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■2012/02/21 (Tue)
絶望先生28集 (1)人生という箱の中には絶望が一杯に詰まっている。世界は絶望に覆い尽くされ、今にも潰されようとしている。しかし知恵ある者はこう言う。絶望のすべてが過ぎ去った後に、希望の欠片が残される、と。最も暗いのは夜明け前の闇だ。人はどん底の闇に沈んだときにこそ、もっとも輝ける希望を見出す。絶望と希望は、ふらふら揺れる天秤のように、同等の重さと普遍性を持っているのだ。
『さよなら絶望先生』も28冊目を数える。絶望を28冊、281話の絶望を積み重ねてきた。堆く積み上げられ腐敗が始まった絶望の地層の底で、我々はもうすぐ希望を見出すだろう。
28集の表紙は出席番号15番大草麻菜実。端切れを当てた白い昔風のエプロンを身にまとい、左手には野菜を一杯入れた買い物籠を持ち、いかにも苦労人らしい姿が描かれている。もっとも、エプロンの下の着物はなかなか高価そうだが。
裏表紙はこれまで男性登場人物が描かれてきたが、今集は加賀愛が描かれている。いつも「絶望文学集」が書き込まれている“そで”の部分には忍者設定の加賀の裏エピソードが“新連載”として書かれている。次回以降も続くのだろうか。

前巻までのあらすじ
私は主婦。50円お得な大根を買うため、200円のバス代を惜しまない心意気。月収8万の内職のため、内職キットを30万で揃えたの。ところがこの内職キットがくせもので、地球を守る武器セットだったの。内職で地球の平和を守るなんて、割に合わないよ。しかも敵ったら、いつもタイムセールの時間帯をついて攻めてくるからサイアク。戦闘員1ダース倒して800円は低賃金過ぎて、赤旗にコラムが載るレベル。

絶望先生28集 (2)第272話 あいまいな日本の形
市民プールで楽しい一時を過ごした後のことである。加賀愛が怯えるような悲鳴を上げた。
「着替えが見当たりません!」
ロッカーの中には着替えどころか何も入っていなかった。
「どこぞの変態に盗まれたんじゃない?」
日塔奈美がからっぽのロッカーを覗き込んで憤慨した声を上げた。
「そ、そんな。私の着衣など無価値ですから」
加賀は暗く視線を落としながら、それでも自分を卑下する。
そんな愛の背中を、風浦可符香が決意の眼差しで見詰めていた。風浦は自分の着替えを手早く済ませると、走って更衣室を飛び出し、通路を歩いている木野国也を呼び止めた。
「木野くん大変!」
と風浦は女子更衣室で起きた事態を、端的に説明した。
「何ィ! 加賀さんがピンチだと!」
木野が憤慨した声を上げ、「俺に任せろ」と頼もしげな声を置いて一度市民プールを後にすると、間もなく紙袋を持って戻ってきた。それを風浦が受け取り、いまだ更衣室で水着姿のまま困惑している加賀に預けた。紙袋の中には木野がたったいま買ってきたばかりの新しい衣装がきちんと折りたたまれて入っている。加賀はその衣装に着替えるのだが……。
「……これはまた、アグレッシブな。」
木津千里が呆れるような感想を漏らした。
あまりにも吹っ飛んだ未来的なデザイン。今の人類には早すぎる、斬新な衣装だった。
「む、無理です! 私のような者にこんな上級者ファッションは着こなせません!」
加賀愛が拒絶の声を上げた。
しかし、風浦は優しく微笑みを浮かべた。
「大丈夫。形から入るのも手だよ。中身は後からついてくる。勇気を出して一歩踏み出してみよう!」
風浦は押し出すように加賀の背中を叩いた。
水は方円の器に従う》。まず形から入ることにより、自覚が生まれ、中身が整うこともある(故事ことわざ辞典:水は方円の器に随う)。日本人は何かを始めるとき、まず形から入ろうとする。ナースはナースキャップを被るところから入り、その後慈愛の精神が生まれる。警察官は制服を着るところから入り、その後市民を守る意識が芽生える。
しかし世の中にはダメな結果をもたらす事例もあるようである。

