場や態度といったポーズを要求する。ぶ874a954e.jpgかぶかなのに、ひどく息苦しいものを感じさせる詰襟のようなそれである。
だから、もっと自由になりたい。性という絶対的な規範の向こう側へ飛び越えて、自身を解放させたい。今の自分は社会的性がそう要求しているから、上っ面だけで演じているだけだ。社会的な性は、もはや「抜け殻」のようなものでしかない。本当の気持ちは、男71656d9d.jpgであり続けることに――女であり続けることに、意義を見出せず飽きて疲れきっている。別の誰かへ――変身願望を充足させたい。
でもそんな心理的欲求を社会は決して受け入れない。ここぞとばかりに前時代的な権威主義が猛威をふるって、その個人と欲求を徹底的に陵辱し、破壊しようとする。
5e71086b.jpg「気持ち悪い!」――なぜ? 社会がそう規定しているから。あるいは、変化を前におびえて震えているだけ。
だから二鳥修一と高槻よしのの2人は、密やかにお互いの願望を満たしあっている。恋心も同時に一歩一歩進めながら。
d0bb29d0.jpg二鳥修一の姉、真穂は女装する修一に「気持ち悪い!」と問答無用のののしりを浴びせかける。社会の拒絶反応を極端な形で描いたものであり、ある意味、修一が内面的に抱いている後ろめたさを具体化したキャラクターだ。真穂は修一が「そうでありたい」と願っている全てを持った存在である。
774e33d7.jpg
映像が美しい作品だ。キャラクターの線はカーボン転写したセル画をイメージした線ではなく、鉛筆のざらつきをわざと残し、色の境界線には手塗りふうの塗りむらを残している。まるで、一枚一枚を筆で塗ったかのような柔らかい色彩だ。
f622f9f4.jpg背景は淡い水彩画風で、特に昼のシーンはフレームの四方と水平線が白く溶け込みさせ、ふわふわ浮かんだ印象を作り出している。夜になると一転して厚みを持った暗闇が描かれ、ディティールが持つ実在感を強めている。
dd515577.jpg動画は精密に描きこまれ、主要キャラクターが生き生き動くのは当然で、さらにどんな小さなモブの動きも《止め》を最小限にして妥協なく動きを与えている。暖かな印象で技術的な作品という印象を与えたない一方で、どこまでもハイレベル・ハイテクノロジーな作品だ。
そんな淡い印象で貫かれた映像の中を、キャラクターの独白と、ピアノの淡々としたメロディが彩りを与えている。混乱の少ない静かで淡々とした物語だが、淡い映像と独白とピアノの演奏が、思いがけないビビッドな心象風景を持った作品にしている。
最近のアニメーション作品では群を抜いて“美しい”と言える作品だ。間違いなく、今期最強のダークホースだろう。

放浪息子

作品データ
監督:あおきえい 原作:志村貴子
シリーズ構成:岡田磨里 キャラクターデザイン・総作画監督:牧野竜一
小物設定・衣装デザイン:松本昌子 メインアニメーター:サトウミチオ
美術監督:伊藤聖 美術設定:児玉陽平 編集:右山章太 色彩設計:大内綾
コンポジットディレクター:加藤友宜 CGディレクター:松浦裕暁
音響監督:明田川仁 音楽プロデューサー:佐野弘明
音楽:神前暁 岡部啓一 アニメーションプロデューサー:長野敏之
アニメーション制作:AIC Classic
出演:畠山航輔 瀬戸麻沙美 南里侑香 南條愛乃 井口祐一
   千葉妙子 豊崎愛生 水樹奈々 堀江由衣 松岡禎丞
   水原薫 本田貴子 宮坂俊蔵 小堀友里絵 高岡瓶々
   寿美菜子 鈴木恭輔 室元気 栗山拓也 佐倉綾音
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■2011/01/21 (Fri)
第1話 出会い

0f8be87a.jpg石垣で縁取りした通りの脇に、ベンチが一つ置いていた。クレインはベンチの前までやってくると、自転車を停めてスタンドを上げた。それからベンチに座り、IPodにさっき手に入れた戦利品のSDメモリーを差し込んでみる。
すぐにIPodがSDメモリーを認識した。古いものだけど、ちゃんと動きそうだ。クレインは背もたれに肘を乗せ、期待をこめて画面が何か表示するのを待った。