絶望先生28集 (3)第273話 唯ぼんやりとしてるから不安
夏休みが明けて新学期。教室に入ってきた糸色望は、すぐに生徒の中に変化があることに気付いた。小節あびるの髪の長さである。いつもの通りの両耳を隠すような三つ編みをしているのだが、今日はその三つ編みが肩にすら届いていない。髪のねじり団子をひと巻き作ったところで終わっていた。
「あー! あびるちゃん髪切ったの! 何で何で? 理由は?」
日塔奈美が驚きの声を上げて食いついた。妙に生き生きした顔で「もしかして失恋とか?」とあびるの表情から何かを探ろうと覗き込む。
「いや、別に何も?」
しかしあびるは、特に気にする様子もなく、いつもの冷淡な調子で答えた。
「ええー! 何かあるでしょ理由!」
奈美は納得がいかず食い下がった。
すると唐突に、
「何にでも理由があると思うな!」
怒鳴ったのは糸色望だった。
そう。何でも理由があるわけではない。理由もなく火災報知機のボタンを押しちゃったり、理由もなくティッシュペーパーを全部出しちゃったり、理由もなくお菓子の箱をビデオデッキに入れようとしちゃったり、理由もなく缶ペンケースをノリで蓋しちゃったり。
……理由なんてないのである。あるとしたらそれは後で作られたこじつけであり、その時にあるのはただの衝動。人間の行動のひとつひとつにいちいち動機を求めても無意味なのである。
と、いうわけでやってきたのは「理由なし不動産」。そこには特に理由なく物件を求める人が、そして店には特に理由もなく安く、特に理由もなく高い物件がずらりと並んでいた……。

第274話 善いサマリア人ね。善いサマリア人は善いね。
絶望先生28集 (6)いに禁断の3年生へ進級した糸色望の生徒たち。というわけで――、
「皆さんの担任を辞することをお許し下さい」
望が教壇に手をついて、深く頭を下げた。
「急に何を言っているんですか!」
唐突な辞表宣言に、3のへ一同にざわざわと動揺が広がる。
「だって3年生なんて大切な時期を受け持つなんて、とてもとても責任を負うことはできませんから! 受験のストレス等で、珍妙な事件でも起こされたらたまりません!」
望は清々しい勢いで自己弁護する。
「何て無責任な。見損ないました!」
木津千里が憤慨した声を上げた。
続くように日塔奈美が机を叩いて立ち上がる。
「もういいです! 他の人に担任になってもらうよう頼みます!」
3のへ一同は教室を出て行くと、「3のへ 担任募集」のたすきを手早く作り、全員で職員室へとなだれ込んだ。
「どなたか! 私たちのクラス担任になって下さーい。」
と呼びかけるものの、職員室の教師たちは返事するところか目線すら合わせず、こそこそとその場から去って行こうとする。3のへを担任しようという教師は職員室にはいなかった。
「そらそうですよ」
と抜けぬけと顔を出したのは望。
「今の日本は、困っている人を助けようとすると、ただの善意でしたことでも責任を問われる可能性があるのです」
迷子の子供を家まで送り届けようと連れて歩いていたら、誘拐の容疑で逮捕されたり。
道で倒れている女性を助け起こしたら、「痴漢!」と叫ばれたり。
直してあげようと壊してしまい、弁償させられたり。
今はそんな時代である。誰も彼もエゴを押し通そうとするから、良心も善行も、リスクに変換されて増大している。積極的に関わろうという奇特な人など、そう現れるはずもない。