間もなくディスプレイにスタートウインドウが浮かび上がった。クレインはカーソルを動かし、OKサインをクリックした。すると、目の前に3D画像が飛び出してきた。
fed328f3.jpg「お、出た出た」
にわかに興奮してきた。クレインは背もたれにゆったりと体を預け視線を上げると、立体ウインドウを指先で目の高さまで持ってきた。
「……フラクタルは22世紀の科学を持ってネットワーク化された数兆の計算機の総体です」
0a80e386.jpgIPodから淡白な女のナレーションが聞こえてきた。
クレインは、がっかりした溜め息を漏らした。
「何だ、教科書か。音楽データだったらよかったのに」
クレインはもう興味をなくして、空中に浮かんだ映像から視線を外した。それでも古いデータは、記録された通りの映像と音声を続ける。
「フラクタル・ターミナルを体内に埋め込み、高高度浮遊サーバにライフログを定期的に送信することによって、全ての人々が平等に基礎所得を受け取ることができます。働かなくても生活が保障される、争いとは無縁の世界。フラクタルこそが人類が生み出した、22世紀の神なのです……」
ca6c751d.jpgクレインはぼんやりと周囲の風景に視線を投げかけた。淡い緑の草原は少し進んだところで途切れて、絶壁となって落ちている。その向うはなだらかな海の青が広がっていた。水平線には平和そうな雲がぽつぽつと浮かんでいる。少し寒いと感じるくらいの風が、ふわふわとクレインの体をなでていた。
「フラクタル・システムが確立されたばっかの頃か。古典もいいところだな」
ぼんやりと、教科書に対する感想を告げる。
……この教科書の望む未来は確かにやってきた。おっしゃるとおり、ほぼ快適。誰かと触れ合わなくても、大抵うまくやっていける。ちょっと退屈ではあるけど、これ以上の何かがあるとは思えないし……。
クレインはゆったりと背伸びして体をほぐすと、さらにあくびを浮かべた。見える範囲に人はいない。というより、周囲に人の気配すら感じない。
たった一人。一人だけど、フラクタル・システムと常に繋がって、ドッペルを通していつでも交流できる。
幸福で望むべき未来。そう、きっとこれでいいんだ。
いつの間にか音声が途切れて映像も消えていた。考え事をしているうちに、終わってしまったらしい。クレインは代わりにいつもの音楽をかけた。
不意に、耳元で鐘の音がした。
「5時の祈りの時間です。あなたの現在位置から導き出される僧院の方角は、右方向約10度です。さあ、祈りをささげましょう」
23a33e6b.jpgフラクタル・システムの音声だ。
「はいはい」
クレインは誰となく返事をして、ベンチから立ち上がると、指示のあった方角を振り向いた。
多少めんどうといえば、これだ。フラクタル・システムが神だとしたら、ライフログを送る行為は祈りである。こうしてフラクタル・システムの方向をまっすぐに見て個人データを送信する。そうすることで、フラクタル・システムの恩恵を永続的に受けることが可能になるわけだ。
「……まばたきをせず、おだやかに……」
フラクタル・システムの声が、クレインに指示を与える。クレインは言われた通りに、目の前の水平線をじっと見つめていた。
すると、何かが視界の端に紛れ込んできた。
何だろう?
72c6a1a8.jpg00b80759.jpgそう思っている間に、何かは視界の中央に入ってきて、しかもこちらに向かってきた。グライダーだ。誰かが乗っている。というか、すごい速度だ。
クレインははっと身を低くした。グライ857d322c.jpgダーが頭上を疾走する。追い風がクレイン自身をさらおうとした。
クレインは振り返った。グライダーは少し向うを行ったところで、急速に方向を変えている。
「何だ?」
にわかに胸の奥がそわそわするのを感じた。少なくともここ何年かは体験していない動揺――困惑だった。
突然に、頭上を爆音がかすめた。慌てて頭を抑える。何か、大きなものが通り過ぎた。
通り過ぎたのを確認してから、クレインは目を開けて、何かに目を向けた。小型の飛行艇だった。操縦席に、何人かが乗っている。
飛行艇は少し進んだところで方向を変えて、さっきのグライダーを追跡した。
何だろう? 何が起きた?
何もわからないままに、クレインは茫然と目の前で起きる事件を見ていた。
グライダーに乗っているのは――女だ。青い僧院の装束を身にまとい、亜麻色の長い髪を風にな67791ad0.jpgびかせている。
突然に、爆音が轟いた。飛行船が銃撃を放ったのだ。銃弾の軌跡がグライダーを狙う。グライダーは左右に体を揺らし、銃弾をかわした。
それで、ようやくクレインははっとした。
「大変だ!」
9cecd2ed.jpgクレインは自転車にまたがり、ペダルをこいだ。できる限りの速度で道を走った。グライダーと飛行船は絶壁沿いに疾走している。クレインは懸命にこいで、グライダーを追いかけた。
と、車輪に何かがぶつかった。自転車が跳ね上がった。身を守る間もなかった。全身が石垣の向うに放り出され、体を草むらにぶつけ7c2301c6.jpgてしまった。拍子にIPodが耳から外れて、歌声が大音量で流れる。
「あいって!」
クレインは短く悲鳴を上げて、身を起こそうとした。
その時、目の前をグライダーが通り過ぎた。行ってしまう。そう思ったけど、グライダーの女がクレインに気付いたように旋回して戻ってきた。クレインは顔を上げて、女がどうするのか見守った。
d81338e4.jpg女がゴーグルをはずした。こちらを見ている。クレインも女を見ていた。女の顔が緊張に固まっf08183d6.jpgている。でも次の瞬間、信じられないくらいおだやかな微笑を浮かべた。
「――え?」
537d5026.jpgまた何か胸に感じた。なんだろう。動揺のように感じたけど、それとは違うそわそわ浮き立つような何か――。
次に女は、ハンドルから手を離し、両手を大きく広げた。そしてそのまま、グライダーから落ちた。
でもクレインはあまり驚かなかった。そんなはずはないとわかっていたけど、でもその時、彼女は飛べるのかもしれないって思ったから――。

ab61d9d0.jpg

そこは遥かな未来。22世紀、フラクタル・システムと呼ばれるコンピューターが完成し、人々は働かなくてもよい未来を獲得した。フラクタル・システムとさえアクセスしていれば、最低限の住処と食事と医療が保障される。と同時に、フラクタル・システムは人との接し方、社会性すらも激変させてしまった。
『フラクタル』の映像の中に、生身の人間はごく少数しか登場しない。クレイン自身と少女フリュネ、それからフリュネを追跡する謎の3人組。あとはほとんどがドッペルと呼ばれるアバターで間接的に接するだけだ。家族すらドッペルを通じて断片的に時間を共有するだけで、夫婦間ですらお互いがどこにいるかも感知していない。おそらくは深く探らないことが、『フラクタル』の時代における礼儀のようなものなのだろう。
家族すらも、フラクタル・システムが提示する役割でしかない。ただ“役割”という虚ろな役割意義(あるいは義務)だけが、家族を結び付けているだけなのだ。
すべてがフラクタル・システムと呼ばれる巨大なシステムに隷属する一断片に過ぎない。人間も動物も風景も、何もかもがフラクタルが作り出す無限大の細密さと情報量を持つパターンの一つなのだ。
b76ebf8e.jpg分析するまでもなく宮崎駿のビジュアルイメージが随所に現れている。「冒険物語=宮崎駿」くらいの図式が作り手、ユーザーの双方の意識にあるのかもしれない。確かに宮崎駿の影響は絶対的で、その影響力はもはや世界規模のものだ。誰も宮崎駿という原型的、原体験的イメージから踏み越えることができない。『フラクタル』はそんな宮崎駿からの影響と宮崎駿への尊敬を隠そうともごまかそうともせず堂々と見せ付けて描いている。
5b2061df.jpg《フラクタル》はブロワ・マンデルブロが創作した数学的パターンである(Wikpedia:フラクタルブロワ・マンデルブロ)。一つの《フラクタル》の中には観測できる限り無限の《フラクタル》パターンの繰り返しが存在する。