絶望先生28集 (9)第275話 一割の苦労
宿直室の座敷。小森霧が低い円テーブルにパソコンを置き、難しそうな顔をしてモニターを睨みつけていた。
「何をやっているんですか?」
糸色望が霧の背中越しにモニターを覗きこむ。
霧は手を休めて振り向き、望を振り返る。長身の望の顔を見ようと、霧の顔が少し無理な感じに大きくそらされていた。
「仕事」
霧が一言で答えた。
「え? ひきこもりなのに仕事しているんですか?」
望が少し意外そうな声を上げた。
「だからニートと引きこもりは違うと何度も……」
霧は体を少し望のほうに向けて、反論の声を上げた。といっても、声の熱気は低く沈んでいる。
「どれくらい、できているんですか?」
「90%ってとこかな」
霧は再びモニターのほうに体を向けて仕事を再開する体制に入った。
「じゃあ、もう少しでできますね」
望が緊張を解くような声を上げる。
が、霧が再び望を振り返った。
「ところが、この世界では、90対90の法則というのがあってね」
「なんですか、それ?」
望は霧の右隣に座った。
「9割方終わっているようでも、残り1割に結局、9割と同じ位の時間がかかるって皮肉だよ」
霧はモニターに顔を向けたまま、目線だけ望に向けて説明する。両手の指はキーボードの上をゆらゆら漂っていた。(Wikipedia:90対90の法則
望は納得するようにうなずいた。確かにそれは、どの業界でも同じように言える事象である。例えば道路。9割方できあがっていても、残りの1割が一番時間がかかる。理髪店でも、だいたい整ってからが長い。菅直人元首相も、辞めるといってから実際に辞めるまで随分かかった。
終わりが見えてからが長い。終わりが見えてから時間がかかる。終わりが見えてからが一番大変。
そこで、風浦可符香がこう提案する。
「だったら、もう90%でいいじゃない」

絶望先生28集 (11)第276話 悲しき絶対
廊下に出ると、鮮やかなヴァイオリンの音色が一杯に満たされていた。どこからだろう? 糸色望は、ハーメルンの笛に導かれる子供のように、ヴァイオリンの音色を求めて歩いた。
音楽準備室。そこで少女が一人、斜めに傾いた午後の深い光を浴びながらヴァイオリンを弾いていた。自分が奏でている音楽が気持ちいいように、ゆるやかに体を揺らしながら、弦に当てる弓から優雅な音が絶え間なくあふれ出している。
その音楽も、やがて終わるときがやってきた。ヴァイオリンの少女が満足げな恍惚を込めたため息をひそかに吐いた。それから振り向き、望がじっと見詰めているのに気付いて「あ!」と身を小さくした。
「うるさかったですか? すいません」
加賀愛の表情から満足が消えて、申し訳なさそうに視線を落とした。
「いえいえ。素晴らしい演奏でしたよ。確か、その曲はJ・S・バッハの……」
望は明るい敬意を込めて返す。
「「ヴァイオリンパルティータ第2番ニ短調」です」(→無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
加賀は視線を落としたまま答えた。
望は納得したように頷く。
「ああ、そうでした。いわゆる絶対音楽ですね」
絶対音楽》。それは音楽のための音楽である。テーマもモチーフもない。何かを表現したいのではなく、純粋に音楽のために作られた音楽である。(Wikipedia:絶対音楽
ベートベンの「運命」も、実は絶対音楽でテーマはなく、「運命」というタイトルは後の人がつけたタイトルである。逆に、ビバルディの「四季」はテーマのある表題音楽なので、「四季」を思い浮かべながら聞くのが正しい鑑賞法である。
そう、芸術の世界にはモチーフを持たない《絶対芸術》という分野がある。というわけで今年の文化祭のテーマは《絶対芸術文化祭》。そこでは芸術そのものをテーマにした、少々飛躍しすぎた作品が展示されていた。

絶望先生28集 (14)第277話 バレときどきぶた
図書室で藤吉晴美が本を読んでいた。木津千里がスクラップブックを持ったまま、その側で足を止める。
「なに読んでるの?」
「古事記」(Wikipedia:古事記
晴美は目線を本に集中させたまま答える。
「いまどこ?」
千里がスクラップブックを背中側に回し、晴美の背中越しに本を覗きこむようにした。
「イザナギが左目を洗ったとこ」
晴美は文章を追いながら、意識のほとんどを本に向けながら言った。
千里が少し明るい声を上げた。
「ああ。それで天照大御神が産まれるのよね。」(おや?漫画本編に「。」が抜けている)
すると、晴美が千里を振り返った。
「ネタバレしないでよ!」
その顔は、愕然としたショックと怒りが混じって険しかった。
「ええ! だって古事記だよ! 千年以上前の本をネタバレって……」
「ネタバレする奴は死んでいいよ!」
困惑を浮かべる千里。しかし晴美はヒステリーを抑えられないみたいに声を上げた。
『ネタバレ』。確かにまだ見ていない映画の結末を言うのはマナー違反である。とはいえ、『猿の惑星』の結末や、初代『13日の金曜日』のラストシーンはあまりにも有名な古典なのでそろそろ時効という気がする。(ヒッチコックの『サイコ』はまだNGという気がする)
では『ネタバレの時効』というのはいつなのだろう?
そんな話題をしているときに、サッカーの代表戦が今夜だという話が入ってくる。しかし今日は研究会なのでリアルタイムで見ることはできない。さて、どうやって結果を知らずに帰宅できるだろうか?

絶望先生28集 (17)第278話 似勢物語
もうすぐハロウィンである。どんなコスプレで参加しようか? アニメファンの女の子たちが、そんな話題で盛り上がっていた。それで「今年はマゴマギ」でいこうと決まった。気合の入った自作の衣装で、ばっちり決めてやる、とそんな意気込みを語っていた。
が、現実は……。
「思っていたと違う!!」
少女は絶望した声を上げた。
「仮装して現実を思い知らされるというやつです。私もしばしばあります」
藤吉晴美が冷酷な声で状況を解説した。その晴美だが、すでに現実を嫌ってくらい思い知っているので、テンションだだ下がり、今年はただの学校の制服でハロウィンに臨んだ。学校の制服も、コスプレといえばコスプレである。……もっとも無難なコスプレである。
しかし糸色望が肯定的な意見を告げる。
「かわいらしいじゃないですか。皆さん、そこまでのギャップはないですよ。じゅうぶん“装丁内”です」
“装丁内”。つまり、そこまで衣装と中身が乖離しているわけではないから、装丁の範囲内というのだ。アニメ好きがアニメキャラを演じているのだから、むしろ友好的な一致である。困った事例は、そのアニメキャラの情報をまったく知らず、愛着もなく、ただのモデルの仕事で衣装を着ている場合だ。
“装丁の範囲内”はみっともなくても許せるのである。問題なのは“想定の範囲外”の事例である。世間に出てみると、そういう“装丁の範囲外”の事例は実は非常に多く……。

絶望先生28集 (18)第279話 釣れ釣れ草
堤防の端で、糸色望が係船柱に腰掛、ゆるく角を立ててたゆたう波に釣り糸を垂らしている。じっと見詰めている浮が、ぴくりと沈んだ。
来た……。
と思った瞬間、隣に立っていた木津千里が勢いよく竿を振り上げた。糸の先には、まるまる太った魚がしっかり食いついている。
なかなかの釣果に、まわりにいた女の子たちが千里に賞賛の声を上げる。
そんな様子を、寂しげな目線で見ている望。望は自分が垂らしている糸の先で浮かんでいる浮に目を向けた。何かに引っかかったように思えた浮は、今は何事もなくゆるやかな波に合わせて自然に浮かんでいる。
「釣りは残された数少ない男のスポーツなのに……」
望が愕然と沈んだ声で呟く。
そんな望の側に、小節あびるがやってくる。
「先生、全然かからないね。エサが悪いんじゃないですか? 使います?」
とあびるが手に持っていた小箱の蓋を開けて望に差し出した。望が顔を上げて小箱を覗きこむ。その顔が、一瞬にして青く引き攣る。小箱の中で、ウォームの群れがうねうねと絡みあっていた。
「いやぅっ!」
望が悲鳴を上げ、自分の身を守るように腕を振り上げつつ縮こまった。虫が怖いのである。
さて、立派な魚を釣り上げた千里だが、厳しい顔をして釣果を見詰めていた。
「リリース」
千里は魚を針から外し、ためらいなく海に放り捨てた。
「ええー! 何で!」
もったいない! みたいな感じに日塔奈美が声を上げた。
しかし千里は冷静に言い返す。
「狙っていた魚と違うから」
千里が用意している仕掛けは真鯛用。だからきっちり真鯛を釣らねばならない。それ以外の魚は全て外道。たとえ高級魚であっても。千里は真鯛以外の魚は認めないつもりなのである。
そう“外道”である。魚釣りに関わらず、現実世界のあらゆる事象において、望まないものが食いついてくるのである。
例えば、子供向けの料理番組に大人(ロリコン)が食いついてしまったり、
ババシャツに女子高生が食いついたり、
在インドの日本人のための柿ピーにインド人が食いついたり、
少年向け漫画誌に腐女子が食いついたり。
……でも本当のところ、思っていた客層と違っていてもいいから食いついてほしいものである。