それを映像として観察したとき、まるで万華鏡のように見える瞬間3a02c7ea.jpgがある。不思議な図形を次々に作り出していくけど、それでもどんな瞬間であっても、絶対的な規則性に隷属している。
『フラクタル』は目に映る総て――おそらくは自然の現象すらも何もかもがフラクタル・システムに隷属し、総てが同様のパターンを描き、システムの構造の中に隷属しているのだ。
b9955e8d.jpgストーリー原案の東浩紀は思想家として知られ、現在も早稲田大学で教鞭をとる大学教授である。アニメ『フラクタル』は東浩紀が構想したもので、おそらくは我々が考えるようなものを遥かに飛び越えた壮大なものが描かれ、それを読み解くにはより高度な意識が必要となるのだろう。いったいどのように物語が進行し、解説、解体されていくのか。実に楽しみなところである。
4a893132.jpgそんな未来世界では、人と人とが直接的に接する機会は決定的に減少している。すべてが――ペットすらもドッペルを通して、間接的に接触しようとする。まるでオンラインゲームのように、人と人とは直接的に顔を合わせず、それでいて顔を合わせないことを前提に独自の社会性と社会意識を構築している。
cd14556f.jpg『フラクタル』が描く未来は、現時点の我々が考える理想の世界だろう。人間がもっとも憎み嫌悪する対象は人間である。たとえ家族であれ兄弟であれ夫婦であれ、所詮は他者であり、異文化、あるいは拒絶すべき異物である。個人こそが一つの国家であり、一つの文明であり、他者とは嫌悪すべき『文化への不満』の対象なのでd8589c43.jpgある。
他人の意識や思考は決して理解することはできない。他者とは基本的に不愉快な対象なのだ。だからこそ社会性という緩衝材が必要なのであり、人は人生の初めに相当な苦労をして社会性を身につける訓練を必要とし、不完全ながらエゴを妥協する術を身につける。
839392c8.jpg作画は精密さを極めていく近年のアニメと比較すると、どこ6229ce2b.jpgかしら落ち着いているように見える。線の数は少なく、陰影はあっさりとやわらかく描かれる。それでもどっしりとした体型の重さが常に意識され、はっきりとした実在感を感じながら見ることとができる絵だ。
だが一方で人は他者という存在、あるいは他者という反応を求めてf2281bcd.jpgいる。かつては一つの生活空間を構築するためにどうしても他者が必要だったが、現代のような文明の発達した時代において、他者は別様の意味を持ち始める。
人は他者を求め、他者にすがり、あるいは性的充足のために利用し、あるいは協力し合う。
85b44b21.jpgおそらく未来世界において、他者は現代とはもっと違う意味を持った、道具的存在を遥かに超えた、『絆』が強く意識され、それが他者との結びつきをかろうじて作り出すのだろう。
01a81b88.jpgヒロイン・フリュネのルックスは少し印象的だ。最近のアニメは少女をより幼く描き、身体も小さく描く傾向がある。フォルムを重視するためにウエストラインは特に細く削り取られ、極端なくらい華奢に描いている。一方フリュネの体型はどっしりしていて、おそらく身長は主人公のクレインよりも高い。山本寛監督の意向はまだ読みきれないが、少し興味深い描き方である。
a2cd0a48.jpgアニメ『フラクタル』の前半において、生身の人間はとりあえず主人公クレインの他、ただ一人も登場しない(ガラクタ市に登場したモブは除く)。そんなクレインの前に、謎の少女フリュネが突然あらわれる。
フリュネはおそらくフラクタル・システムに隷属しない異物――フラクタルに対するカオスなのだろう(Wikpedia:カオス理論)。
0343147c.jpg冒険物語における少女(異性)=ファム・ファタールとは異界からの使者であり、少年を現在から別世界へと誘う役割を担っている。ファム・ファタールはそれまでの少年の日常を徹底的に崩壊させ、別の次元へと意識を止揚させる。それは少年から大人へという性と肉体の成長であり、意識の変化である。