絶望先生28集 (19)第280話 時をかけるニート
閑静な住宅街でもハズレというくらい端っこに、小さな家が一つ立っている。白い壁で固められた崖を右へ左へとうねうねと這い登っていく階段の行き着く先に立っている、そこにいるときっといい眺めが見られそうな家である。その家の、特等席とも言える窓に、男が一人佇んで外の風景を眺めていた。
小節あびるは階段下の小さな広場で足を止め、しばらく窓の男を見詰めた。遠くて表情はわからない。男は何かを探しているようにじっと窓の外の風景を眺めている。あびるの視線には気付く気配すらない。
あの男は“未来人”を自称するニートである。“未来ニート”とご近所で呼ばれ、小学生から嘘つきとバカにされるダメ人間だ。
でもあびるは少し信じていた。彼が本当に未来人である、と。
理由?
「だって未来からやってくるような人は、みんなダメ人間だと思うから」
なぜそう思うのか?
例えば次の日塔奈美のような考え方である。
「書類選考受かったんだけど、結局、当日行かなかったんだよね……。本当だったら私が読モになっていたのに」
本当だったら、自分が○○だったのに。未来人の立場から過去を悔やみ、失われた過去を悲観する。未来思考ならぬ、《未来人思考》の人。
“本当なら自分があの娘とつきあっていたはずなのに”
“本当なら自分が勝っていたはずなのに”
未来思考が前のめりに事象と接するのに対し、未来“”思考は過去を悔やむ。
だからこう思うのである。
「もしも過去へタイムスリップしたいと願う人といたら、その人はきっとダメ人間だ」

絶望先生28集 (21)第281話 曽根崎心中未遂
「本当は死んでいたのに。あなたが助けるから」
糸色望の静かな声には、呪いの意志がありありと浮かんでいた。
公園の並木通りだった。秋の終わり頃で、あの頃は桜満開だった幹には枯葉一枚も残していない。
望はそんな幹の一つに縄をくくりつけ、もう一方の端にわっかを作る。手馴れた作業を淡々とやりこなしつつ、いちいち後ろで見ている風浦可符香を振り返る。風浦可符香は鞄を後ろ手に持ちながら、静かに糸色望の作業を見ていた。
糸色望は用意していた台の上に足を置き、宙にぶら下がっているわっかを手に取った。そうして、ちらっと可符香を振り返る。
「やはり、死にます」
確認するように、呟く。
わっかに首を近づける。ちらっと可符香を振り返る。可符香は何も言わずじっと見詰めている。首に巻いたマフラーが冷たい風にふわりと持ち上がった。
望は首にわっかを回し、そうしながらちらっと可符香を振り返った。その体制で動きが止まってしまう。何もない沈黙に、冷たい風だけが流れていった。
「はい、終了です」
やっと可符香が声を上げた。
「何が?」
望がとぼけたような声を上げた。
「目的は完遂されました」
「まだ死んでませんが?」
望がわっかに通したままの首を可符香に向けて、憤慨した声を上げた。
望の背中に隠れていた常月まといがひょいっと顔を出す。
「だから、最初から未遂で終わらせるつもりの行為だったわけで。“未遂が最終目的”ってことでしょう。あんまり未遂目的繰り返してると、いつか未遂失敗して本当に死んじゃいますよ」
まといは呆れたものを含ませながら、望をたしなめた。
望はまだ幸運なほうである。自殺とされる人たちの中には、一定の割合で自殺未遂失敗が含まれているに違いないのである。未遂目的行為が、いつか未遂以上の結果をもたらすかもしれないのだ。
実行する気のない犯罪予告で逮捕されたり、
使う気のない偽札で逮捕されたり、
載せるつもりのないギャグが載ってしまったり。
未遂目的がいつも未遂で終われると思うなよ!

さよなら絶望先生《本家》目次ページへ

漫画・著作:久米田康治
出版・編集:講談社
連載・掲載:週刊少年マガジン





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ネタバレねた解説。
絶望先生28集 (15)
必ず『さよなら絶望先生28集』を購入の上、よく読んでから続きをお読みください。



絶望先生28集 (5)273話より。
ついに3年生進級。終了への秒読みをはじめたようだ。次の4月には完結するかもしれない。ここまで来たのだから、最後まで見守りたい。

















絶望先生28集 (4)273話 おまけページより
問題のコマは第21集208話116ページである。
前田君はいい仕事をした。次はスクリーントーンを張り、立体的な質感を描いて欲しい。矢吹健太朗先生のように!
絶望先生28集 (24)あとテレビ出演おめでとうございます。テレビ出演についての経緯はあとがきに詳しく書いているので必読である。




絶望先生28集 (7)274話より。
「善きサマリア人の法」
アメリカやカナダなどで施工されている法律で、「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という法律である。詳しくはWikipediaの解説を参考にしてほしい。→Wikipedia:善きサマリア人の法
人を救っても、少しの失敗がそこにあれば罪人扱いされていまう今の世の中、必要な法律かもしれない。








絶望先生28集 (8)274話より。
藤吉晴美に請われてアシスタントをする木津千里。しかし、原稿に墨をこぼしてしまい……。
ギャグ漫画においては不思議とよく見かけるネタである。残念ながら木津千里には弁解の余地はあっても決して許されない。漫画原稿はそもそも仕事である。木津千里の失敗は仕事それ自体に重大な損害を与えたわけだから、普通の企業に置き換えたら叱責されて当然の所業である。特に締め切り直前で切羽詰っている漫画家は気が立っているもの。漫画のアシスタントは慎重に仕事を進めるべきである。











絶望先生28集 (10)275話より。
「単行本27巻まで出ている漫画が、ああ30巻くらいで終わるなと思っても、実際は27×2で54巻まで出てしまうかもしれないのです」
「もうすぐ終わるよ」と言われたら、「まだまだ長いな」と思えるのだが、「まだまだ終わらないよ」と言われると、「もうすぐ終わるんだな」と思ってしまう。なぜだ?
“終わる終わる詐欺”のせいで、変な警戒心がついてしまった。


絶望先生28集 (12)276話より。
注目は箇条書きの一番下。このごろ自虐ネタの長文化が目立つ。自身で“末期”を演出しているのだろうか。漫画が終わるより先に、作者の命が終わる、なんて事態はシャレにならないのでやめてもらいたいが。