1c3f0dce.jpgだからフリュネはクレインの思わぬ行動をとる。グライダーから危険な飛び降りを披露したり、いきなり服を脱いだり、飛びついてきたり。その挙句、突然クレインの前から姿を消してしまう。
何もかもがフラクタルに隷属し、総てがフラクタルの一断片として共有されている世界において、フリュネは小さなカオスであり、そのカオスに感化されたクレインは、やがてフラクタルという巨大なシステムを侵食し、ついには世界をカオスに飲み込んでいくのだろう(フリュネはフラクタル・システムの許容を超えた小さな他者であるのだ)。それはフラクタル・システムという揺り篭の世界に対する、思春期らしい自我と反抗の目覚めである。
2d438e73.jpg『フラクタル』の制作発表と同時に公開された山本寛監督の引退声明は、業界内にささやかな動揺を与えた。これまでに大きな外れはなく、順調にキャリアを築いてきた作家に、どんな心象の変化や戸惑いがあったのか。もしかしたら、そのヒントは作品のどこかに描かれるかもしれない。なぜなら作品は作家の呟きであるからだ(言い方を変えれば「監督ってのはいかに観客に気付かれないようにパンツ脱ぐかだよな」である。by押井守)。
7bb945e4.jpg『フラクタル』は『涼宮ハルヒの憂鬱』『かんなぎ』といった大ヒット作を生み出した山本寛監督の最新作であり、引退を賭けた作品である。山本寛監督は以前から「高度に描きこまれた作画アニメ」への違和感と疑問を示しており、それを証明するように作画の力ではなく、むしろ物語そのものの語り口や展開を大切に描いている。物語db55a915.jpgは合理的に整理され、段取りよく解説され、そのなかに活劇とささやかな笑いをテンポよく差し挟んでいる。見ていて心地よい感触が全体に張り巡らされている。
もっとも、《物語の構築》は日本のアニメの問題点の一つであり、致命的な弱点でもある。日本のアニメのほとんどは物語の構想が不e9c1341d.jpg充分なまま制作を進行させ、結末は出たとこ勝負で監督やプロデューサークラスの制作首脳陣ですら意識の共有すらされていないのが現状である。そのアニメが終わりに向かってどうなっていくのか、誰もわからない。ある意味、博打やおみくじを引くような状況で、制作が進行してしまっているのである。
5d04fed5.jpgなぜそうなるのか。物理的には時間があまりにも切り詰められている状況下での制作であることが問題なのだが、他にも物語を構想するためのノウハウが絵画の構成するノウハウほど十分に蓄積がないこと、それから構想を組み立てるための専用の部門が設立されていないことが挙げられる。
果たして『フラクタル』はどのように物語を構想し、どんな結末を目指して進行していくのか。もしかしたら克目すべき傑作になるかもしれないし、大きな変化もない拍子抜けの駄作になるかもしれない。何もかもはこれからである。


作品データ
監督:山本寛 原作:マンデルブロ・エンジン
シリーズ構成:岡田磨里 ストーリー原案:東浩紀
キャラクター原案:左 キャラクターデザイン・作画監督:田代雅子
セットデザイン:青木智由紀 イノセユキエ プロップデザイン:田中祐介
メカニックデザイン:林勇雄 美術監督・イメージデザイン:袈裟丸絵美
色彩設計:中島和子 撮影監督:石黒晴嗣
音響監督:鶴岡陽太 音楽プロデューサー:佐野弘明 音楽:鹿野草平
音楽制作:フジパシフィック音楽出版 ソニー・ミュージックエンタテインメント エピックレコードジャパン
アニメーションプロデューサー:清水暁 プロダクション協力:Ordet
アニメーション制作:A-1ictues
出演:小林ゆう 津田美波 花澤香菜 井口裕香 宮下栄治
   近藤浩徳 木村雅文 吉田安愉子 松丸幸太郎 倉富亮
   松嵜麗 丸山ゆう
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■2011/01/14 (Fri)
第1話 夢の中で会った、ような・・・

b1c15fc4.jpg白と黒のチェック模様の廊下がどこまでも続いていた。辺りは幾何学模様のような柱がいくつも林立している。頭上は天井のないどこまでも続く闇で、その中を色彩のない螺旋版がいくつも回っていた。
まるで目眩を引き起こしそうな心地だった。でも私は足を止められなく3e8f382c.jpgて、必死に廊下を走っていた。
呼吸が苦しくて、今にも途切れてしまいそうだった。私はどこに行くつもりなのだろう。何もわからないのに、でも確かなものを胸に抱きながら、私は走っていた。
a92b1c6f.jpg不意に、小さな広場が目の前に現れた。広場の3方向に短い階段があって、それぞれ別の廊下へと繋がっている。
どうしよう。どこにいけばいいんだろう。どの廊下も行く先の見えない果てへ続いている。
私は困惑を覚えて足を止めた。きょろきょろと、3方向の階段を見比べた。
ふと左の階段の先に、扉があるのに気付いた。扉の上に、「EXIT」と書かれたプレートがつるされて、ぼんやりとした緑色の光を投げかけていた。
8ce01a3b.jpg私は緑色の光に誘われるように、あるいは扉の向こうの世界に期待を抱きながら、ゆっくりと階段を上った。
少し長い階段だった。34、5……40。一段一段が高くて、目眩を引き起こしそうだった。
ようやく階段を上り詰めて、扉の前に立った。取っ手をつかみ、力をこめる。重い扉だった。ちょっとの力ではぴくりともしなかった。
やがて扉の向こう側で、ガシャと何かが動く感触があった。扉は急に軽くなって、私は一気に扉を全開にした。
27058ee8.jpgb4a233bb.jpg扉の向うは別世界だった。真っ黒な雲が目の前で幾層に重なり、重い風にびゅうびゅう押し流されていくのが見えた。埃で真っ黒に汚れた通路が左右にのびて、錆1ae76f81.jpgで赤くむけた欄干が通路を取り囲んでいた。空気は薄く汚れていて、不快な灰の臭いが空間一杯にただよっていた。
私はくらくらするのを感じながら、欄干の前に進んだ。見下ろすと地上は遥か下で、暗闇に埋没しかけた歩道の街灯が、赤く明滅しているの92dec32a.jpgがぽつぽつと見えた。高層ビルが目と同じ高さで、ビルのいくつかは先端が砕け、ガラス片とコンクリートの断片と一緒に、吸い上げられるように浮かんでいた。
何が起きたのだろう。ここはどこなのだろう。私は茫然とする思いで、真っ黒に沈む空を見上げた。そこに、太陽の輝きも月のぬくもりもなかった。
687dff51.jpgでもその空に、何かが鋭く尾を引くのが見えた。何かがいる。私は空を漂う何かに、目を凝らした。
女の子だった。灰色の制服を着て、闇に溶け込みそうな長く黒い髪をなびかせながら、女の子が飛んでいた。
その女の子の前に、巨大なコンクリート片が飛びついた。女の子はためらいもなくコンクリート片に突っ込んだ。コンクリート片が高層ビルにぶつかり、派手に黒煙を吹き上げた。周囲にびりびり振動が広がる。私は転びそうになって、欄干にすがりついた。
女の子は?
振動が去ると、私はすぐにあの女の子を探した。女の子は黒煙から逃れて、再び空を飛んでいた。でも赤い光が女の子を次々と襲い掛かる。女の子は赤い光を避けながら、まっすぐどこかを目指すように飛んでいた。
dab6a6c9.jpg「ひどい……」
私はぽつりと呟くように口にした。
「勝てないよ。彼女一人では荷が重すぎた。でも、彼女も覚悟の上だろう」
言葉を返すように、側で声がした。
はっと振り向くと、側の瓦礫の上に白い仔猫のような生き物が座っていた。
a00f90cf.jpg「そんな、あんまりだよ。こんなのってないよ!」
私は言葉を話す仔猫に疑問を持たず、必死に訴えかけるように身を乗り出していた。
「諦めらそれまでだ。でも、君なら運命を変えられる」
生き物の言葉にためらいはなく、不思議な力強さをもって私に語りかけてきた。
不意に炸裂音が轟いた。激しい振動が周囲を揺らす。私は耳を閉じて、その場でしゃがみこんだ。
あの子は?