絶望先生28集 (13)276話より。
左上に、公約を燃やして明かりの代わりにしている男性が描かれている。元ネタは新聞の風刺漫画で、学校の教科書にも載っているので知っている人は多いだろう。実はこの男性にはモデルがいる。
玉置半右衛門(1838~1910)。
玉置は八丈島出身で、つむぎや魚介など離島の特産を東京と横浜に運んで巨万の富を得、それを足がかりに日本各地に点在する無人島を次々に開拓し、様々な事業を興した。アホウドリ産業を創始し、アホウドリを絶滅寸前に追い込んだ人物である。また東京の自動車事故第1号という記念すべき記録を作っている。沖縄にサトウキビ栽培を持ち込み、そのまま現在までに残る産業にまで定着させた人物でもある。
詳しくは荒俣宏著「黄金伝説」を参考にしてほしい。(Wikipedia:玉置半右衛門
しかし、どうやらお札を燃やすパフォーマンスは玉置の後、追随者がいたらしく、それが成金のシンボルとして新聞に描かれたようである。知っている人もいると思うが、お札を燃やす行為は違法である。「貨幣損傷等取締法」という法律があり、お札を燃やすとこれが該当され、懲役1年以下または罰金20万円の刑罰が与えられる。(Wikipedia:貨幣損傷等取締法


絶望先生28集 (16)78話より。
アニメディアの11月号には件の「ナゾの白いのみもの」が紹介されたようである。もちろん私もこの資料を……あれ? 持ってない。

ところで、アニメコスプレについて相談しあう女の子が描かれている。『絶望先生』ではよく扱われるネタだが、今時は女の子はルックスもスタイルもよく、衣装の完成度も高いのでそこまでアニメキャラクターとのギャップができたりはしない。アニメのキャラクター自体が現実のスタイルを参考にしているので、むしろ現実とアニメの距離はある程度接近しているように思える。もしも似ていなくても、もともとのスタイルがいいのでそれなりに魅力的な結果を得ているのが現状だ。現実の事情が変わってきているので、ギャグとしてこなしきれていないように思える。この使い古したネタも、少し方向性を変えて漫画に取り入れるべきかもしれない。


絶望先生28集 (20)280話より。
「わざわざ未来から過去に来たいと思うような人はきっとダメ人間である」
もしも未来の人が過去に来るとしたら、どんな動機が考えられるだろうか?
競馬で一攫千金。
ヒット漫画を先に描いて人気者に。
確かにその通りだ。未来人が過去に来る動機は、いつも“過去を変えたいから”であり、しかもそれは私利に基づいている。もしもタイムマシンなんて発明されたら大変である。タイムパトロールが躍起になって取り締まるわけである。我々の前に未来人がなかなか現れないのは、タイムパトロールが水際で防いでいるからだろう。
しかし、こうは考えられないだろうか。
未来からやってきて大成功を収めた人物は、自分から「未来からやってきた」と言わないのではないだろうか。彼らもタイムパトロールを警戒しているはずである。
ということは、何かしらの事業や創作で大成功している人は、すべて未来からやってきた人なのかも知れない(ジョブズあたりは怪しい)。著名な富豪が突然の死亡や行方不明といった事件が起きると、我々はまずタイムパトロールの関与を疑うべきかもしれない。


絶望先生28集 (22)281話より。
首を絞めながら○○○をするとすごーく気持ちいいらしい。が、それで死亡してしまう人も結構いる。
映画『キル・ビル』のビル役で知られる、デビッド・キャラダインも○○行為の最中で死亡したと言われている。(痛いニュース:デビッド・キャラダインの事件
いくら気持ちよくても、死んだ後に汚点を残したくはないものである。もっとも、死んだ本人は感知し得ないが。
○○○は挑戦するものではない。知恵を絞るのはオカズだけにするべきである。








絶望先生28集 (23)281話 おまけページより。

出席番号29番 丸井円
茶道部(仮入部) 未来泥棒少女。

今更だがメインキャラクター昇格である。本当に今更……。しかも未来泥棒少女って、扱いの難しそうなキャラ付けである。美大を目指していた(はず)の設定はどこに消えたのだろう。普通の女の子が、すっかり不思議少女に変換されてしまった。
これ以降、出番はあるのだろうか?





漫画・著作:久米田康治
出版・編集:講談社
連載・掲載:週刊少年マガジン





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