振動が去ると、すぐにあの女の子の姿を探した。女の子はダメージを受けて、太い根っこのようなところに倒れ、ぐったりとしていた。
bbfa859b.jpg女の子は顔を苦しみに歪めながら、ゆっくりと身を起こした。綺麗な顔だった。遠くだったけど、肌が白く、整った顔をしているのがわかった。体の線が細くて、あまりにも弱々しく思えた。
女の子が私に気付いたように、顔にはっとしたものを浮かべた。それから何か訴えかけるように、口を大きく開けて、呼びかけるようにした。しかしその声は、周囲の轟きにさらわれて、何も届いてこなかった。
ba717870.jpg「避けようのない滅びも、嘆きも、すべて君が覆せばいい。そのための力が、君にも備わっているんだから」
白い仔猫はさっきの続きを話した。
「本当なの? 私なんかでも、本当に何かできるの? こんな結末を変えられるの?」
私は仔猫を振り向き、ふらりと一歩その前に進んだ。
「もちろんさ。だから僕と契約して。魔法少女になってよ」

c7968a0c.jpgふっと光が目に射し込んできた。体の感触がゆっくりと戻ってくる。私の体を包んでいる布団のぬくもり。しっかり抱きしめたピンクのうさちゃんのふわふわの感触。ほの暗い光が私の顔を横切っていて、遠くで鳥の鳴く声が聞こえてきた。
まるで今が夢の世界のようなぼんやりした心地だったけど、次第に体の感触がはっきり目覚めてきた。私はうさちゃんを抱いたままゆっくりと身を起こし、ため息を漏らした。
「……夢オチ?」
68e6306f.jpg

a2a17a39.jpg1deeb165.jpg『魔法少女まどか☆マギカ』は一見すると標準的な可愛らしい魔法少女アニメのスタイルを踏襲している。平和で落ち着いた雰囲気のある家庭。平凡だけど、閉塞感に満たされた日常。主人公である少女は内気で、自分に自信が持てないでいる30374dee.jpg3ea97536.jpg(ちなみに、魔法少女の主人公の髪の色がピンクでリボンというのも伝統的なスタイルだ)。そんな少女がある日ふしぎな力を持った使者と邂逅し、特別な力を得る。
物語のあらすじだけを追うと、それまでに作られてきた夥しい数の魔法少女アニメに60741a24.jpg埋没してしまいそうな作品だが、映像の感性は隅々にまで新房昭之監督のパーソナリティに満たされている。
主人公まどかの住まいは、目の錯覚を起こしそうな幾何学的な直線を組み合わせて構成されている。インテリアはもっと前衛的で、家具の一つ一つが慎重な感性で選択され、描かれている。傑出しているのは夥しい数の窓ガラスと鏡で構成された洗面所だ。カットが変わるたび99cfa869.jpgに窓の構成や空間の広さが変わり、演出家がその時に求めている構図を自在に作り出せる場所になっている。
学校のシーンもそこは我々が知っている無骨なコンクリートの構造物ではなく、全面ガラス張りの教室というユニークな構成で描かれている。教壇に貼り付けられているのは黒板やホワイトボートではなく、タッチディスプレイだ。
eeb9a042.jpg『魔法少女まどか☆マギカ』は前衛的で未来的な建築を描くことで、風景に異質さを与え、さらに建築の様式を構図の中に組み込むことで、作家が求めているビジョンをより明快なものにさせている。
48f42b40.jpg教室は全面ガラス張りというユニークなデザインが採用されている。左のカット、右の教室と左の教室とで生徒が左右反転させて張り込んだだけである。演出家の必須命題は何も“傑作を作る”というだけではなく、与えられた時間と予算内に能率よく作品を作ることも必須命題なのである。というか、むしろ後者のほうが大事である。

f991677d.jpg物語の冒頭はかなりの時間をかけて、主人公の家族や家庭の状況を描くことに集中している。
キャリアウーマンとして一家の稼ぎ手となっている母親。主夫として家庭を守っている父親。まだ言葉が自由に話せない弟。そんな中にいて、家族と良好な関係を持っている主人公のまどか。
そんな様子の一つ一つを、およそ3分という時間をかけてじっくり描い6d00eb75.jpgている。ごくありふれた家庭生活だが、そこに“自分”ただ一人で、主人公を取り巻く社会の中から“家族”だけが不自然に抜け落ちてしまったアニメばかりになってしまった最近の状況から見ると(とりあえず、窓が接した隣の家には幼馴染の異性が必ず住んでいる)、『魔法少女まどか☆マギカ』が描く家族はむしろ不思議な新鮮ささえ感じる。
8cb329d9.jpg主人公の母親の部屋に無造作に置かれた夥しい椅子。カットによって椅子の配置、種類が変わっている。厳密な配置よりも、そのカットごとにどのデザインの椅子が欲しいか、で画が作られている。洗面所のシーンはその傾向がより顕著で、ロングサイズになれば空間が広くなり、接近すると合わせ鏡がそこにあるように描かれる。作り手の感性を優先させた絵作りが試みられている。

647153ea.jpg696dca87.jpg物語の後半に入ると、打倒すべき“敵”である魔女が出現し、戦いの場面へと変わる。劇団イヌカレーが描く病的なイメージが画面全体を覆い、キャラクターの色彩から制御されたアニメカラーが失われ、劇団イヌカレーのイメージの中に埋没しかけc05f1bd9.jpgc00213a0.jpgてしまう。それまで作品を満たしていた暖かで落ち着いた佇まいは瞬時に消え去り、物語と見る者を別世界へと強引な力で引き込んでしまう。また、これまで新房昭之作品の断片的なイメージとして採用されていたに過ぎない劇団イヌカレーが、6e12f018.jpg物語的な位置づけを持った瞬間である。
しかしそんな中だからこそ、少女たちはその空間が持っているパースティクティブから解放され、軽やかに舞い、蠱惑的な魅力とともに無限の力を放つ。
戦いの場面をクローズアップすると、そこは暴力的なイメージが容赦なく描かれる場所であり、さらに作家の感性が極限までに試される場所a2420b78.jpgとなっている。
『魔法少女まどか☆マギカ』は一見すると幼児向けアニメの外観を装った作品であるが、その実体はまったく別で、美しい少女たちもパースティクティブを無視した舞踊のようなアクションのイメージも、より先鋭化していく作家のスタイルを強調するのに必要な素材の一つでしかない。
3d510e97.jpg1811840a.jpg原画の質は高いが、中割の絵がやや崩れがちなのが気になるところだ。時間的な制約の厳しいテレビアニメーションだが、堅実に動画マンを育てていけば作品の質は必ず上がるはずである。「実践以上に良質な教育はない」。プロジェクトは教育という側面をセットにして推し進めていくべきである。
7366c7ee.jpg『魔法少女まどか☆マギカ』は最近のアニメ作品としては珍しい完全オリジナルストーリーである。それだけに、新房昭之の感性が自由に放たれ、画面全体を満たしている。空間的な奥行きを切り落とした平面的な構図。立体的な演技空間を無視して、その構図における絵画の作りを優先したカット。幾何学的な直線を多用した建築の様式は、そういった構図を作り上げるのに有効に働いている。オリジナルストーリだけに、新房昭之の個性はより濃厚だ。もしかすると新房昭之という個性を総決算する作品になるかもしれない。
しかし、原作がないという状況は制約がないということである一方、物語の手本となる骨組みがないということでもある。オリジナルストーリーはエピソード一つ一つが描くイメージは素晴らしくとも、作品全体がもつ大きなビジョンにはなかなか至らない場合が多い。『魔法少女まどか☆マギカ』はどのように物語を押し進め、最初に描かれたイメージがどのように変質し、どんなビジョンに到達させようとしているのか。その計画がなければあっけなく破綻するのが、オリジナルストーリーの難しいところだ。とにかく、心して見守って行きたい作品である。

TVアニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」公式サイト

作品データ
監督:新房昭之 原作:Magica Quartet
キャラクターデザイン:岸田隆宏 総作画監督:谷口淳一郎 高橋美香
シリーズディレクター:宮本幸裕 アシストディレクター:阿部望 神谷智大
レイアウト設計:牧孝雄 異空間設計:劇団イヌカレー
美術監督:稲葉邦彦 金子雄治 美術設定:大原盛仁 色彩設計:日比野仁 滝沢いづみ
編集:松原理恵 ビジュアルエフェクト:酒井基 撮影監督:江藤慎一郎
音響監督:鶴岡陽太 音楽:梶浦由紀 音楽制作:アニプレックス
アニメーション制作:シャフト
出演:悠木碧 斎藤千和 喜多村英梨 水橋かおり 加藤英美里
   新谷良子 後藤邑子 岩永哲哉 岩男潤子 松岡禎丞
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寒い季節になるとノートパソコンが欲しくなる。机は寒いからね……。コタツにもぐってブログの投稿がしたい。最近、たまにしかブログの更新しなくなったのは、そういう理由。

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